日本NI、ワイヤレスデバイスのテストコスト削減を実現するソリューション「WTS」を発売

PXIベースのプラットフォームを利用することで、ワイヤレスデバイスの製造テストのスループット向上、コスト削減が可能に


　日本ナショナルインスツルメンツ株式会社（本社：東京都港区、代表取締役：池田亮太、以下　日本NI）は２０１５年８月６日、ワイヤレスデバイスの量産テストにかかるコストの大幅な削減に役立つソリューション「Wireless　Test　System」（以下、WTS）を発売します。計測速度と並列テストに注目して最適化されたこのシステムを導入すれば、ますます複雑化するワイヤレスデバイスのテストのコストを確実に抑えつつ、製造ラインのスループットを高めることが可能になります。

　WTSは、PXIベースの最新ハードウェアを組み合わせて構成されています。この単一のプラットフォームで、複数の規格、複数のDUT（被測定デバイス）、複数のポートを使用するテストに対応することができます。「TestStand　Wireless　Test　Module」のような柔軟性の高いテストシーケンス構築用のソフトウェアを併用すれば、複数のデバイスを並列にテストする際の計測器の稼働率を大幅に改善することが可能になります。WTSは、Qualcomm社製のチップセットやBroadcom社製のチップセットなどを使用するデバイスに対してすぐに実行が可能なテストシーケンスに加え、DUTの統合管理機能やリモート自動制御の機能を備えています。そのため、製造ラインにも容易に組み込めます。実際、そうした機能によってRF対応のテスト装置の稼働効率が大きく改善され、テストコストを削減できたという声が当社の顧客企業様から寄せられています。

　WTSは、ナショナルインスツルメンツ（NI）が構築した最新システムで、PXIベースのハードウェアとLabVIEW、TestStandの両ソフトウェアを基盤にして構築されています（NIが２０１４年にリリースした「Semiconductor　Test　System」を参照してください）。LTE−Advanced、IEEE　８０２．１１ac、Bluetooth　Low　Energyなどの多様なワイヤレス規格をサポートしており、無線LANのアクセスポイント、携帯型端末、インフォテインメントシステムなど、セルラー、ワイヤレス接続、ナビゲーション向けの各種方式を含む複数の規格に対応するデバイスの製造テスト向けに設計されています。また、WTSはPXIをベースとするソフトウェア設計型（Software−designed）のベクトル信号トランシーバを内蔵しています。このことから、製造テストの環境において卓越したRF性能を得ることができます。加えて、RFテストに対する要件の変化に応じて拡張が可能なプラットフォームが実現されています。


＜Frost＆Sullivan社　測定／計装担当プログラムマネージャ　Olga　Shapiro氏のコメント＞
　「IoT（モノのインターネット）のような大きなトレンドが生まれたことから、より多様な機器に、無線やセンサーなど従来からテストに多くのコストがかかるとされてきた機能を搭載することが求められるようになりました。しかし、テストのコストによって、経済的な面での製品の実現性やイノベーションが阻害されるようなことがあってはなりません。将来にわたって収益性を維持するために、企業はワイヤレスデバイスのテストに対するアプローチを再考し、新しいパラダイムを取り入れる必要があります。WTSはワイヤレス業界でも実績のあるPXIプラットフォームをベースとして、NIの高度な技術を用いて構築されています。そのため、WTSはIoTをはじめとする新たな分野においても、収益性に対して多大な効果を発揮するとわれわれは予測しています。」


＜HARMAN／Becker　Automotive　Systems社　Markus　Krauss氏のコメント＞
　「NI　Wireless　Test　Systemという単一のプラットフォームで、BluetoothからWiFi、GPS、セルラー方式など複数のワイヤレス技術を全てテストすることができました。WTSとNOFFZ社のRFテストエンジニアリングの専門知識のおかげで、テストにかかる時間と、テストシステムの立ち上げにかかる時間を大幅に短縮できました。」


　WTSの詳細についてはhttp://www.ni.com/wireless-test-system/ja/をご覧ください。


　※参考画像は添付の関連資料を参照


■日本ナショナルインスツルメンツについて
　ナショナルインスツルメンツ（NI）は、１９７６年以来、柔軟で優れたテクノロジシステムを提供し、世界中のエンジニアの生産性向上とイノベーションを後押ししてきました。ハードウェアとソフトウェアを統合したNIのプラットフォームは、ヘルスケアや自動車、家庭用電化製品から素粒子物理学にいたるまで、あらゆる業界で活用され、社会の発展に貢献しています。日本ナショナルインスツルメンツ（http://japan.ni.com）は、NIの日本法人です。