Pickup keyword
超伝導
-
理研、1兆分の1秒で起きる磁気的性質の変化を観察することに成功
1兆分の1秒で起きる磁気的性質の変化を観察 −X線と赤外線のレーザーを組み合わせた極短時間測定− <要旨> 理化学研究所(理研)放射光科学総合研究センターの田中良和専任研究員と、ブルックヘブン国立研究所のマーク・ディーンAssociate Physicist、SLAC国立加速器研究所のディリン・ヂューInstrument Scientistらの国際共同研究グループは、極短パルスのX線領域のレーザーと赤外線領域のレーザーを使って、磁性体「Sr2IrO4」で起きる1ピコ秒(1兆分の1秒)程度の磁気的性質(スピンの配列)[1]の変化を観察することに成功しました。 極めて短い発光時間を持つ光である「極短パルスレーザー」によって、物質の電子状態や...
-
中赤外レーザーを用いた格子振動の選択励起を世界で初めて直接観測 −原子の振動を光で自在に操作− 吉田恭平 エネルギー理工学研究所/エネルギー科学研究科博士課程学生、園部太郎 リサーチ・アドミニストレーター(元同特定助教)、蜂谷寛 エネルギー科学研究科助教、全炳俊 エネルギー理工学研究所助教、紀井俊輝 同准教授、増田開 同准教授、大垣英明 同教授らのグループが、新しくレーザー発振・波長制御を可能とした中赤外自由電子レーザー(KU−FEL)を使って、固体材料の原子の振動(格子振動)を選択的に励起できることを、世界で初めて直接的に観測しました。 固体材料の原子の振動(格子振動)は、電...
-
NICT、極めて高い光感度を持つ「超伝導ナノワイヤ単一光子検出器」を開発
検出効率80%以上の「超伝導ナノワイヤ単一光子検出器」を開発 〜従来の3倍のシステム検出効率を達成!〜 【ポイント】 ■超伝導技術を使って、極めて高い光感度を持つ単一光子検出システムを開発 ■従来比3倍の検出効率80%、半導体光子検出器よりも1,000倍以上の性能指数を達成 ■量子暗号通信、微弱光通信、レーザー測距技術、蛍光測定など幅広い分野での応用が可能 独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」、理事長:坂内正夫)は、通信波長帯(*1)でシステム検出効率(*2)80%以上(従来の約3倍)という極めて高い光感度を持つ「超伝導ナノワイヤ単一光子検出器(SSPD)」(*3)の開発...
-
東北大と原子力機構、ペロブスカイト型水素化物の形成過程を解明
環境にやさしい<水素>を利用した新たな機能材料の開発指針を得る − ペロブスカイト型水素化物の形成過程を解明 − 【発表のポイント】 ●ペロブスカイト構造を持つ新しい水素化物(LiNiH3)を高温高圧下の水素化反応によって合成。その形成過程を高輝度放射光X線回折測定でその場観察し、形成機構を解明した。 ●ペロブスカイト型水素化物は水素貯蔵材料としての機能に加えて、ペロブカイト型酸化物と同様に、超伝導などの多様な物性・機能性を示すものと期待されているが、合成の報告は限られていた。 ●形成機構の解明により、ペロブスカイト型水素化物の設計・開発指針が得られ、今後の材料開発研究が大いに加速...
-
京大、鉄原子を含む高温超伝導体の仕組みを解くカギ「電子のネマティック液晶状態」を発見
鉄原子を含む高温超伝導体の仕組みを解くカギ「電子のネマティック液晶状態」を発見 笠原成 理学研究科研究員(低温物質科学研究センター特定研究員)、芝内孝禎 同准教授、松田祐司 同教授は、杉本邦久 高輝度光科学研究センター(JASRI)研究員、福田竜生 日本原子力研究開発機構(JAEA)研究員と共同で、高温超伝導の舞台となる電子状態の異常性の一端を明らかにしました。 今回の成果は、高温超伝導体中の電子の集団が、超伝導転移を起こすよりも高温で、自発的に結晶格子の持つ回転対称性を破った状態に相転移を起こすことを示したものです。この対称性を破った状態は、液晶ディスプレーなどで用い...
-
理化学研究所、絶縁体から高温超伝導体への変化過程を可視化することに成功
絶縁体から高温超伝導体への変化過程を原子分解能で可視化 −「擬ギャップ状態」の正体と超伝導機構の解明に向けて前進− ◇ポイント◇ ・擬ギャップ領域は絶縁体の「海」の中に数nm2の小さな「島」として出現 ・擬ギャップ状態は超伝導と競合せずにその発現を助けている可能性を示唆 ・電子相変化メモリーなど新エレクトロニクスデバイス開発の基礎学理を提示 理化学研究所(野依良治理事長)は、銅酸化物高温超伝導体(※1)が絶縁体から超伝導体へと変化する過程を原子分解能で可視化することに成功しました。「擬ギャップ状態(※2)」が数平方ナノメートル(nm2)程度の領域で出現し、その増加が超伝導...
-
NICTとJAXA、「きぼう」船外実験プラットフォーム利用ミッション「SMILES」の観測データを一般公開
「きぼう」船外実験プラットフォーム利用ミッション 超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(SMILES:スマイルズ)による観測データの一般向け公開開始について 情報通信研究機構(NICT)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同開発し、国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟 船外実験プラットフォームに取り付けた超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(SMILES:スマイルズ)は、絶対温度4K(−269℃)に冷却した超伝導検出器によって、これまでにない高精度の大気観測のミッションを行いました。 NICTとJAXAでは、SMILESの観測データの高い観測精度を実証するために、大気微量分...
-
東北大学など、光が有機物質を変える瞬間の超高速スナップショット観測に成功
電子の氷を光で融かす一瞬を捉える 〜光が有機物質を変える瞬間の超高速スナップショット〜 <概 要> 東北大学大学院理学研究科の岩井伸一郎教授、自然科学研究機構 分子科学研究所の米満賢治准教授、山本薫博士、東北大学金属材料研究所の佐々木孝彦教授らのグループは、光の照射によって、有機物質の色や電気伝導度が大きく変化する現象(光誘起相転移現象(注1))の、最初の瞬間を捉えることに成功しました。本研究成果は、平成22年12月3日(米国東部時間)発行(予定)の米国物理学会誌Physical Review Lettersに受理され、オンライン版で近日中に公開されます。 ■背 景 ごく最...