日本NI、高速／高分解能／高電圧対応のオシロスコープ「PXIe−５１６４」を発表

NI、高速／高分解能／高電圧対応のオシロスコープを発表
１GS／秒の速度、１４ビットの分解能で、最大１００Vppの入力範囲に対応


　日本ナショナルインスツルメンツ株式会社（本社：東京都港区、代表取締役：コラーナ　マンディップ　シング、以下日本NI）は、２０１６年１０月２７日、オシロスコープの新製品「PXIe−５１６４」を発表します。PXIe−５１６４は、モジュール式でオープンなPXI（PCI　eXtensions　for　Instrumentation）規格で構築されており、搭載しているFPGAは、ユーザ側で自由にプログラムすることができます。高電圧信号を高い確度で計測することが求められる航空宇宙／防衛、半導体、物理学をはじめとした基礎研究などの分野に最適な製品です。

＜PXIe−５１６４の主な機能＞
　・最大１００Vpp（ピークツーピーク）の計測レンジを持つ２つの入力チャンネルを搭載。オフセットの調整により、±２５０Vのレンジ内の信号を１００Vppで計測可能
　・２つの入力チャンネルは４００MHzの帯域幅を持ち、サンプルレート１GS／秒、分解能１４ビットでサンプリング可能
　・モジュール性アーキテクチャを活かし、コンパクトなPXIシャーシ内に最大３４チャンネルの同時計測システムを構築可能
　・８レーンのPCI　Express　Gen２に対応し、３．２GB／秒のデータレートで収集データをストリーミング可能
　・搭載するXilinx社のKintex−７　４１０　FPGAはシステム開発プラットフォーム「NI　LabVIEW」で開発。フィルタ処理やトリガ処理を含むカスタムのIP（Intellectual　Property）をユーザが柔軟に構築可能

　PXIベースのオシロスコープの使い勝手が、箱型のオシロスコープに劣ることは決してありません。ユーザはドライバソフトウェア「NI−SCOPE」に含まれる対話式ソフトフロントパネルを使用して、基本的な計測や自動化アプリケーションのデバッグを行ったり、テストプログラムの実行中にオシロスコープで取得したデータを表示したりすることができます。NI−SCOPEには、テスト用のコード開発時に役立つヘルプファイル、ドキュメント、そのまま使えるサンプルプログラムが用意されています。また、C言語、Microsoft．NET、LabVIEWなど、さまざまな開発環境に対応しているプログラミングインタフェースも提供されます。さらに、PXIベースのオシロスコープとテスト管理ソフトウェア「NI　TestStand」を組み合わせて使用することで、実験室や製造現場でテストシステムを構築したり配備したりする作業を効率化することが可能になります。

　PXIベースのオシロスコープは、NIのプラットフォームとエコシステムの中でも重要なポジションにあり、高度なテストシステムの構築に欠かせない存在です。PXIには、DCからミリ波までを網羅する６００種以上のモジュール製品があるため、それらを柔軟に組み合わせることができます。また、PCI　Expressに対応するバスインタフェースにより、高いスループットでデータ転送を行ったり、各製品が備えるタイミング機能／トリガ機能により、１ナノ秒未満の精度で同期を図ったりすることも可能です。NIのプラットフォームは、NIのアプリケーションエンジニアやパートナー企業、アドオン用IPなどで構成される強力なエコシステムに支えられています。NIのプラットフォーム・エコシステムを活用することにより、テストに要するコストを大幅に削減しつつ、製品を市場に投入するまでの期間を短縮することが可能になります。さらに、将来の厳しい要求にも対応できるテストシステムを構築することができます

＜NI　R＆D　担当バイスプレジデント　Steve　Warntjesのコメント＞
　「PXIをベースとするNIのオシロスコープを活用することで、テスト時間の削減とチャンネル密度の向上が実現します。それだけでなく、新製品であるPXIe−５１６４は、広い帯域幅、高い分解能、広い入力電圧レンジを特長としており、より柔軟性に優れた計測を行うことができます。また、この製品は、従来の箱型計測器では対応できなかった計測にも使えます。例えば、最高１GS／秒の速度で最大１００Vppの高電圧信号を測定するような場合でも、PXIe−５１６４は１４ビットのA／Dコンバータを採用しているため、通常は計測器のノイズに埋もれてしまうような微小な信号の詳細まで捕捉することができます。」

＜日本ナショナルインスツルメンツについて＞
　ナショナルインスツルメンツ（NI）は、１９７６年以来、柔軟で優れたテクノロジソリューションを提供し、世界中のエンジニアの生産性向上とイノベーションを後押ししてきました。ハードウェアとソフトウェアを統合したNIのプラットフォームは、ヘルスケアや自動車、家庭用電化製品から素粒子物理学にいたるまで、あらゆる業界で活用され、社会の発展に貢献しています。日本ナショナルインスツルメンツ（http://japan.ni.com）は、NIの日本法人です。

　本リリースのURL：http://www.ni.com/newsroom/release/ni-announces-high-speed-high-resolution-high-voltageoscilloscope/ja

　LabVIEW、National　Instruments、NI、ni．comはNational　Instruments　Corporationの商標です。
　その他の企業名ならびに製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

　※参考画像は添付の関連資料を参照