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東北大、マンガンケイ化物系熱電変換材料で従来比約2倍の出力因子を実現

2016-12-06

マンガンケイ化物系熱電変換材料で従来比約2倍の出力因子を実現
―300〜700℃の未利用熱エネルギー有効利用に期待―


 NEDOプロジェクトにおいて、東北大学の研究グループは、マンガンケイ化物系熱電変換材料で、発電量を表す指標である出力因子として、従来の約2倍に相当する2.4mW/K2mを実現しました。
 今回の成果により、自動車エンジンの排熱や産業分野における工業炉からの排熱等、300〜700℃の未利用熱エネルギーを電力に変換する高出力熱電発電モジュールの実現が期待されます。

 *図1は添付の関連資料を参照

1.概要
 現在、運輸・産業・民生の分野において、一次エネルギーの半分以上が利用されずに排熱になっています。このような背景のもと、NEDOは利用されることなく環境中に排出されている膨大な量の未利用熱に着目し、その「削減(Reduce)・回収(Recycle)・利用(Reuse)」を可能とするための要素技術の革新と、システムの確立を目指した「未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発」(※1)を2015年度から実施しています。その中でも、熱電変換技術分野においては、ナノ材料技術の急速な進展等に伴い大きな性能改善の可能性が見られるようになっている近年の状況に鑑み、これまでに取り組めていない新たな技術の発掘を目的とした基盤的研究開発をあわせて実施しています。
 熱電変換技術は、固体のゼーベック効果(※2)を利用して排熱から直接電力を得ることが可能な技術であり、自動車エンジンや工場排熱等、中温域といわれる300〜700℃(600〜1000K程度に相当)の未利用熱を有効に利用して省エネルギーに資することが期待されます。しかし、中温域で熱電性能の高い材料は、鉛、テルル、アンチモン、セレン、タリウム等、毒性が高く希少で低融点の元素から構成されるものがほとんどです。これらの元素から構成される熱電変換材料は、原料コストが高く、また空気中での使用には工夫が必要なこと等から、広く利用されるには至っていません。
 このような中、NEDOプロジェクトにおいて、東北大学大学院工学研究科の宮崎 讓(◇)(応用物理学専攻教授)、林 慶(同専攻准教授)らの研究グループは、低コスト化が期待でき、かつ熱的・化学的安定性に優れるマンガンケイ化物系熱電変換材料(※3)において、従来の1.6〜2倍に相当する2.4mW/K2mの出力因子(※4)を実現しました。今回の成果により、自動車エンジンの排熱や産業分野における工業炉からの排熱等、300〜700℃の未利用熱エネルギーを電力に変換する高出力熱電発電モジュールの実現が期待されます。
 なお、この研究成果の内容は、12月1日、2日の両日、仙台市内で開催される応用物理学会東北支部第71回学術講演会において発表します。
 詳細については、以下のWebサイトをご参照ください。
 https://annex.jsap.or.jp/tohoku/index201.html

 *リリース詳細は添付の関連資料を参照

 ◇教授名の正式表記は添付の関連資料を参照





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