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物理学
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東北大など、スピントロニクス素子を使った人工知能の動作実証に成功
世界初、スピントロニクス素子を使った人工知能の動作実証に成功 ‐人工知能技術の適用範囲を飛躍的に拡大‐ 【概要】 国立大学法人東北大学電気通信研究所附属ナノ・スピン実験施設の大野英男教授、佐藤茂雄教授、深見俊輔准教授、秋間学尚助教、同ブレインウェア実験施設の堀尾喜彦教授らのグループは、磁石材料から構成されるミクロなスピントロニクス素子を使った人工知能の基本動作の実証に世界で初めて成功しました。 近年、脳の情報処理機構を真似て効率的に認識・判断を行うことを目指す人工知能と呼ばれる技術が非常に注目され、一部で実用化されています。現在実用化されている人工知能はいずれも従来の半導体...
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理研と京大、新粒子候補テトラクォークZc(3900)の正体を解明
新粒子候補テトラクォークZc(3900)の正体 ―大規模数値シミュレーションで解明― <要旨> 理化学研究所(理研)仁科加速器研究センター初田量子ハドロン物理学研究室の池田陽一客員研究員、土井琢身専任研究員、初田哲男主任研究員、京都大学基礎物理学研究所の青木慎也教授らの共同研究グループ(※)「HAL QCD Collaboration[1]」は、スーパーコンピュータを用いた大規模数値シミュレーションにより、「クォーク[2]」4個から成る新粒子と考えられていた「Zc(3900)[3]」が、クォークの組み替えにより引き起こされる現象、すなわち「しきい値効果[4]」であり、新粒子とは呼べないことを明らかにしまし...
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東北大と産総研、磁気モーメントの渦の運動が可能にする省エネルギー情報記録
磁気モーメントの渦の運動が可能にする省エネルギー情報記録 −ハードディスクの超高密度化と超低消費電力動作の両立に新たな道− 【発表のポイント】 ●磁石の向きが変化しやすいNi−Fe合金層と、磁石の向きが変化しにくいFePt規則合金層を組み合わせたナノ磁石を作製し、磁気記憶デバイスの情報記録のしくみである「磁石の磁化方向の変化(磁化スイッチング)」の挙動を調査した。 ●FePt規則合金層は次世代の超高密度磁気記録材料の有力候補だが、情報記録(磁化スイッチング)に使う消費電力が大きい(大きな外部磁場が必要である)ことが実用化の障害の一つだった。 ●今回、Ni−Fe合金の中に作られる磁気モーメント(...
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NICTと国立情報学研究所、世界最速の長距離データ転送に成功
世界最速の長距離データ転送に成功 ファイル転送プロトコルMMCFTPで転送速度150Gbpsを記録 NICTと大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII、所長:喜連川 優、東京都千代田区)はこのほど、NIIが開発したファイル転送プロトコル「MMCFTP」(Massively Multi−Connection File Transfer Protocol)を用いた日本ー米国間のデータ転送実験を行い、転送速度約150Gbpsで1〜10テラバイト(TB)のデータを安定的に転送することに成功しました。従来は80Gbpsの長距離転送が「世界最速」として報告されており、距離条件・転送速度ともに大幅に上回る今回の実験結果は「世界最速」(1サーバー対1サーバーのデータ...
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東北大、マンガンケイ化物系熱電変換材料で従来比約2倍の出力因子を実現
マンガンケイ化物系熱電変換材料で従来比約2倍の出力因子を実現 ―300〜700℃の未利用熱エネルギー有効利用に期待― NEDOプロジェクトにおいて、東北大学の研究グループは、マンガンケイ化物系熱電変換材料で、発電量を表す指標である出力因子として、従来の約2倍に相当する2.4mW/K2mを実現しました。 今回の成果により、自動車エンジンの排熱や産業分野における工業炉からの排熱等、300〜700℃の未利用熱エネルギーを電力に変換する高出力熱電発電モジュールの実現が期待されます。 *図1は添付の関連資料を参照 1.概要 現在、運輸・産業・民生の分野において、一次エネルギーの半分以上が利用...
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東大など、機械学習で作った簡易的な人工知能で界面の構造を予測することに成功
機械学習で作った簡易的な人工知能で界面の構造を予測 −22年かかる計算を3時間で− 1.発表者: 溝口 照康(東京大学生産技術研究所 准教授、JSTさきがけ研究者) 清原 慎(東京大学大学院工学研究科 大学院生) 小田 尋美(東京大学大学院工学研究科 大学院生) 宮田 智衆(東京大学大学院工学研究科 大学院生) 2.発表のポイント: ◆界面は表面と同じく結晶の欠陥であり、電気的、機械的物性と密接に関わっています。しかし、物理学者のヴォルフガング・パウリ(ノーベル物理学賞1945年)が『結晶は神がつくり、表面は悪魔がつくった』と表現するほどに欠陥の構造が複雑で、予測は困難でした。...
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NI、米国防機関の技術コンテストにソフトウェア無線技術を提供 世界最大のチャネルエミュレータに使用するインフラの提供に向け、DARPAと協業 日本ナショナルインスツルメンツ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:コラーナ マンディップ シング、以下 日本NI)は、2016年11月16日、ナショナルインスツルメンツ(NI)が無線通信チャネルのエミュレーション用テストベッドを実現するための開発プラットフォームを提供すべく、米国防高等研究計画局(DARPA:Defense Advanced Research Projects Agency)と協業する旨を発表します。「Colosseum(コロシアム)」と呼ばれるこのテストベッドは、DARPAが主催する技術コンテスト「Spe...
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東大など、極性構造歪みの制御を通じた熱電変換効率の向上に成功
極性構造歪みの制御を通じた熱電変換効率の向上に成功 −新原理の熱電変換材料へ道− 1.発表者: 酒井英明(大阪大学大学院理学研究科物理学専攻 准教授/JST さきがけ研究者、研究当時:東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 助教) 池浦晃至(研究当時:東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 修士2年) M.S.Bahramy(東京大学大学院 工学系研究科附属量子相エレクトロニクス研究センター・物理工学専攻 特任講師/理化学研究所 創発物性科学研究センター創発計算物理研究ユニットユニットリーダー) 小川直毅(理化学研究所 創発物性科学研究センター創発光物性研究ユニット ユニットリーダー) ...
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日本NI、高速/高分解能/高電圧対応のオシロスコープ「PXIe−5164」を発表
NI、高速/高分解能/高電圧対応のオシロスコープを発表 1GS/秒の速度、14ビットの分解能で、最大100Vppの入力範囲に対応 日本ナショナルインスツルメンツ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:コラーナ マンディップ シング、以下日本NI)は、2016年10月27日、オシロスコープの新製品「PXIe−5164」を発表します。PXIe−5164は、モジュール式でオープンなPXI(PCI eXtensions for Instrumentation)規格で構築されており、搭載しているFPGAは、ユーザ側で自由にプログラムすることができます。高電圧信号を高い確度で計測することが求められる航空宇宙/防衛、半導体、物理学をはじめとした基礎研究などの分...
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東北大、スピン凍結状態における記憶効果とエネルギー構造を解明
スピン凍結状態における記憶効果とエネルギー構造 〜乱雑さに刻み込まれた「記憶」からエネルギーランドスケープを探る〜 【概要】 東北大学多元物質科学研究所佐藤卓教授グループ、バージニア大学リー教授グループ、テネシー大学ツォウ助教グループらは共同でスピン凍結状態中の記憶効果を詳細に調べる事によりフラストレート磁性体(*1)の示すスピンの凍結状態がランダム系のスピングラス(*2)状態とは本質的に異なるエネルギー構造を持つことを明らかにしました。 ランダム相互作用を持つ磁性体において磁気モーメント(スピン)が低温でランダムに凍結する現象(スピングラス)は古くから知られていました。一...
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富士通、東大宇宙線研究所から「スーパーカミオカンデ」の実験用計算機システムを受注
東京大学宇宙線研究所様から「スーパーカミオカンデ」の実験用計算機システムを受注 従来より約3倍の演算性能を実現するPCクラスタシステムでニュートリノ研究を支援 当社は、東京大学宇宙線研究所付属神岡宇宙素粒子研究施設(所在:岐阜県飛騨市、施設長:中畑雅行、以下、神岡宇宙素粒子研究施設)様より、ニュートリノ(注1)の観測を通じて宇宙の仕組みを解明する「スーパーカミオカンデ実験用計算機システム」を受注しました。本システムは、2017年3月に稼働する予定です。 「スーパーカミオカンデ実験用計算機システム」は、「スーパーカミオカンデ」の検出器にある約1万3,000本の光電子増倍管から集...
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日本NI、「NI ELVIS」のラインアップを強化でメカトロニクスの教育/設計用モジュールを発表
NIが「NI ELVIS」のラインアップを強化、 メカトロニクスの教育/設計用モジュールを発表 新たな「ELVIS RIO 制御モジュール」により、 FPGA RIO技術を活用した実践的学習が可能に 日本ナショナルインスツルメンツ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:コラーナ マンディップ シング、以下 日本NI)は、2016年8月24日、教育用プラットフォームである「NI ELVIS(Educational Laboratory Virtual Instrumentation Suite)」の製品ファミリに「NI ELVIS RIO Control Module(制御モジュール)」を追加することを発表します。ELVISは、電力システムや機械制御、HIL(Hardware−in−the−Loop)、メカトロニクス設計の実践的な学習を目的とした...
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東大など、T2K実験でニュートリノの「CP対称性の破れ」の解明に第一歩を踏み出す
T2K実験、ニュートリノの「CP対称性の破れ」の解明に第一歩を踏み出す ■本研究成果のポイント ○ニュートリノと反ニュートリノで電子型ニュートリノ出現が同じ頻度では起きない可能性が高く、CP対称性の破れがあることを示唆する結果を得た。 ○今後データ量を増やしての検証を要するが、ニュートリノと反ニュートリノが違う性質を持つ可能性を示唆する興味深い結果である。 【概要】 T2K実験(※1)(東海−神岡間長基線ニュートリノ振動実験、図1)国際共同研究グループ(以下、T2Kコラボレーション)は、反ミュー型ニュートリノから反電子型ニュートリノへのニュートリノ振動について、2014年の実験開始から...
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日本NI、SPICEシミュレーション環境「Multisim Live」のベータ版を発表
NIが「Multisim」のウェブ対応版を発表 回路設計を学ぶ人に、いつでもどこでも シミュレーションを実施できる環境を提供 日本ナショナルインスツルメンツ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:コラーナ マンディップ シング、以下 日本NI)は、2016年7月20日、ウェブベースで回路図の入力とシミュレーションが行えるSPICEシミュレーション環境「Multisim Live」のベータ版を発表します。 Multisim Liveは、NIがデスクトップ環境向けに提供してきた「NI Multisim」(注1)をインターネット上で使えるように拡張したものです。対話式に操作が行えるウェブベースの環境であることから、時や場所を問わず回路設計について学...
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日本NI、NI、測定感度が10fAで電圧出力が200Vのソースメジャーユニットを発表
NI、PXIに対応するSMUの高精度版を発表 PXI製品としては業界最高となる10fAの測定感度を実現 日本ナショナルインスツルメンツ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:コラーナ マンディップ シング、以下 日本NI)は、2016年7月7日、測定感度が10fA、電圧出力が最大200VのSMU(ソースメジャーユニット)「NI PXIe−4135( http://sine.ni.com/nips/cds/view/p/lang/ja/nid/213489 )」を発表しました。本製品では、微小な電流信号の測定が可能なほか、PXI(PCI eXtensions for Instrumentation)に対応するSMUならではの高いチャンネル密度やスループット、柔軟性を持ち合わせています。本製品は、ICのウェハに対するパラメトリックテスト...
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日本NI、リアルタイムテスト向けソフト「NI VeriStand」の最新版を提供
日本NI、NIがHILテスト向けソフトウェア「VeriStand」を拡張、 最新世代の組込制御システムに対応 HILシステムの構築/統合の負荷を軽減するとともに、 複雑化が進む車載ソフトウェアの管理が容易に 日本ナショナルインスツルメンツ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:コラーナ マンディップ シング、以下 日本NI)は、2016年6月17日、リアルタイムテスト向けのソフトウェア「NI VeriStand」の最新版をリリースいたします。これは、組込ソフトウェアの設計/テストを担当する技術者による、HIL(Hardware−in−the−Loop)テストシステムの構築に役立ちます。現代のエンジニアは、新技術の導入によって生じるスケジュールの...
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徳島大など、櫛の歯状のテラヘルツ波で煙混在ガス濃度をリアルタイム分析に成功
櫛(くし)の歯状のテラヘルツ波(テラヘルツコム)で 煙混在ガスの濃度をリアルタイムに分析 ■ポイント ・工業燃焼過程の効率化による大気環境負荷の軽減や、火災現場における二次災害予防のためには、煙が充満した閉鎖空間のガスを迅速に分析することが重要 ・極めて正確で精緻な櫛の歯状テラヘルツ波(テラヘルツコム)をガス分析に利用 ・テラヘルツコムを正確かつ高速に読み取ることにより、高い分光性能(高確度、高分解能、広帯域)とリアルタイム性を両立したテラヘルツ分光法を実現 ・テラヘルツ領域に密集する多数の回転吸収スペクトル群を考慮した解析モデルにより、高精度な定量分析を達成 ・従来法で...
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日本NI、ミリ波(mmWave)対応ソフトウェア無線システムを発表
NIが世界初のミリ波対応ソフトウェア無線システムを発表、 高い柔軟性で5Gの研究を後押し 同時発表のミリ波対応のトランシーバにより、最高2GHzの帯域幅で チャネルサウンディングとプロトタイピングが可能に 日本ナショナルインスツルメンツ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:コラーナ マンディップ シング、以下日本NI)は、2016年5月25日、世界初のミリ波(mmWave)対応ソフトウェア無線(SDR:Software Defined Radio)システム( http://www.ni.com/sdr/mmwave/ja/ )を発表します。Eバンド(71GHz〜76GHz)の周波数帯に対応し、2GHzというかつてないリアルタイム帯域幅での送受信が可能な完全なトランシーバシステムで...
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NTTと東京電機大、レーザー光源でマイクロ波・ミリ波発生装置の雑音を100分の1に低減
光のものさしであるレーザー光源を用いて、マイクロ波・ミリ波発生装置の雑音を100分の1に低減 〜高精度なマイクロ波・ミリ波を用いた高速・大容量無線通信に向けて〜 日本電信電話株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫、以下 NTT)と東京電機大学(東京都足立区、学長:安田浩)は、線スペクトルが等しい間隔で並んだレーザー光源であり、光のものさしになることが知られている光周波数コム(※1)を用いて、マイクロ波・ミリ波発生装置の雑音を従来の100分の1に低減することに成功しました。本研究では、光周波数コムをマイクロ波・ミリ波発生装置の雑音の高感度検出器として利用し、その雑音を...
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東北大と阪大など、新しいトポロジカル物質「ワイル半金属」を発見
新しいトポロジカル物質 「ワイル半金属」を発見 −超高速・低消費電力な次世代デバイスの開発に弾み− 【概要】 東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の相馬清吾准教授、高橋 隆教授、同理学研究科の佐藤宇史准教授、大阪大学産業科学研究所の小口多美夫教授、ケルン大学(ドイツ)の安藤陽一教授らの研究グループは、新型トポロジカル物質「ワイル半金属」の発見に成功しました。今回の成果により、超高速でかつ消費電力を低く抑えた次世代デバイスの開発が大きく進展するものと期待されます。 本成果は、米国物理学会誌フィジカル・レビュー・Bの「注目論文」に選ばれ、平成28年4月20日(米国東部時間)...
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日本NI、IIoTに対応する状態監視用ソフト「InsightCM」の新版を発表
IIoTに対応する状態監視用ソフト「InsightCM(TM)」の新版登場で、運用/保守コストのさらなる削減が可能に オンラインでの工場全体の状態監視機能を強化し、保守の要件にも対応 日本ナショナルインスツルメンツ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:コラーナ マンディップ シング、以下 日本NI)は、2016年4月19日、機械のメンテナンスや運用にかかる設備投資の健全性を把握するのに役立つソフトウェアソリューション「NI InsightCM(TM)Enterprise(以下、InsightCM)」の新版を発表します。この新版は、現在、設備監視の分野で生じている課題を解決できるエンドツーエンドのソフトウェアソリューションです。 設備監視の分...
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東北大など、X線の屈折・散乱を画像計測する非破壊検査用高感度X線スキャナーを開発
X線の屈折・散乱を画像計測する 非破壊検査用高感度X線スキャナの開発 −工場生産ラインでの実用化に目処− 【概要】 東北大学多元物質科学研究所の百生敦教授と株式会社リガク(代表取締役社長、志村 晶)は、科学技術振興機構の研究成果展開事業(先端計測分析技術・機器開発プログラム 開発課題名「位相敏感高感度X線非破壊検査機器の開発」)の一環として、工場生産ラインなどでの実用化を想定した非破壊検査用高感度X線スキャナを開発しました。これは、X線の影絵によって検査を行なう従来機器に対して、X線位相コントラストを利用してX線の微弱な屈折や散乱を画像検出する仕組みの搭載を世界で初めて成功したことによ...
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東大、ビッグデータを活用して界面構造の決定スピードを100倍以上の高速化に成功
ビッグデータを活用して界面構造の決定スピードを100倍以上高速化! −触媒や電池の開発を加速− 1.発表者: 溝口 照康(東京大学生産技術研究所 准教授) 清原 慎(東京大学大学院工学研究科 大学院生) 小田 尋美(東京大学大学院工学研究科 大学院生) 津田 宏治(東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授) 2.発表のポイント: ◆資源探索の分野で用いられているビッグデータ(注1)活用技術を物質科学に利用し、物質の性質に決定的な役割を果たす界面(注2)の構造を高速に決定することに成功しました。 ◆物質の界面の構造を決定するにはこれまで数千〜数万回の構造緩和計算(注3)が必...
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東大や京大など、50テスラ超強磁場まで維持される2次元超伝導状態を発見
50テスラ超強磁場まで維持される2次元超伝導状態を発見 −相対論的効果により出現する新奇超伝導現象の解明− 1. 発表者: 斎藤 優(東京大学大学院 工学系研究科 物理工学専攻 博士課程1年) 中村 康晴(新潟大学大学院自然科学研究科 数理物質科学専攻 博士課程2年) M.S.Bahramy (東京大学大学院 工学系研究科附属量子相エレクトロニクス研究センター・物理工学専攻 特任講師/理化学研究所 創発物性科学研究センター創発計算物理研究ユニットユニットリーダー) 小濱 芳允(東京大学 物性研究所 附属国際超強磁場科学研究施設 特任助教) 笠原 裕一(京都大学大学院 理学研究科 物...
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日本NI、IoTにおける複雑なアプリケーション要件に対応可能な産業用コントローラーを発表
NI、高性能な産業用コントローラ製品ファミリを発表 データ収集の現場での信号の入出力や処理を可能とし、インダストリアルIoTに適したスマートマシンやインテリジェントシステムの構築にも役立つ 日本ナショナルインスツルメンツ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:池田亮太、以下 日本NI)は、2015年12月1日、IoT(Internet of Things)における複雑なアプリケーション要件に対応可能な産業用コントローラを発表します。近年、半導体製造装置や工作機械、ロボットに代表されるスマートマシンやインテリジェントシステムは、高性能・高精度化が進んでいます。本日発表する「IC−3173」をはじめとする3種の製...
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北大とトヨタなど、自動車排ガス浄化用触媒材料を放射線損傷なくナノレベル観察することに成功
SACLA 産学連携プログラムで,自動車排ガス浄化用触媒材料を 放射線損傷なくナノレベル観察することに成功 −X線自由電子レーザーを利用した世界初の産学連携研究論文を発表− ■概要: 北海道大学,トヨタ自動車株式会社,高輝度光科学研究センター(JASRI),理化学研究所(理研)は,X線自由電子レーザー(XFEL)施設「SACLA」(*1)を用いた世界初の産学連携研究の成果として,自動車排ガス浄化用触媒材料を,放射線損傷なくナノレベルで観察することに成功しました。これは,北海道大学電子科学研究所の吉田力矢助教,西野吉則教授,トヨタ自動車株式会社材料技術開発部の山重寿夫主任,理化学研究所放射光科学総合研究セ...
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理研、高機能水素標的装置「MINOS」で鉄同位体のガンマ線分光に成功
重いクロム・鉄同位体に広がる変形領域 −日仏共同開発の高機能水素標的装置「MINOS」を使った初の成果− ■要旨 理化学研究所(理研)仁科加速器研究センター上坂スピン・アイソスピン研究室のクレメンティーヌ・サンタマリア客員研究員、アレクサンドレ・オベルテッリ客員研究員、上坂友洋主任研究員、櫻井RIビーム物理研究室のピーター・ドルネンバル研究員、櫻井博儀主任研究員らを中心とするSEASTAR(シースター)国際共同研究グループ[1]は、理研の重イオン加速器施設「RIビームファクトリー(RIBF)」[2]を利用し、生成が難しく従来不可能だった放射性同位元素(RI)[3]に対する実験を実現し、中性子過剰クロム ...
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鉄系超伝導体の新たな極薄膜化技術の確立 −極薄膜の物性解明への貢献が期待− 【発表のポイント】 ●電気化学反応を利用した「エッチング法」により、鉄系超伝導体の極薄膜化を実現 ●電界効果と組み合わせて、約40K(=−233°C)における高温超伝導転移を単原子層0.6nmから数nmまでの広い厚さ領域で発現させることに初めて成功 ●極薄膜にすることで現れる未知の性質の発見や原子層レベル極薄膜開発への貢献が期待 【概要】 東北大学金属材料研究所の塩貝純一助教、伊藤恭太大学院生、三橋駿貴大学院生、野島勉准教授、塚崎敦(◇)教授らの研究グループは、鉄とセレンからなる層状の超伝導(※1)物質であ...
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原子1個の厚みの二酸化チタンシートの作製に成功 −グラフェン類似の極薄新材料の誕生− 【概要】 東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の大澤健男助教(現 国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)主任研究員)と一杉太郎准教授の研究グループは、同機構の幾原雄一教授、王中長准教授らのグループと共同研究を行い、「原子1個の厚み」の二酸化チタン(TiO2)シートの作製に成功しました。 近年、グラフェン(*1)をはじめとした原子1個の厚みをもつ原子シート(*2)に注目が集まっています。2010年のノーベル物理学賞の対象となったグラフェンは、原子シートの中の電子が非常に高い速度で移動す...
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日本NI、ワイヤレスデバイスのテストコスト削減を実現するソリューション「WTS」を発売
PXIベースのプラットフォームを利用することで、ワイヤレスデバイスの製造テストのスループット向上、コスト削減が可能に 日本ナショナルインスツルメンツ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:池田亮太、以下 日本NI)は2015年8月6日、ワイヤレスデバイスの量産テストにかかるコストの大幅な削減に役立つソリューション「Wireless Test System」(以下、WTS)を発売します。計測速度と並列テストに注目して最適化されたこのシステムを導入すれば、ますます複雑化するワイヤレスデバイスのテストのコストを確実に抑えつつ、製造ラインのスループットを高めることが可能になります。 WTSは、PXIベースの最新ハードウェ...
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東北大など、光エネルギー変換材料の機能を制御する新しい方法を解明
新原理で原子を操作 −欠陥を自在に操作し光触媒、太陽電池の革新的発展へ− 【要点】 ・光エネルギー変換材料の機能を制御する新しい方法を解明 ・電場と電子のコンビネーションで材料構造の乱れ(欠陥)を操作する新規な機構 ・欠陥の操作で光触媒、太陽電池などの性能を飛躍的に向上させる可能性を開花 【概要】 東北大学国際高等融合領域研究所(現 学際科学フロンティア研究所)および国立研究開発法人理化学研究所 Kim 表面界面科学研究室の湊丈俊(みなとたけとし)助教、(現 京都大学 特定准教授)、国立研究開発法人理化学研究所 Kim 表面界面科学研究室の金有洙(きむゆうす)主任研究員、東京大学大...
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東大など、「時間結晶」が不可能であることを数学的に厳密に証明
「時間結晶」が不可能であることの証明 〜ノーベル賞物理学者の新理論を明確に否定〜 1.発表者: 渡辺 悠樹(カリフォルニア大学バークレー校博士課程 大学院生) 押川 正毅(東京大学物性研究所 教授) 2.発表のポイント: ◆フランク・ウィルチェック教授(Frank Wilczek、マサチューセッツ工科大学教授、2004年ノーベル物理学賞受賞)が、2012年に、「時間結晶(time crystal)」という物質の新しい状態の可能性があることを理論的に提案した。本研究グループは、統計力学の原理に従う限り時間結晶の実現は不可能であることを数学的に厳密に証明した。 3.発表概要: 多くの物質を冷却すると結晶が自...
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東大と東京理科大、強磁場下のグラファイトで正負の電荷対による超伝導的状態が実現か
強磁場下のグラファイトで正負の電荷対による超伝導的状態が実現か 1.発表者: 秋葉和人(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 博士課程1年) 三宅厚志(東京大学物性研究所 助教) 矢口宏(東京理科大学理工学部物理学科 教授) 松尾晶(東京大学物性研究所 技術専門職員) 金道浩一(東京大学物性研究所 教授) 徳永将史(東京大学物性研究所 准教授) 2.発表のポイント: ◆負電荷を持つ電子どうしが対を作った超伝導は良く知られていますが、正負の電荷対による超伝導的状態が実現するのか、またどのような状態になるかは謎に包まれています。 ◆研究グループは、強磁場下の詳細な実験を通し...
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浜松ホトニクス、高出力半導体レーザーを8分の1の狭スペクトル幅で発振に成功
LDを8分の1以下の狭いスペクトル幅で発振する レーザー共振器の開発に、世界で初めて成功 全固体レーザーの出力を向上する励起用LD光源の開発に期待 当社は、高出力半導体レーザー(以下LD)スタック2個を、ストライプミラーと単一面型VBG(Volume Bragg Grating)を用いて同時に波長制御し、8分の1以下の狭いスペクトル幅で発振する、安定したレーザー共振器の開発に世界で初めて成功しました。これにより、全固体レーザーの出力を向上する励起用LD光源の開発が期待できます。 本成果は、応用物理学会誌の「アプライド・フィジックス・エクスプレス(Applied Physics Express(APEX)Online)5月号」に掲載予定で、4月14日に電...
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グラフェンの電子状態を制御することに成功 −新たな機能開拓と伝導性の制御に道− <概要> 東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の清水亮太助教、菅原克明助教、高橋隆教授、一杉太郎准教授は、グラフェンを二層重ねた物質(二層グラフェン)の間にカルシウム原子を挿入(サンドウィッチ)した二層グラフェン化合物について、それを形成する下地基板の特性を利用して性質を改変することに成功し、電荷密度波(注1)(図1)が生じていることを明らかにしました。 グラフェンは、エレクトロニクス応用に向けて、エネルギーギャップ(注2)や超伝導等の様々な性質を付与することが切望されており、その方法が活...
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東急電鉄と東急不動産、「二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット」の開業日が決定
「二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット」開業日決定! 4月24日(金)〜5月6日(水)はオープニングイベント開催 【第1弾】2015年4月24日(金):「109シネマズ 二子玉川」含む、商業17店舗 【第2弾】2015年5月3日(日):「二子玉川 蔦屋家電(ストア内9店舗含む)」 ※参考画像は添付の関連資料を参照 東京急行電鉄株式会社(以下、東急電鉄)と東急不動産株式会社(以下、東急不動産)が組合員および参加組合員として参画している「二子玉川東第二地区第一種市街地再開発事業(以下、二子玉川ライズ第2期事業)」において、当該事業に新たに誕生する商業施設「二子玉...
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シリセンの基盤電子構造解明 −グラフェンを越えるシリセンの新機能開拓に道− 東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の高橋隆教授、一杉太郎准教授、菅原克明助教は、豊田中央研究所の中野秀之主任研究員らの研究グループと共同で、グラフェンを越えると期待されている新材料シリセンの層間化合物CaSi2を合成し、その電子状態の解明に世界で初めて成功しました。その結果、シリセンが見かけ上の質量がゼロとなる電子状態を持つことが明らかとなりました。この成果は、超高速電子デバイスへの応用が期待されているシリセンの基盤電子状態の理解と、その材料設計および機能開拓に大きく貢献するものです。 シリセン...
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東北大、高温超伝導を担う電子が異常な秩序状態を形成することを解明
高温超伝導を担う電子の、異常な秩序状態を観測 −超伝導機構の解明に手掛かり− <概要> 東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の高橋隆教授、谷垣勝己教授、および同大学院理学研究科の中山耕輔助教らの研究グループは、新型鉄系高温超伝導体のモデル物質である鉄セレンにおいて、超伝導を担う電子が、異常な秩序状態を形成することを初めて明らかにしました。この発見は、鉄系高温超伝導体の超伝導機構を解明する鍵になると期待されます。 本研究成果は、米国物理学会誌 Physical Review Lettersに、平成26年12月5日(米国東部時間)付けでオンライン掲載されます。 <背景> 2008年に、東京工業大学の...
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東大など、鉄系高温超伝導の発現機構を解く鍵となる電子状態を解明
鉄系高温超伝導の発現機構を解く鍵となる電子状態を解明 1.発表者: 水上 雄太(東京大学大学院 新領域創成科学研究科 物質系専攻 助教) 芝内 孝禎(東京大学大学院 新領域創成科学研究科 物質系専攻 教授) 橋本 顕一郎(東北大学金属材料研究所 助教) 2.発表のポイント: ◆2008年に発見された鉄系高温超伝導体において、いくつかの超伝導発現機構が提案されているが、その鍵となる超伝導電子の電子状態が未解明であった。 ◆電子線を照射したときに超伝導電子の数が特殊な変化を示すことを観測し、その変化からもとの電子状態を明らかにした。 ◆この電子状態は、磁気揺らぎ(※1)を超伝...
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日本NI、高性能マイクロ波ベクトル信号アナライザーとRF信号発生器を発表
2014年10月21日 日本NI、業界最高レベルの広帯域幅を誇る 高性能マイクロ波ベクトル信号アナライザと、高速切り替え可能なRF信号発生器を発表 <ニュースハイライト> .半導体デバイステスト、レーダーテスト、シングルインテリジェンスといったアプリケーションの、進化し続ける要件に対応する新しい計測器を発表します。 日本ナショナルインスツルメンツ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:池田亮太、以下日本NI)は10月21日、業界最高レベルの広帯域幅を誇る高性能な26.5GHzマイクロ波ベクトル信号アナライザ(VSA)「NI PXIe−5668R」と、高速チューニングが可能な20GHz RF信号発生器( http:/...
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日本原子力研究開発機構と東北大など、鉄中の水素を中性子で観測することに成功
鉄に溶けた水素はどこにいる? −鉄中の水素を中性子で観測することに成功− 【発表のポイント】 ●高温高圧力下において鉄に水素が溶ける過程と鉄中に高濃度に水素が溶けた状態を、中性子を用いてそのままの状態で観察することに成功 ●鉄中の水素の存在位置が定説とは異なることを発見 ●実験的に鉄中の水素の位置や量を決定できたことにより、鉄−水素系に新しい理解をもたらし、鉄鋼材料の劣化や地球内部の状態など鉄と水素が関わる研究の進展が期待 独立行政法人日本原子力研究開発機構量子ビーム応用研究センター、J−PARCセンター及び国立大学法人東北大学金属材料研究所は、同大学原子分子材料科学高等研究機...
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日本NI、優れた性能と柔軟性を備えたソフトウェア設計型計測器を発表
2014年8月7日 日本NI、Software−Designed Instrument(ソフトウェア設計型計測器)製品のラインナップを拡充 ソフトウェア設計という新たなパラダイムシフトによって、オシロスコープ、RF、信号アナライザ、および高速シリアル計測器の可能性が拡がります。 ■ニュースハイライト ・優れた性能と柔軟性を備えたSoftware−Designed Instrument(ソフトウェア設計型計測器)製品を発表します。搭載されたFPGAをソフトウェアでプログラムすることにより、計測器の機能を細かく設定することが可能となります。 ・ワイヤレス/モバイル機器、半導体、自動車、および航空宇宙業界における自動テスト/研究アプリケーションでの使用に適し...
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東大など、バレートロニクス結晶中の電子スピンの直接観測・制御に成功
バレートロニクス結晶中の電子スピンの直接観測・制御に成功 ―新たな原理に基づく電子デバイスの実現に道− 1.発表者: 鈴木 龍二(東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻 博士課程 1年) 坂野 昌人(東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻 博士課程 2年) 明石 遼介(理化学研究所 創発物性科学研究センター 計算物質科学研究チーム 特別研究員/ERATO 磯部縮退π集積プロジェクト 研究員) 石坂 香子(東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻 准教授) 有田 亮太郎(理化学研究所 創発物性科学研究センター 計算物質科学研究チーム チームリーダー/ERATO 磯部縮退π集積プロジェ...
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世界最高強度の光で探る真空 〜未知の「場」を探して〜 <発表者> 浅井祥仁(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 教授) 難波俊雄(東京大学 素粒子物理国際研究センター 助教) 矢橋牧名(理化学研究所 放射光科学総合研究センター グループディレクター 【発表のポイント】 >真空に潜んだ未知のモノ(場)や量子力学が予言する粒子対を、X線自由電子レーザー施設(SACLA)を用いて探索した。 >強力で質の高いX線源を用いて素粒子研究ができることを示し、X線同士の衝突技術など素粒子研究で鍵となる技術を確立した。 >高強度のX線が基礎科学にも重要な役割を果たすことを示した初めての成果である。 ...
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細胞の運動法則を発見 −生物と非生物の運動様式の共通点・相違点解明へ− <発表者> 谷本博一(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 博士研究員(現ジャックモノー研究所 博士研究員)) 佐野雅己(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 教授) <発表のポイント> >細胞が自ら生み出す力の空間分布応力場(注1)を解析する新しい手法を導入し、細胞運動の物理的なメカニズムを明らかにした。 >従来の典型的な生物学の研究とは異なり、物理学的な視点から細胞運動を研究した結果、細胞の運動が非生物の運動とは本質的に異なる点を明らかにした。 >細胞運動は癌細胞の転移に代表される多数の疾患に関わ...
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東北大、自分の手の周囲の空間に特化した知覚機構が人間の脳内に存在することを発見
手の周りがよく見える仕組み (自己身体近傍空間に特化した新たな視知覚機構の発見) <概要> 東北大学電気通信研究所の松宮一道助教,塩入諭教授の研究グループは,自分の手の周囲の空間に特化した知覚機構が人間の脳内に存在することを発見しました。手を使って物を動かしたり,道具を操作する際に,手に対して対象物がどこにあるかを理解することは,効率的な作業をする上で欠かせません。私たちは視覚情報に基づき様々な行動を行うことができ,ロボットではとてもまねができない複雑で多様な行動を行うことができます。そのような処理に関連すると考えられている身体周囲の空間知覚に特化した脳機能が近年注目されてお...
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有機太陽電池の光電変換効率の理論限界をシミュレーション −有機太陽電池の高効率化への指針− <ポイント> ・有機太陽電池の電荷分離機構の違いを考慮して理論限界を算出 ・有機太陽電池が最も高い効率を示す光の波長を理論計算により決定 ・有機太陽電池の高効率化への指針として期待される <概要> 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)ナノシステム研究部門( http://unit.aist.go.jp/nri/index_j.html )【研究部門長 山口 智彦】ナノ理論グループ 関 和彦 研究グループ長、計測フロンティア研究部門( http://unit.aist.go.jp/riif/index.html )【研究部門長 山内 幸彦】ナノ顕微分...
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メダカは動きで仲間を引き寄せる メダカは「メダカの学校」と呼ばれるように、群れをつくって泳ぐことが知られています。基礎生物学研究所(神経生理学研究室)の中易知大研究員と渡辺英治准教授は、バーチャルリアリティ技術を活用した行動解析実験により、メダカは、動きによって仲間を引き寄せていることを明らかにしました。この成果により、動物行動学において重要な研究テーマの一つである群れ形成に、動きという新たな研究の視点の重要性が示されました。本研究成果は比較認知科学の専門誌Animal Cognitionに掲載されました。 [本研究の背景] 人間を含めて多くの動物は、群れや集団を作って生活しています。群れや...
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新しい超伝導ファミリーを発見 −高温超伝導体探索に新たな道標− 1.発表者: 大串 研也(東京大学物性研究所 特任准教授) Bosen Wang(ボセン ワン)(東京大学物性研究所 特任研究員) 2.発表のポイント: ◆新しいタイプの超伝導体を発見 ◆発見した新しい超伝導体の転移温度の制御に成功 ◆高温超伝導体の探索に新たな指針を提案 3.発表概要: 超伝導は、特定の物質を非常に低い特定の温度(転移温度)に冷却したときに電気抵抗が完全に消失する現象です。20世紀初頭の水銀における超伝導の発見以来、その発現機構の解明に向けて多大な努力が払われてきました。20世紀中ごろに提唱されたBCS理論...
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理化学研究所、中性子が多い原子核では中性子数28の魔法数が消滅することを発見
消える「魔法数」28 −重いマグネシウム同位体の原子核は全て大きく変形− <ポイント> ・RIビームファクトリー(RIBF)でマグネシウム−38の2つの励起準位を初観測 ・中性子が非常に多い原子核では中性子数28の魔法数が消滅することを発見 ・RIBFでのデータ蓄積から原子核が変形する領域が核図表上で大きく広がることが判明 <要旨> 理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、陽子数に対して中性子数が非常に多いマグネシウム同位体(38Mg(◇):陽子数12、中性子数26)を生成、2つの励起準位を観測し、その比の値から38Mgの原子核が、魔法数を持つ原子核の特徴である球形ではなく、大きく回転楕円体...
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NTT、「スローライト」効果を用いて光導波路上にオンチップで集積化した量子バッファを実現
オンチップ量子バッファを世界で初めて実現 〜光子を用いた量子コンピュータのキーデバイスを創出〜 日本電信電話株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫 以下、NTT)は、光子パルスが光導波路中を進む速度が真空中の光速より大幅に遅くなる「スローライト」効果を用いて、光導波路上にオンチップで集積化した量子バッファ(※1)を世界で初めて実現しました。 本成果により、光子を相互作用させ演算操作を行う量子ゲートを構成するために必要な「光子の干渉」における光子の正確な同期を達成出来ることから、光子を基本素子とした量子コンピュータ実現に向けて大きな可能性が広がったと考えられます。 ...
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東大など、軽水と重水における水素結合の違いを高感度で検出することに成功
軽水と重水の綱引き −水素結合の違いを高感度で検出− 1.発表者: 原田慈久(東京大学物性研究所附属極限コヒーレント光科学研究センター 軌道放射物性研究施設・東京大学放射光連携研究機構 准教授) 丹羽秀治(東京大学物性研究所附属極限コヒーレント光科学研究センター 軌道放射物性研究施設・東京大学放射光連携研究機構 特任研究員) 徳島 高(※)(理化学研究所放射光科学総合研究センター 技師) 堀川裕加(理化学研究所放射光科学総合研究センター 基礎科学特別研究員) 辛 埴(東京大学物性研究所附属極限コヒーレント光科学研究センター 軌道放射物性研究施設・東京大学放射光連携研究機構...
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理化学研究所と東大、重いカルシウムで新しい「魔法数」34を発見
重いカルシウムで新しい「魔法数」34を発見 −原子核物理学の夢の1つ「安定原子核の島」到達の手掛かりに− <ポイント> ・カルシウム‐54は魔法数を2つ持ち原子核で特別な性質があると期待 ・RIビームファクトリーを使い、わずか10時間でカルシウムの同位体の性質を測定 ・魔法数が現れる新しい法則や未知の領域での魔法数の探索へ <要旨> 理化学研究所(理研、野依良治理事長)と東京大学(濱田純一総長)は、重いカルシウム同位体の研究から、新しい魔法数34を発見しました。これは、理研仁科加速器研究センター(延與秀人センター長)櫻井RI物理研究室のデービッド ステッペンベック 元国際特別研究...
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東大、近年の地球温暖化の停滞は海洋熱吸収の増大によるものかなど研究成果を発表
近年の地球温暖化の停滞は海洋熱吸収の増大によるものか [発表者]渡部 雅浩(東京大学大気海洋研究所 気候システム研究系 准教授) [発表のポイント] ◆2000年以降の気候のhiatus(ハイエイタス、地球全体の気温上昇の停滞状態、(注1))現象にともない、海洋による深層への熱の取り込み(熱吸収)が強まっていることを明らかにしました。 ◆最新の全球気候モデル群による気候変化シミュレーションを解析し、hiatusが少なくとも部分的には気候の自然変動である可能性を示しました。 ◆人為起源の(人間活動による)気候変化にともなう将来の地表気温上昇の推定をより確かなものにする上で、また、今後の気候...
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東大、約90億光年の超新星が重力レンズ効果で30倍に輝くことを発見
謎の超高輝度超新星、実は標準光源だった!〜重力レンズ効果で30倍に輝く〜 <発表概要> 東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)のロバート・クインビー特任研究員らは、地球から約90億光年の遠方に見つかった超新星が、明るさが一定のため「宇宙の標準光源」として知られるIa(いちえい)型超新星でありながら、超新星と地球との間にある大質量の天体によって空間が曲げられる「重力レンズ効果」によって集光され、通常の約30倍も明るく見えたことを発見しました。 重力レンズ効果は、宇宙の9割以上を占める暗黒物質や暗黒エネルギー、またブラックホールなど、光で直接観測できないも...
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イーフロンティア、クリプシュの高音質ヘッドホンのデザインを一新した『Image ONE II』を発売
クリプシュの高音質ヘッドホンがデザインをリニューアルして新登場。 『Image ONE II』発売のお知らせ 株式会社イーフロンティア(本社:東京都新宿区、代表取締役:安藤健一)は、米Klipsch Group,Inc.社(以下クリプシュ)のオンイヤー型ヘッドホン「Image ONE II」(イメージワンセカンド)2製品を、2013年4月12日(金)に発売いたします。 <クリプシュのヘッドホンがリニューアル!『Image ONE II』> 圧倒的な高音質と、優れた装着感で多くのお客様にご愛用いただいているクリプシュ社製ヘッドホン「Image One」が、デザインをリニューアルし、「ImageONEII」(イメージワンセカンド)として、ブラック/ホワイト2...
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コヒーレントX線の斬新な利用法を開発 〜転位ひずみ場を可視化して、X線渦ビームを発生させる〜 <本研究成果のポイント> ●コヒーレントX線のブラッグ回折現象を利用して厚い試料のナノスケールひずみ分布を可視化 ●ひずみ場の位相特異点を利用した新しい微小X線渦ビーム形成法を提案 大阪大学大学院工学研究科の高橋幸生准教授、理化学研究所播磨研究所放射光科学総合研究センターの石川哲也主任研究員らの研究グループは、物質中の転位ひずみ場を可視化して、X線渦ビームを発生させるというコヒーレントX線の斬新な利用方法を開発しました。 転位とは結晶中に含まれる線状の結晶欠陥のことであり、転位の周りで局...
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東北大、ナノガラス粒子が単結晶ドメインに寄生することで「透明ガラスセラミックス」の作製に成功
ナノガラス粒子が単結晶ドメインに寄生する 〜究極の“透明ガラスセラミックス”の開発に成功〜 東北大学大学院工学研究科応用物理学専攻の当時大学院生だった山崎芳樹博士(現在は産業技術総合研究所研究員)、高橋儀宏助教、藤原 巧教授らは、単結晶ドメイン中にナノサイズのガラス粒子が寄生することで実用レベルに達する高い透明性を有するガラスセラミックス(結晶化ガラス)の作製に成功しました。これは、従来単結晶の独壇場であった光波制御材料分野に、特異な分極配向や屈折率構造を有する新しい透明フォトセラミックス材料ならびに光学デバイス応用へ大きな進展をもたらす成果と期待されます。本研究成果は、英...
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東北大、新考案のミラー光学系でEUVリソグラフィ用マスクの高分解能観察に成功
新考案のミラー光学系でEUVリソグラフィ用 マスクの高分解能観察に成功 −新しい顕微鏡開発で16nm世代リソグラフィの実現に貢献− <概要> 東北大学多元物質科学研究所・豊田光紀助教らの研究グループは、独自に開発した多層膜ミラー光学系による顕微鏡により、16nm世代用のEUVリソグラフィ用マスクを高い空間分解能で観測することに成功しました。波長13.5nmの短波長の極端紫外線(EUV:Extreme Ultraviolet)を用いて、半導体ウエハ上に微細回路パターンを焼き付けるEUVリソグラフィでは、回路パターンの原盤に、Mo/Si多層膜ミラーを用いた反射型マスクが用いられます。反射型マスクの開発では、マスク上に存在する微細欠陥...
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東北大、2層の黒鉛にカルシウム原子をサンドしたグラフェン層間化合物作成に成功
ミクロな世界のサンドウィッチ −グラフェン層間化合物の作成に初めて成功− <概要> 東北大学原子分子材料科学高等研究機構の菅原克明助教、一杉太郎准教授、高橋隆教授らの研究グループは、グラファイト(黒鉛)2層の間にカルシウム原子を挿入(サンドウィッチ)した2層グラフェン層間化合物の作成に世界で初めて成功しました。この成果は、グラフェンを用いた高効率なマイクロバッテリーや超薄膜超伝導デバイスへの道を開くものであり、新たな材料科学研究へ大きく貢献することが期待されます。 本成果は、2012年11月5日(米国時間)の週に、米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the...
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ガラスの相変態メカニズムを解明 〜新たなナノ誘電材料の開発に向けて〜 東北大学大学院工学研究科応用物理学専攻の高橋儀宏助教、藤原 巧教授らは、(独)物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の長田 実博士との共同研究により、ガラス中に5nm以下の極めて微小な反強誘電性NaNbO3ナノ結晶の形成を確認し、そのメカニズム解明に成功しました。この研究は、ガラスをはじめとするランダム構造物質の理解および新奇な非鉛系誘電材料の開発へ有用な情報を与えることが期待されます。 本研究成果は、英国ネイチャー系オンライン科学誌「Scientific Reports」に掲載予定です。 ...
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JSTと東大、鉄系超伝導体で電子を結びつけて対にする“のり”を発見
鉄系超伝導体において競合しあう2種類の超伝導の“のり”を発見 【ポイント】 ・光電子分光装置として世界最高のエネルギー分解能(70マイクロ電子ボルト)と世界最高の冷却能力(最低温度1.5K)を持つレーザー光電子分光装置を開発。 ・特定の運動量では対を作らない電子の存在を世界で初めて明らかに。 ・高温超伝導発現機構の全容解明に繋がり、室温超伝導の実現に一歩前進。 <発表概要> 電子が電子対を作ってエネルギー損失ゼロとなる超伝導体は、未来の材料として大いに注目を集めている。しかし、超伝導現象は極低温でしか実現しないことが多い。切望される室温での超伝導実現には、高温超伝導体(注...
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産総研など、素子内の電荷の振る舞いを分子レベルで計測することに成功
発光している有機EL素子内部の状態を計測・評価 −動作中の封止された有機EL素子内の分子を初めて評価可能に− <ポイント> ・有機EL素子を発光させながら素子内部の特定の有機層界面の情報を選択的に非破壊で測定 ・先端計測技術であるレーザー分光測定法と有機EL素子の作製・評価技術を融合 ・有機エレクトロニクスデバイスの特性向上や劣化解析のための非破壊分析にも応用 <概要> 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)ナノシステム研究部門【研究部門長 八瀬 清志】ナノシステム計測グループ 宮前 孝行 主任研究員、フレキシブルエレクトロニクス研究...
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慶大、テラヘルツ電磁波の偏波情報を用いた表面凹凸イメージング手法を開発
テラヘルツ電磁波の偏波情報を用いた超高感度凹凸イメージング手法の開発に成功 〜新しい非破壊・非接触検査への応用に期待〜 慶應義塾大学大学院理工学研究科の安松直弥君(修士1年)及び同理工学部物理学科 渡邉紳一准教授の研究グループは、テラヘルツ電磁波の偏波情報を用いた超高感度な表面凹凸イメージング手法の開発に成功しました。テラヘルツ電磁波(注1)による表面形状計測は、可視光を透過しない塗装膜下やプラスチックケース内部の構造物のキズやへこみを非破壊検査する手法として産業界で広く注目を集めていますが、電磁波の波長が0.1〜1mmと著しく長いため高感度な画像を得るのが難しいという課...
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京大、鉄原子を含む高温超伝導体の仕組みを解くカギ「電子のネマティック液晶状態」を発見
鉄原子を含む高温超伝導体の仕組みを解くカギ「電子のネマティック液晶状態」を発見 笠原成 理学研究科研究員(低温物質科学研究センター特定研究員)、芝内孝禎 同准教授、松田祐司 同教授は、杉本邦久 高輝度光科学研究センター(JASRI)研究員、福田竜生 日本原子力研究開発機構(JAEA)研究員と共同で、高温超伝導の舞台となる電子状態の異常性の一端を明らかにしました。 今回の成果は、高温超伝導体中の電子の集団が、超伝導転移を起こすよりも高温で、自発的に結晶格子の持つ回転対称性を破った状態に相転移を起こすことを示したものです。この対称性を破った状態は、液晶ディスプレーなどで用い...
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富士通、オーストラリア国立大から演算性能1.2ペタフロップスのスパコンシステムを受注
オーストラリア国立大学様のスーパーコンピュータシステムを受注 理論性能1.2ペタフロップスで南半球最大のスパコン 当社はこのほど、オーストラリア国立大学(所在地:キャンベラ)様 National Computational Infrastructure(以下、NCI)プロジェクトのスーパーコンピュータシステムを受注しました。 本スーパーコンピュータシステムは、当社のPCサーバ「PRIMERGY CX250」3,592ノードからなるPCクラスタで、総理論演算性能は1.2ペタフロップス(注1)を実現し、南半球で最高性能、当社「PRIMERGY」を使ったPCクラスタとして世界最...
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北陸先端科学技術大学院大、シリセンの構造と電子状態の関係を解明
世界で初めてシリセンの構造と性質の関係を実験から解明 −グラフェンでは難しいバンドギャップの導入が可能− 北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)(学長・片山 卓也、石川県能美市)マテリアルサイエンス研究科のアントワーヌ・フロランス助教、ライナー・フリードライン准教授、尾崎泰助准教授、高村由起子准教授らは、世界で初めて「シリセン(Silicene)」をシリコンウェハー上に作製し、その構造と電子状態との関係を解明することに成功しました。 シリセンは、原子一層分の厚みしかない、究極に薄いケイ素(Si)の二次元的な結晶です。1994年に日本人研究者によってシリセンの安定な構造を...
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NTT、GaN系半導体薄膜素子を成長用サファイア基板から剥離するプロセスを開発
半導体デバイスの利用範囲を大きく広げる世界初のGaN系半導体剥離プロセスを開発 〜紫外光を有効活用できる太陽電池、薄い発光ダイオード(LED)作製などへの適用に期待〜 日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:三浦 惺、以下 NTT)は、現在発光ダイオード(LED)などに広く使用されている窒化ガリウム(以下GaN)系半導体薄膜素子(※1)を成長用サファイア基板(※2)から簡単に剥離するプロセスの開発に成功しました。 今回の技術を用いることにより、2μm(0.002mm)厚といった非常に薄いGaN系半導体薄膜素子を低コストで作製することが可能になります。本技...
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JSTなど、シリコン原子の振動を利用して周波数コムの観測に成功
シリコン原子の振動を利用して周波数コムの観測に成功 (光通信を1000倍高速化する基盤技術開発に貢献) 【概要】 国立大学法人筑波大学【学長 山田信博】数理物質系の長谷宗明准教授、国立大学法人電気通信大学【学長 梶谷 誠】大学院情報理工学研究科の桂川眞幸教授、ピッツバーグ大学物理・天文学科のHrvoje Petek教授らのグループは、原子の集団振動(格子振動:フォノン)を操作する技術を開発し、100テラヘルツ(THz=10の12乗(※)Hz)以上の極めて広い周波数帯域を持つ、全く新しい原理に基づく周波数コム(注1)(櫛の歯状に分布したスペクトル)の発生と観測に成功しました。 ...
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NICTなど、酸化ガリウム(Ga2O3)単結晶基板を用いた電界効果型トランジスターを開発
“酸化ガリウム(Ga2O3)トランジスタ”を世界で初めて実現! 〜省エネルギー問題の解決に向けた“次世代パワーデバイス”候補に名乗り〜 独立行政法人情報通信研究機構(理事長:宮原 秀夫)は、株式会社タムラ製作所(代表取締役社長:田村 直樹)、株式会社光波(代表取締役社長:中島 康裕)と共同で、新しいワイドギャップ半導体(*1)材料である酸化ガリウム(Ga2O3)(*2)単結晶基板を用いた電界効果型トランジスタ(FET)(*3)を開発し、その世界初の動作実証に成功しました。 酸化ガリウムは、そのワイドギャップに代表される材料物性から、高耐圧・低損失なパワーデバイス(*4)用途...
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パテント・リザルト、特許・技術調査レポート「磁気共鳴イメージング装置:MRIのすべて」を発売
特許・技術調査レポート「磁気共鳴イメージング装置:MRIのすべて」発売 経営分析、特許分析のパテント・リザルトはこのほど、磁気共鳴イメージング(MRI)装置に関する開発動向の調査を目的とした、特許・技術調査レポート「磁気共鳴イメージング装置:MRIのすべて〜特許の質と量から見る競合企業分析」を発売いたします。MRIは、画面コントラストに優れ、また放射線被ばくのないクリーンな画像診断装置として現代医療には欠かすことのできない存在です。脳や臓器など体の構造を示す形態画像のみならず、心臓や脳神経など代謝・生理機能を画像化するMRIは現在多岐にわたり応用されています。 本レポート...
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IHI、ケーブルに触らずに充電できる非接触給電装置を電気自動車に搭載しテストを開始
非接触給電試験用電気自動車が完成、テストを開始 IHIは、一般ユーザが電気自動車をより気楽に使える世界を実現するため、ケーブルに触らずに充電できる非接触給電装置を電気自動車に搭載し、実際の利用状況を想定したテストを開始しました。 これは、当社がワイトリシティ コーポレーション(以下、ワイトリシティ、社長兼最高経営責任者:エリック ガイラー氏、本社:米国マサチューセッツ州ウォタータウン市)と共同で進めている非接触給電技術の商品化に向けた取り組みの第一歩となります。 当社は、本年3月に、ワイトリシティと自動車向けおよび産業用途向けの非接触給電装置について共同開発を行うことで...
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炭素12原子核の新しい励起状態を発見 −生命誕生の謎にせまる− 1.発見の概要 東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター、大阪大学核物理研究センター、京都大学大学院理学研究科、甲南大学、米国ノートルダム大学からなる研究チームは、宇宙における元素合成過程に重要な役割を果たす炭素12原子核の新しい励起状態を発見しました。今回の発見により、宇宙における元素合成過程の解明が進むと共に、生命誕生の謎に迫ることが期待できます。 2.発見の詳細 人体や地球など宇宙を構成するすべての元素はビックバン後に合成されました。ビッグバン直後に水素とヘリウムが合成され、その後、水素とヘリウ...
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産総研、相変化固体メモリーが常温で巨大な磁気抵抗効果を示すことを発見
相変化固体メモリーから巨大磁気抵抗効果が出現 −常温で2000%を越える磁気抵抗比− <ポイント> ・世界で初めて相変化メモリー(PCRAM)が常温で巨大な磁気抵抗効果を示すことを発見 ・超格子型の相変化膜を用いることで、大きなトポロジカル誘電性とラシュバ効果が出現 ・極低消費電力の次世代不揮発性メモリーやロジックへの新展開に期待 <概 要> 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)ナノエレクトロニクス研究部門【研究部門長 金丸 正剛】富永 淳二 上席研究員 兼 連携研究体グリーン・ナノエレクトロニクスセンター【連携研究体長 横山 直樹...
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超高密度ハードディスク用巨大磁気抵抗素子の開発に成功 −1平方インチ当たり5 テラビット容量の次世代ハードディスクに適用可能な技術− 【研究成果】 この度、東北大学大学院工学研究科(工学研究科長:内山勝)の大兼幹彦准教授、安藤康夫教授らのグループは、1平方インチあたりの記録密度が5テラビットクラスの、超高密度ハードディスク(HDD)の情報読み出し用ヘッドとして期待が大きい、面直通電型巨大磁気抵抗素子(以降CPP−GMR素子)の飛躍的な性能向上に成功しました。 現在、高性能ハードディスクの信号読み取りヘッドとして用いられている、強磁性トンネル接合素子の基本構造は、磁石の性質...
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東大、「反陽子ヘリウム原子」を詳しく調べ反陽子と電子の質量の比率を高精度で決定
反物質に新たな光を当てる ―反陽子質量を二光子分光法で超精密測定― <発表者> 早野 龍五(東京大学大学院理学系研究科 物理学専攻 教授) <発表概要> 陽子と電子の質量比は重要な基礎物理定数である。東京大学および(独)マックスプランク量子光学研究所(MPQ)が率いる国際研究グループは、このたび二光子レーザー分光法(後述)によって、「反陽子ヘリウム原子」という、陽子の反粒子を含む奇妙な原子を詳しく調べ、反陽子(注1)と電子の質量の比率を、1836.1526736 ± 0.0000023という高精度で決定した。 <発表内容> 1.研究の背景 反物質(注2)は、約70年前にディ...
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東大と理化学研究所、スピンキラリティが誘起する自発的ホール電圧を磁場で制御することを発見
スピンキラリティが誘起する自発的ホール電圧を磁場で制御する 1.発表者: Luis Balicas(米国国立高磁場研究所 専任研究員/元 東京大学物性研究所客員准教授) 町田 洋(東京工業大学大学院理工学研究科 助教/元 東京大学物性研究所 日本学術振興会特別研究員) 中辻 知(東京大学物性研究所 准教授) 小野田繁樹(理化学研究所基幹研究所 専任研究員/元 東京大学物性研究所客員准教授) 2.発表概要: ホール効果は19世紀の発見以来、磁場、あるいは、強磁性に伴う磁化の存在が必ず必要とされてきましたが、我々は磁気秩序の存在しないゼロ磁場下で、巨大なホール効果が、電子ス...
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理化学研究所と東京理科大学、ジルコニウム同位体で変形魔法数を発見
ジルコニウム同位体で変形魔法数を発見 〜変形魔法数が原子核に大きな変形をもたらす〜 <ポイント> ○中性子数が過剰なジルコニウム同位体に広がる大きく変形した領域 ○変形魔法数の中性子数64で、ジルコニウム同位体の変形度が最大に ○変形変化の理解から超新星爆発による重元素合成過程の解明へ 東京理科大学(学長 藤嶋昭)理工学部物理学科の炭竃すみかま聡之助教と独立行政法人理化学研究所(理事長 野依良治)仁科加速器研究センターのグループは、国内外の大学・研究機関との国際共同研究(※1)で、中性子過剰なジルコニウム同位体(※2)(原子番号40)において中性子数64が変形魔法数(※3...
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アセノスフェアの密度構造を推定する手法を世界で初めて開発 −プレートテクトニクスの成因への解明に期待− 【ポイント】 プレート直下にあるアセノスフェアの弾性率と密度構造を推定する手法を世界で初めて開発しました。GPSのデータを用いて潮汐による地球の変形を精密に推定しました。そのデータを用いて解析することにより、従来220kmの深さにあると思われていた地震波速度構造の不連続の大きさが小さいこと、またアセノスフェアにおいて約50kg/m3の低密度層が確認されました。 【背景】 地震波を用いた地下の構造探査では地震波伝搬の不均質を検出することにより、地下構造を推定します。し...
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東大とJSTなど、ありふれた永久磁石にマルチフェロイックの特性を持たせる技術を開発
ありふれた永久磁石をマルチフェロイック磁石に (強磁性体と強誘電体の性質を持つ多能材料に一歩前進) JST 課題解決型基礎研究の一環として、東京大学 大学院工学系研究科の十倉 好紀 教授とJST 戦略的創造研究推進事業 ERATO型研究「十倉マルチフェロイックスプロジェクト」の徳永 祐介 研究員らの研究グループは、室温でのマルチフェロイック材料につながる新しい材料を開発しました。 「マルチフェロイック材料」とは、磁石の性質(強磁性)と誘電性(強誘電性)の性質を併せ持つ材料のことです。電場(電圧)により磁石の強度を制御でき、また、磁場によっても電気分極の強度を制御できるとい...
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栗田工業、半導体レジスト剥離工程におけるアッシングレス処理の実証に成功
半導体レジスト剥離工程におけるアッシングレス処理の実証に成功 〜電解硫酸製造装置「グリーンサルファシッドKDR」の適用拡大〜 栗田工業株式会社(本社:東京都新宿区 社長:齊藤 浩)は、半導体製造プロセスにおけるレジスト(*)剥離工程において、電解硫酸製造装置「グリーンサルファシッドKDR」を適用することで、アッシングレスで処理する場合でも安定したレジスト剥離の効果を出せることを実証しました。 従来のレジスト剥離技術では、硫酸と過酸化水素水の混合溶液を使うSPM 法が広く用いられていますが、溶液を長期間使用するとレジスト剥離能力が徐々に低下することから、前処理としてアッシン...
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東北大学など、光が有機物質を変える瞬間の超高速スナップショット観測に成功
電子の氷を光で融かす一瞬を捉える 〜光が有機物質を変える瞬間の超高速スナップショット〜 <概 要> 東北大学大学院理学研究科の岩井伸一郎教授、自然科学研究機構 分子科学研究所の米満賢治准教授、山本薫博士、東北大学金属材料研究所の佐々木孝彦教授らのグループは、光の照射によって、有機物質の色や電気伝導度が大きく変化する現象(光誘起相転移現象(注1))の、最初の瞬間を捉えることに成功しました。本研究成果は、平成22年12月3日(米国東部時間)発行(予定)の米国物理学会誌Physical Review Lettersに受理され、オンライン版で近日中に公開されます。 ■背 景 ごく最...
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生理学研究所、ウズベキスタン科学アカデミー生理学・生物物理学研究所と学術協定を締結
生理学研究所がウズベキスタン科学アカデミー生理学・生物物理学研究所と学術協定を締結 中央アジアの貴重な生物資源情報のデータベース共有などを計画 自然科学研究機構生理学研究所は、ウズベキスタン国タシュケント市にあるウズベキスタン科学アカデミー生理学・生物物理学研究所(IPB)との間で5年間の国際学術交流協定を10月5日に締結しました。協定に基づき両研究所は、共同研究の推進、研究者や学生の交流、学術情報・資料の交換などを行っていきます。 IPBは1985年に設立され、約80名の研究者によって生理学と生物物理学に関する多彩な研究活動を行っています。IPBはウズベキタン国立大学と...
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理化学研究所、核分裂反応の微視的シミュレーションを計算可能にする理論を開発
核エネルギー生成機構の数値シミュレーションに画期的な理論 −時間依存平均場理論に基づいた新理論を開発− ◇ポイント◇ ●核エネルギーの鍵である核分裂反応の理論的解明が革新的に進歩 ●計算時間を100万時間から10時間程度へ約4桁短縮できることをテスト計算で実証 ●原理的に無限個の準粒子数の軌道数を数百個程度へと劇的に減らすことに成功 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、最新のスーパーコンピュータを1,000年以上使い続けても達成できないほどの膨大な計算量を必要とするため、これまで理論的な解析ができなかった核分裂反応(核エネルギーを原子炉内で生成する反応)の微視的...