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すばる望遠鏡
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「130億光年彼方での一般相対性理論の検証〜アインシュタインは間違っていなかった?〜」 1.発表者: 奧村哲平(おくむら・てっぺい) 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 特任研究員 日影千秋(ひかげ・ちあき) 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 特任助教 2.発表のポイント: ◆宇宙の加速膨張の謎に迫るため、すばる望遠鏡を用いて遠方宇宙(130億光年)にある約3000個の銀河の距離を測定し、立体地図を作成した。 ◆銀河の運動を詳しく調べることで、宇宙の大規模構造が形成される速度を、このような遠方(過去)の宇宙において世界で初めて測定し、一般相...
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東大、115億光年彼方の原始グレートウォールの内部に巨大銀河誕生の現場を発見
115億光年彼方の原始グレートウォールの内部に巨大銀河誕生の現場を発見 1.発表者: 梅畑 豪紀(東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター/ヨーロッパ南天天文台日本学術振興会特別研究員) 田村 陽一(東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター 助教) 河野 孝太郎(東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター 教授) 2.発表のポイント: ◆アルマ望遠鏡を用いて、115億光年彼方に、爆発的に星形成を行っている銀河(モンスター銀河)の9個からなる集団を発見した。 ◆モンスター銀河が、原始グレートウォールと呼ばれる宇宙最大の天体の内部で群れ集まっ...
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熱い酸素ガスを広範囲に放出する遠方銀河を発見:銀河進化の最終段階を目撃 1.発表者:ユマ スラポン(Yuma Suraphong) (東京大学宇宙線研究所 日本学術振興会外国人特別研究員) 2.発表のポイント: ◆地球から90億光年離れた宇宙に、熱い酸素ガスを広範囲に放出している銀河を12個発見しました。ガスの放出範囲は最大25万光年になるものもあり、それぞれの銀河の大きさを超えています。 ◆遠方銀河による酸素ガスの大規模な放出を系統的に探査・発見したのは本研究が初めてです。 ◆今回の発見は、銀河での星形成活動を終わらせる物理的メカニズムを解明するための大きなステップといえます。 3.発表...
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東大、約90億光年の超新星が重力レンズ効果で30倍に輝くことを発見
謎の超高輝度超新星、実は標準光源だった!〜重力レンズ効果で30倍に輝く〜 <発表概要> 東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)のロバート・クインビー特任研究員らは、地球から約90億光年の遠方に見つかった超新星が、明るさが一定のため「宇宙の標準光源」として知られるIa(いちえい)型超新星でありながら、超新星と地球との間にある大質量の天体によって空間が曲げられる「重力レンズ効果」によって集光され、通常の約30倍も明るく見えたことを発見しました。 重力レンズ効果は、宇宙の9割以上を占める暗黒物質や暗黒エネルギー、またブラックホールなど、光で直接観測できないも...
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太陽系外の複数惑星系における惑星同士の食を初めて発見 <発表者> 平野 照幸(東京大学大学院理学系研究科 物理学専攻 博士課程3年) 増田 賢人(東京大学大学院理学系研究科 物理学専攻 修士課程1年) 須藤 靖(東京大学大学院理学系研究科 物理学専攻 教授) <発表のポイント> >太陽系外の複数惑星系における2つの惑星がほぼ同一平面上を公転しており、かつそれが(太陽系の太陽に当たる)中心星の自転軸と直交している初めての観測的証拠を得た >中心星の前を惑星が通過するトランジット現象が2つの惑星に対して同時に起こり、かつその最中に2つの惑星同士もまた食を起こすという極めてまれな...
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東大、超広視野カメラ「Hyper Suprime−Cam」が始動
【すばる望遠鏡】新型の超広視野カメラ Hyper Suprime−Cam、始動へ 2012年8月17日(ハワイ現地時間、以下同じ)、国立天文台が東京大学カブリIPMU等と共同で開発を進めてきた新型の超広視野カメラHyper Suprime−Cam(HSC;ハイパー・シュプリーム・カム)が国立天文台ハワイ観測所のすばる望遠鏡に搭載され、2012年8月28日の夜から性能試験観測を開始しました。HSCは満月9個分の広さの天域を一度に撮影できる世界最高性能の超広視野カメラで、高さが3メートル、重さが3トンもの巨大な観測装置です。従来よりすばる望遠鏡に搭載されているSuprime−...
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120億光年のかなたに最遠方の超新星残骸を発見 [発表者] 濱野哲史(東京大学大学院理学系研究科天文学教育研究センター・大学院生) 小林尚人(同上・准教授) 茂山俊和(東京大学大学院理学系研究科ビッグバンセンター・准教授) [発表のポイント] >どのような成果を出したのか 観測史上最も遠方(約120億光年)の超新星の残骸(注1)を発見。宇宙の137億年の歴史上で、銀河や星がたくさん生まれたことで知られている最も重要な時代(約100億年以上前)に超新星が実在することを確認できたのは世界で初めてです。 >新規性(何が新しいのか) 重力レンズ(注2)という"天然のレン...
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京大、アルマ望遠鏡を用いて銀河に含まれる窒素が放射する電波を検出することに成功
124億光年彼方の銀河の「成分調査」 〜アルマ望遠鏡で迫る進化途上の銀河の正体〜 本学およびケンブリッジ大学を中心とする国際研究チームは、アルマ望遠鏡を用いて124億光年彼方の「サブミリ波銀河」と呼ばれる種類の銀河を観測し、この銀河に含まれる窒素が放射する電波を検出することに成功しました。サブミリ波銀河とは、進化途上にあり激しい星形成活動を起こしている種類の銀河で、可視光を遮る大量の塵に覆われているためにすばる望遠鏡などの光学望遠鏡では詳細な観測が困難でした。アルマ望遠鏡は、大量の塵にも遮られることのないミリ波での観測が可能であり、かつ微かな電波をもキャッチできる驚異的な感...
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炭素はいつ生まれたか?125億光年彼方の銀河に炭素を発見 松岡健太 理学研究科/愛媛大学理工学研究科 日本学術振興会特別研究員、長尾透 次世代研究者育成センター(白眉プロジェクト)准教授、谷口義明 愛媛大学宇宙進化研究センター長/教授を中心とする研究チームは、すばる望遠鏡の微光天体分光撮像装置FOCASを用いた可視分光観測によって、125億光年彼方にある最遠方電波銀河TN J0924−2201から放射された炭素輝線の検出に世界で初めて成功しました。検出された輝線を調査したところ、驚くべきことに宇宙誕生後10億年頃の電波銀河には既に炭素元素が豊富に存在していたことがわかりま...