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東大、カブトムシなどの昆虫の武器の大きさが環境に応じて変化するしくみを解明
カブトムシなどの昆虫の武器の大きさが環境に応じて変化するしくみ 〜細胞の記憶システムであるエピゲノムが関与〜 1.発表者: 小澤 高嶺(東京大学大学院 総合文化研究科 広域科学専攻 特任研究員) 岡田 泰和(東京大学大学院 総合文化研究科 広域科学専攻 助教) 太田 邦史(東京大学大学院 総合文化研究科 広域科学専攻 教授) 2.発表のポイント: ◆カブトムシやクワガタなどの昆虫の「武器」は、生育時の栄養によって大きさが顕著に変わることが知られています。今回、その個体差が生まれるしくみを明らかにしました。 ◆武器の大きさは、DNA配列だけによらず環境に応じて書き換え可能な細胞メ...
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アフリカツメガエルの複雑なゲノムを解読: 脊椎動物への進化の原動力「全ゲノム重複」の謎に迫る ■発表のポイント ◆2種類の祖先種が異種交配して「全ゲノムが重複」したとされるアフリカツメガエル。その複雑なゲノムの全構造を明らかにした。これにより、ついに全ての主要モデル生物のゲノム情報が出揃った。 ◆祖先種から受け継いだ2種類のゲノム(サブゲノム)を特定することに成功し、約1800万年前の「全ゲノム重複」の後に、ゲノムがどのように進化したかを初めて明らかにした。 ◆本ゲノム情報は、生命科学の発展に多大な貢献をするだけではなく、約5億年前に脊椎動物が誕生する過程で起きたとされる「...
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東京工科大、がんを簡単に調べられる新しいメチル化DNAの測定法を開発
がんを簡単に調べられる新しいメチル化DNAの測定法を開発 東京工科大学(東京都八王子市片倉町、学長:軽部征夫)応用生物学部の吉田亘助教、軽部征夫教授らの研究グループ(※1)は、がんなどのバイオマーカーとして期待されるメチル化DNAを簡便に測定できる方法の開発に成功した(※2)。 本研究成果は、2016年6月28日に科学誌「Analytical Chemistry」オンライン版に掲載された(※3)。 【背景】 ヒトゲノム中の塩基シトシン(※4)のメチル化は、遺伝子の発現を制御する「遺伝子スイッチ」としての働きを持っており、がん細胞ではこの遺伝子スイッチが異常になっていることが確認されている。このスイッチの異...
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脳と行動の雌雄を分かつ遺伝子のスイッチを発見 ―ショウジョウバエでの研究成果― 人間の所作には男女差があり、少なくともその一部は脳の働きの性による違いに起因すると推察されますが、その仕組みは不明です。脳と行動の性差は動物界に普遍的にみられる現象であることから、ヒトでは不可能な実験を動物で行うことで、“心の性”の生まれる仕組みが解明されるものと期待されていました。 このたび東北大学大学院生命科学研究科の山元大輔教授・伊藤弘樹研究員らは、ショウジョウバエを実験に用いて、脳と行動の雌雄による劇的な違いが、たった一つの遺伝子(“ロボ”と言う名前の遺伝子)のスイッチを入れるか、切るか...
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慶大、難病の原因となる未知の遺伝子疾患MIRAGE症候群を発見
難病の原因となる未知の遺伝子疾患MIRAGE症候群を発見 −先天性副腎低形成症、骨髄異形成症候群などのメカニズム解明へ新知見− このたび慶應義塾大学医学部小児科学教室の鳴海覚志特任助教(現・国立成育医療研究センター研究所分子内分泌研究部)、天野直子共同研究員、石井智弘専任講師、長谷川奉延教授らは、国立成育医療研究センター、横浜市立大学医学部などとの共同研究により、先天性副腎低形成症を含む様々な全身症状を生じる新たな遺伝子疾患「MIRAGE(ミラージュ)症候群」を世界で初めて発見しました。 先天性副腎低形成症は、生命活動の維持に大切な副腎皮質ホルモンを欠乏する指定難病で、日本での患者数は約1...
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東大、細胞と葉の大きさを決める隠されたしくみを顕微鏡技術で発見
細胞と葉の大きさを決める隠されたしくみ 1.発表者: 塚谷 裕一(東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻 教授) 松永 幸大(東京理科大学理工学部応用生物科学科 教授) 2.発表のポイント: ◆従来、細胞核の大きさと細胞の大きさは比例していると信じられていた。 ◆しかしその比例関係は、顕微鏡で見やすい表面の、表皮細胞に限った現象であることを、新しい顕微鏡技術で発見した。 ◆本研究により、生物の器官サイズがどのような遺伝子によって制御されているかの解明が大きく進むことが期待される。 3.発表概要: 細胞の核にはDNAが納められています。その核あたりのDNA量が倍になれば、核の体...
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アステラス製薬、産総研と抗寄生原虫創薬に関する共同研究契約を締結
「顧みられない熱帯病」の抗寄生原虫創薬(シャーガス病)に関する産総研との新たな共同研究契約締結 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、本日、国立研究開発法人産業技術総合研究所(所在地:茨城、理事長:中鉢 良治、以下「産総研」)と「顧みられない熱帯病(1))」(Neglected Tropical Diseases、以下「NTDs」)の抗寄生原虫創薬(シャーガス病)に関する新たな共同研究契約を締結しましたので、お知らせします。 アステラス製薬は、世界で深刻な問題となっている「保健医療へのアクセス(Access to Health)課題(2))」の解決に取り組んでいます。その...
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農業生物研と佐賀大、さまざまな突然変異を含む多数のダイズ系統を作出
さまざまな突然変異を含む多数のダイズ系統を作出 −新しい性質を持つダイズ品種の開発が可能に− <ポイント> ・ダイズに効率よく突然変異を起こす技術を利用し、様々な突然変異を含む変異集団を作出しました。 ・今回作出した突然変異集団を用いることで、これまで以上に早く実が登熟する系統など、新しい性質をもつダイズ品種の開発が可能となります。 <概要> 1.農業生物資源研究所(生物研)は、佐賀大学と共同で、ダイズに高頻度で突然変異を起こすことに成功し、様々な突然変異を多数含む突然変異系統の集団を作出しました。 2.突然変異育種は、新品種を育種する方法のひとつとして一般的に行われていま...
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東北大など、日本人のゲノム研究の参照情報となるリファレンスパネルを公開
integrative Japanese Genome Variation Database 〜全ゲノムリファレンスパネルの公開データベース〜 東北メディカル・メガバンク計画では、日本人の標準となる大規模な人数の全ゲノム解読を行った結果を総合し、DNA配列の多型などの頻度情報をまとめることで、今後のゲノム研究の参照情報となるリファレンスパネルの構築を目指しています。 構築中のリファレンスパネル(1KJPN)のうち、公開の準備が整ったものについては、ポータルサイト、integrative Japanese Genome Variation Database(iJGVD)から公開をしています。 現在のバージョンでは、1,070人の日本人の高精度な全ゲノム解読結果(注*)に基づき、常染色体上の一塩基変異...
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農業生物研、「いもち病」に対する抵抗性誘導剤の効果が低温で発揮できない原因を解明
「いもち病」に対する抵抗性誘導剤の効果が 低温で発揮できない原因を解明 −低温でもいもち病にかかりにくいイネの開発へ− <ポイント> ・稲作で最も深刻な被害をもたらすいもち病は、糸状菌(カビ)によるイネの病気で、冷害により被害が大きくなります。 ・低温になると、抵抗性誘導剤の効果が発揮できなくなる原因となる酵素が作られることが分かりました。 ・その酵素を作る遺伝子の働きを抑制することで、低温でも抵抗性誘導剤の効き目があり、いもち病に強いイネを開発することができます。 ○概要 1. 稲作で最も深刻な被害をもたらすいもち病は、糸状菌(カビ)であるいもち病菌の感染によって引き起こ...
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軟骨の形成をつかさどる遺伝子発現のメカニズム 軟骨形成に必須の転写因子 Sox9による遺伝子発現制御の様子が ゲノム全域で明らかに 1.発表者: 大庭 伸介(東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻 特任准教授) 2.発表のポイント: ◆軟骨形成に必須の転写因子Sox9(注1)が遺伝子発現を制御する作動様式を、マウスを用いてゲノム全域で解明 ◆生体の軟骨細胞のゲノム全域におけるSox9の位置、クロマチン状態、遺伝子発現に関するビッグデータの解析に基づいた知見 ◆ゲノム変異と軟骨の変性疾患・先天疾患の理解、それらの治療や軟骨再生におけるゲノム創薬への貢献に期待 3.発表概要: ...
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動物の新しい特徴が進化する仕組みの一端を解明 −ショウジョウバエのcis制御領域の獲得によるwingless発現領域の獲得− <概要> 1.背景 生物が、進化の過程でそれまでになかった性質を獲得する仕組みについては不明な点が多く残されています。近年、ゲノム情報(生物の全遺伝情報)が多く解読され、生物どうしのゲノムを比較できるようになりました。その結果、発生システムの根幹をなす遺伝子は極めて良く保存されていることがわかってきました。一方で、生物は多様な形態や性質を持っています。この不一致は、どのように説明されるべきでしょうか? 1975年、キングとウィルソンは、当時わかり始めたヒトとチンパン...
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アステラス製薬、乳がんに対するエンザルタミドの第II相臨床試験データを発表
2015年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で乳がんに対するエンザルタミドの新たなデータを発表 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長:畑中好彦、以下「アステラス製薬」)は、米国メディベーション社と共同で開発・商業化を進めている経口アンドロゲン受容体阻害剤エンザルタミド(一般名、製品名:XTANDI/イクスタンジ、開発コード:MDV3100)に関し、アンドロゲン受容体陽性のトリプルネガティブ進行性再発乳がん(TNBC)患者を対象とした、エンザルタミド単剤療法の有用性を検討する第II相臨床試験データが、シカゴで開催されている2015年米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会において発表されまし...
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東北大、ヒト細胞が放射線による障害を感知して転写を止め障害を修復する仕組みを解明
ヒト細胞が放射線による障害を感知して転写を止め 障害を修復する仕組みを解明 <概要> 東北大学加齢医学研究所・加齢ゲノム制御プロテオーム寄付研究部門(安井明教授)は発癌や細胞老化の原因となるDNAの傷が細胞内でどのように修復されるかを研究しています。 この度、同部門の宇井彩子博士・安井明教授らのグループは、放射線の最も深刻な影響であるDNAの二本鎖切断が生じた近傍の転写(DNAの情報をRNAに読み取る過程)が止まる仕組みを解明しました。その機構は丁度、前方の障害により進行中の電車の運転手に停止シグナルが伝えられブレーキがかかり近くの電車が次々と止められ、そのことにより障害の修理が起き、修理...
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エーザイ、英Genomics社と新薬開発の大規模な遺伝子型/表現型データ解析で提携
エーザイとGenomics社が新薬開発のための大規模な遺伝子型/表現型データ解析で提携 エーザイ株式会社(本社:東京、代表執行役 CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とGenomics plc(本社:英国オックスフォード、CEO:John Colenutt、以下 Genomics)は、このたび、エーザイの探索研究のターゲット選択、ターゲット評価、適応症の選択と薬剤のリポジショニングにおいて、Genomicsの持つ大規模多表現型遺伝子の高度な統計的分析技術の利用に関する契約を締結したことをお知らせします。 両社は、ヒトの遺伝子学、ゲノム学が医薬品の開発に大きく寄与できると考えており、ゲノム解析会社であるGenomicsとエーザイプロダクトクリエーションシ...
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農研機構、ダイズやコムギ等のDNAマーカー育種の利用促進に向け情報を一元化
ダイズやコムギ等のDNAマーカー育種の利用促進に向け情報を一元化 −作物の品種改良の効率化に貢献− [ポイント] ・新たにダイズ、コムギ、果樹類、野菜類、工芸作物、飼料作物類及び花き類のDNAマーカー情報を一元化してウェブページで公開 ・作物の品種改良の現場でのDNAマーカーの利用を促進 1.農研機構と生物研が連携して運営するバーチャル組織「作物ゲノム育種研究センター」は、DNAマーカーの開発状況の把握を容易にし、育種関係者による作物のDNAマーカー育種の利用を促進するため、この度ダイズ、コムギ、果樹類、野菜類、工芸作物、飼料作物類及び花き類のDNAマーカーについて、標的とする形質や活用するポイン...
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東芝、川崎市にヘルスケア開発センターを開設しヘルスケア分野の研究体制強化
ヘルスケア開発センターの開所とヘルスケア分野の研究開発体制強化について ※参考画像は添付の関連資料を参照 当社は、中期経営計画で掲げるヘルスケア事業の拡大に向け、次世代製品の開発と中長期の差異化技術の研究開発を行う拠点として、本日、神奈川県川崎市の小向事業所内にヘルスケア開発センターを開所しました。 また、ヘルスケア分野における研究開発費として2016年度には本年度の3割増となる500億円を投入するとともに、本センターを含めヘルスケア事業にたずさわる国内外の研究開発人員を現在の約3000名から2016年度には2割増となる約3800名に増員します。 ヘルスケア開発センター...
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嫌いな刺激に馴れる仕組みを線虫で発見 <ポイント> ・線虫が嫌いな刺激に馴れる度合いを基準に、記憶を数値化する装置を開発。 ・嫌いな刺激に馴れるために必要な2つの神経細胞を発見。 ・馴れた状態の維持に関わる新たな神経回路モデルを提案。 JST戦略的創造研究推進事業において、JSTの杉 拓磨 さきがけ研究者(兼 京都大学 物質−細胞統合システム拠点 特任助教)らは、線虫の記憶を迅速に数値化する装置を開発し、動物が嫌いな刺激に馴れる際の仕組みの一端を解明しました。 動物は、先天的に嫌いで、逃げてしまうような刺激であっても、刺激にさらされ続けると馴れてしまい、次に同じ刺激が訪れた際に...
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サントリーHD子会社など、ビール香味を左右する「ホップ」のゲノム解読に成功
ビール香味を左右する「ホップ」の ゲノム解読に世界で初めて成功 ―ホップの品質評価やビール香味形成の解明に期待― サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社(社長:有代雅人、東京都港区)は、チェコホップ研究所、公益財団法人岩手生物工学研究センター、公益財団法人サントリー生命科学財団、サントリーシステムテクノロジー株式会社と共同で、世界で初めてホップのゲノムの解読に成功しました。 【研究の背景】 ホップの雌花は毬花(きゅうか)と呼ばれ、ビールの香味を左右する重要な原料としてビール醸造に使用されています。今回、よりおいしいビールづくりに役立てるとともに、ホップの品種改良...
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筋ジストロフィーの症状を再現したラットを作製−筋ジストロフィー研究に新たなモデル動物− <発表者> 中村 克行(東京大学大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻 博士課程4年 日本学術振興会特別研究員) 藤井 渉(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用動物科学専攻 助教) 山内 啓太郎(東京大学大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻 准教授) 西原 真杉(東京大学大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻 教授) <発表のポイント> ◆遺伝子改変技術CRISPR/Cas法(注1)を用いてジストロフィン遺伝子に変異をもつラットの作製に成功した。 ◆このラットではヒトの筋ジストロフィーに特徴的な筋...
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京大、陸上植物の季節に依存して花を咲かせる仕組みの起源を紐解く
陸上植物の季節に依存して花を咲かせる仕組みの起源を紐解く 河内孝之 生命科学研究科教授、久保田茜 教務補佐員(元同大学院生)らの研究グループは、苔類ゼニゴケをモデル植物として、植物が季節を感知して花を咲かせる仕組みの原形が花の咲かない祖先的植物が陸上進出したときに既に確立していたことを明らかにしました。 この研究成果は、「Nature Communications」に4月22日付でオンライン掲載されました。 <研究者からのコメント> ゼニゴケというと役に立たたないイメージがありますが、陸上植物の進化における多様性や共通原理を分子レベルで研究するには素晴らしいモデル生物です。私たちの研究室では苔類ゼ...
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ノエビアグループ、東大などとシルクワーム(カイコ)による動物実験代替法を開発
〜シルクワーム(カイコ)による動物実験代替法を開発〜 ノエビアグループは、無脊椎動物であるシルクワーム(カイコ)により、化学物質や 製品等の毒性評価が可能であることを見出しました。 日本動物実験代替法学会 第26回大会」(京都)にて発表 ノエビアグループは、東京大学大学院薬学系研究科(関水和久 教授)と株式会社ゲノム創薬研究所との共同研究において、シルクワーム(カイコ)(※1)を用いた動物実験代替法の開発を行っております。 このたび、従来行われてきた、げっ歯類を用いた急性経口毒性試験の代替法として、無脊椎動物であるシルクワームを用いた試験法を開発し、化学物質や製品の毒性評価が...
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精子は発生開始のコーディネーター 大規模転写データベースによって明らかとなった精子の果たす役割 1.発表者: 朴 聖俊(パク ソンジュン)(東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター 特任研究員) 白髭 克彦(東京大学分子細胞生物学研究所附属エピゲノム疾患研究センター 教授) 2.発表のポイント: ◆世界的に類のない規模で受精直後の転写産物解析を行い、誰でも参照、検索可能なデータベースを構築した。 ◆卵子と精子それぞれが発生を開始するための転写プログラムに果たす役割を示し、精子がこのプログラムを開始するためのコーディネーターとして働くことを明らかにした。 ◆データベー...
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サカタのタネ、オランダの育種工学ベンチャーに資本参加し共同・委託研究を開始
オランダの育種工学ベンチャー企業 「ジーンツイスター社」に資本参加、共同/委託研究を開始 最先端のゲノム解読、遺伝子解析技術などを活用したDNAマーカー育種を推進、新品種開発を加速 このたび、サカタのタネは、オランダの育種工学ベンチャー企業「ジーンツイスター社」(所在地:オランダ ヘルダーランド州ヴァーヘニンゲン、社長:ダウヴェ デ ブア)に資本参加し、今後、同社との共同/委託研究を通じて、花や野菜の最先端のゲノム解読や遺伝子解析などを最大限に活用したDNAマーカー育種を推進し、新品種開発を加速させていきます。 「ジーンツイスター社」は1998年創業。主な業務として種苗会社などから...
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JSTなど、ヒトに関する研究データ共有のためのデータベースの運用を開始
ヒトに関する研究データ共有のための データベース(NBDCヒトデータベース)運用を開始 <ポイント> >ヒトに関する個人レベルのさまざまな研究データの共有を可能とする国内初のデータベース。 >塩基配列データや画像データなどヒトに関するさまざまな研究データの受け入れが可能。 JST(理事長 中村 道治)と国立遺伝学研究所(所長 桂 勲)は、国内で初めてヒトの塩基配列や画像データなどの研究データを共有するためのデータベース(NBDCヒトデータベース)の運用を10月1日より開始します。 近年、ゲノム解析技術が飛躍的に発達し、ヒトについても個人レベルのデータが急速に増加しつつあります。欧米諸国...
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理化学研究所、アトピー性皮膚炎の発症に関わる4つのゲノム領域を発見
アトピー性皮膚炎の発症に関わる4つのゲノム領域を新たに発見 −3つの領域で日本人のアトピー性皮膚炎の発症との関連を確認− <ポイント> ・免疫関連疾患を解析するイムノチップ解析でアトピー性皮膚炎の遺伝要因を解明 ・2カ所のゲノム領域は日本・中国と欧州で遺伝要因が共通 ・アトピー性皮膚炎における臨床研究の仮説立案や治療標的分子の絞り込みが進展 <要旨> 理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、アトピー性皮膚炎の発症に関連する4つのゲノム領域を新たに発見しました。これは、理研統合生命医科学研究センター(小安重夫センター長代行)の久保充明副センター長、呼吸器・アレルギー疾患研究チ...
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日本新薬、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤の臨床試験を開始
国産初のアンチセンス核酸医薬品として デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤の臨床試験開始 日本新薬は独立行政法人国立精神・神経医療研究センター(小平市、理事長:樋口輝彦、以下 国立精神・神経医療研究センター)と、2009年から共同研究を進めてきたアンチセンス核酸医薬品であるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療剤(開発番号:NS−065/NCNP−01)を用いて、今年7月より、医師主導で早期探索的臨床試験を開始する予定ですのでお知らせいたします。本治療剤はジストロフィン遺伝子のエクソン53スキップを目的に開発され、本スキップに応答する変異形式を有するDMD患者さんを対象としており、強...
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抗体遺伝子改編酵素(AID)のRNA編集活性証明に成功 −抗体遺伝子機能強化機構の解明に期待− 本庶佑 医学研究科客員教授、村松正道 金沢大学教授らの研究グループによる研究成果が、米国科学アカデミー紀要(PNAS)の電子版(米国東海岸標準時1月21日(月曜日)15時00分)に掲載されました。 <背景> AID(*)は、抗体遺伝子を多様化することによって、私達の体を病原体から守る抗体の機能を増強します。この遺伝子多様化プロセスは、抗体遺伝子座にクラススイッチ組換え(*)とsomatic hypermutation(*)と呼ばれる、2つの遺伝子改編システムによって行われています。クラススイッチ組換えは、もともとIgMの遺...
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オンコセラピー・サイエンス、大塚製薬が大腸がん治療用ペプチドカクテルワクチンの第I相臨床試験を開始
大腸がん治療用ペプチドカクテルワクチン 第I相臨床試験開始のお知らせ 当社が大塚製薬株式会社(以下、「大塚製薬」)にライセンスアウトしました大腸がん治療用ペプチドカクテルワクチンにつきまして、大塚製薬が第I相臨床試験を開始いたしますので、お知らせいたします。 この臨床試験は、標準療法に対して不応あるいは不耐の大腸がん患者に対し、大腸がん治療用ペプチドカクテルワクチン製剤を投与した際の安全性および免疫反応を検討し、次相臨床試験につなげるものです。 本ペプチドカクテルワクチンは、ゲノム包括的解析などにより見出された、正常組織にはほとんど発現せず、大腸がんに高頻度に高発現する複...
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理化学研究所、抗がん剤による細胞の形の変化から薬剤の作用を予測する手法を開発
がん細胞の「かたち」で簡単に抗がん剤の作用を予測 −抗がん剤創薬に向けた新しいアプローチ− ◇ポイント◇ ・細胞形態の変化パターンをデータベース化した「モルフォベース」を構築 ・さまざまな薬剤の作用をモルフォベースで分類、形態変化と薬理作用を関連付け ・モルフォベースを活用し新規有用物質の標的分子や既知薬剤の副作用を予測 抗がん剤の作用予測手法開発とテルペンドールE生合成メカニズム解明 http://www.youtube.com/watch?v=yyGXCi5WSfc&feature=player_embedded 理化学研究所(野依良治理事長)は、さまざまな抗がん剤をがん細胞に添加することで起きる細胞形態の変化パターンをデータベース化した「モルフォ...
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京大、DNA/RNAを分離・濃縮する熱泳動の分子構造依存性を解明
DNA/RNAを分離・濃縮する熱泳動の分子構造依存性を解明 −温度勾配で分子を操作、構造変化を検出する新技術へ− 前多裕介 白眉センター特定助教らの研究グループは、高分子溶液中に温度勾配を形成することで起こる熱泳動現象がDNAやRNAの折り畳み構造に応じて分離するメカニズムを明らかにしました。DNAやタンパク質、コロイド粒子などの物質が温度勾配のもとで低温側に一方向に泳動される熱泳動現象が知られています。近年、熱泳動の物理的機構の研究が世界中で活発に行われるとともに、熱泳動を利用した新しい分析技術の開発が進められています。 本研究では、高分子溶液中における熱泳動が添加高分...
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農業生物資源研究所、イネの3大病害から多糖で表面を覆うことによる感染防御を解明
イネの3大病害(いもち病、ゴマ葉枯れ病、紋枯れ病)の感染防御が可能に! −作物自身の免疫力を利用したマルチカビ病害防除技術の開発へ− 【ポイント】 ・農業上深刻な被害を引き起こす病原性カビが、同一の多糖(1)を利用して菌の表面を覆い、植物の生体防御システムから菌体を守っていることを明らかにしました。 ・これらの病原性カビの表面の多糖を分解酵素により除去すると、イネは迅速に生体防御システムを活性化し、これらの病原性カビに対して強い抵抗性を示しました。 ・この多糖分解酵素やその遺伝子、分解酵素生産菌の利用により、従来の技術では防除が困難なカビ病害に対する新たな防除技術の開発が可...
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理化学研究所、抗体を作るB細胞の分化の始まりを分子レベルで解明
抗体を作るB細胞の分化の始まりを分子レベルで解明 −Runx1(ランクス1)転写因子がEbf1遺伝子を活性化してB細胞の分化を促進− ◇ポイント◇ ・マウスのB細胞前駆細胞でRunx1遺伝子を欠損すると脾臓のB細胞が消滅 ・Runx1転写因子はB細胞初期分化に必須なEbf1遺伝子の発現を促す ・Runx1転写因子はEbf1遺伝子のエピジェネティック修飾に関与 理化学研究所(野依良治理事長)は、免疫反応に不可欠なB細胞(※1)が血液幹細胞から分化するとき、Runx1 (ランクス1)という転写因子(※2)が必須であることを発見し、「B細胞分化プログラム」の発動メカニズムを分子...
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東大、細菌における新規酸化ストレス防御機構の発見と解析など研究成果を発表
細菌における新規酸化ストレス防御機構の発見と解析 <発表者> 佐藤由也(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命工学専攻 博士課程2年) 亀谷将文(富山県立大学 生物工学研究センター 研究員、独立行政法人 日本学術振興会特別研究員DC;当時) 伏信進矢(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命工学専攻 准教授) 若木高善(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命工学専攻 教授) 新井博之(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命工学専攻 助教) 石井正治(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命工学専攻 准教授) 五十嵐泰夫(東京大学大学院農学生命科学研究科 ...
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長崎大学とカネボウ化粧品、「紫外線高感受性症候群」の原因となるUVSSA遺伝子を発見
"日やけメカニズム"解明への糸口となる「UVSSA遺伝子」を発見 遺伝学分野で権威ある学術誌「Nature Genetics」オンライン速報版に掲載 長崎大学がん・ゲノム不安定性研究拠点(NRGIC)、長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科附属原爆後障害医療研究施設(中沢 由華 テニュア・トラック助教、佐々木 健作 研究員、光武 範吏 助教、荻 朋男 准教授ら)と、カネボウ化粧品・価値創成研究所による研究グループは、日光を浴びると強い日やけ反応(紅斑)を示す「紫外線高感受性症候群」の原因となるUVSSA遺伝子を発見し、その分子機能解析を行いました。本疾患は強い日やけ以外の症...
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JSTと東大、造血幹細胞の「冬眠」に神経細胞が関与することを発見
造血幹細胞の「冬眠」に神経細胞が関与することを発見 (白血病再発などの原因解明につながる可能性) JST課題達成型基礎研究の一環として、東京大学 医科学研究所の中内 啓光 教授とJST 戦略的創造研究推進事業 ERATO型研究「中内幹細胞制御プロジェクト」の山崎 聡 研究員らは、生体内で血液細胞のもととなる「造血幹細胞注1)」の能力の維持に必要と考えられる「冬眠状態」に、神経細胞の一種であるグリア細胞注2)が重要な役割を果たしていることを初めて明らかにしました。 造血幹細胞は骨髄中に存在し、生涯にわたり分裂により血液細胞を供給してくれる存在です。しかし、細胞には分裂できる...
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シード・プランニング、「ゲノム/遺伝子情報ビジネスの現状と将来展望」を発刊
ゲノム/遺伝子情報ビジネスの現状と将来展望 −製薬・食品、・畜産など産業におけるデータベース利用の動向− [本書のポイント] ●ゲノム、遺伝子、タンパク質などのライフサイエンスデータベースは増加の一途。 現状と課題をわかりやすく整理しました。 ●塩基配列、代謝・パスウェイ、疾患関連データベースリストを収録しました。 特に、製薬、食品、畜産分野のゲノム情報活用の現状がよくわかります。 これらの分野の関係者必読の一冊です。 市場調査・コンサルティング会社の株式会社シード・プランニング(本社:東京都台東区 梅田佳夫社長、以下シード・プランニング)は、このほど、「ゲノム/遺...
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水産総合研究センター、高水温耐性に関連する遺伝子発見などノリのゲノム情報解析が進展
ノリのゲノム情報解析が進展 ・新たに、高水温耐性に関連する遺伝子を発見 ・ノリ品種の識別に役立つ目印を多数確認 ノリは高水温に弱く、平成19年度には高水温により秋の漁期の開始が1ヵ月遅れるなどの問題が発生しており、これらの環境変化に対応したノリ優良品種の作出が求められています。また、ノリ養殖業の主要対象種であるスサビノリは北方系種であるため、高温の影響を受けやすいと考えられますが、高温に対してどのような生理的応答を示すのか明らかではありませんでした。 水産総合研究センターでは、日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社、日本ソフトウェアマネジメント株式会社と共同で、これまでに...
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小野薬品と東大、脂質の網羅的解析による創薬標的の探索に関する共同研究契約を締結
東京大学と脂質の網羅的解析による創薬標的の探索に関する共同研究契約を締結 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁 以下、当社)と国立大学法人 東京大学(東京都文京区、総長:濱田純一)は、脂質の網羅的解析(リピドミクス)による新規創薬標的の探索に関する共同研究契約を締結しましたので、お知らせいたします。 当社と東京大学は、株式会社島津製作所(本社:京都市中京区)と三者で、今年4月1日より東京大学大学院医学系研究科内に社会連携講座「リピドミクス講座」(研究統括:北 芳博 特任准教授)を設置しております。同講座は、ゲノム・プロテオームに続く次の研究...
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東大、生殖細胞ゲノムを守る小分子RNAがつくられるしくみを解明
生殖細胞ゲノムを守る小分子RNAがつくられるしくみ 河岡慎平、泉奈津子、勝間進、泊幸秀(RNA機能研究分野) Molecular Cell,Volume 43,Issue 6,1015−1022,16 Sep 2011 発表概要: 私たちヒトをはじめとする真核生物の遺伝情報は、生殖細胞を通して正確に次世代へと受け継がれます。ところが、真核生物のゲノムには、正確な遺伝情報伝達をかく乱するような、トランスポゾンと呼ばれる利己的因子群が存在します。近年、PIWI−interacting RNA(piRNA)と呼ばれる小さなRNAが、トランスポゾンのはたらきを抑えることで、次世代へ...
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シード・プランニング、世界の治療用ワクチンの開発状況と将来展望を発表
世界の治療用ワクチン開発の現状と将来展望がまとまりました。 ◆治療用ワクチンは、がん領域を中心に感染症や中枢神経系で開発が進んでいる。 ◆多数の開発候補品の臨床試験が進められており、数年内には複数の製品が上市されると予測される。数年内に複数の核酸医薬品が登場すると予測される。 ◆治療用ワクチンは多様な剤形(ワクチンの形態)があり、開発対象としている疾患領域によって大きな違いがある。 市場調査・コンサルティング会社の株式会社シード・プランニング(本社:東京都台東区 梅田佳夫社長、以下シード・プランニング)は、世界における治療用ワクチンの開発状況と将来展望について調査を実施...
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JSTと埼玉医科大学、がん原因遺伝子の働きなしでES細胞の多能性を維持する仕組みを発見
がん原因遺伝子の働きなしでES細胞の多能性を維持する仕組みを発見 (ES細胞やiPS細胞の安全性向上につながる可能性) JST 課題達成型基礎研究の一環として、埼玉医科大学 ゲノム医学研究センターの奥田 晶彦 教授らは、マウスのES細胞注1)(胚性幹細胞)について、多能性を保つために必須だと考えられてきたがん原因遺伝子c−Myc注2)(シーミック)の働きは、培養条件によっては必須ではないことを発見しました。ES細胞はiPS細胞注3)(人工多能性幹細胞)と同様にさまざまな細胞に分化できる能力(多能性)を持っており、その多能性を維持するために働いている因子があるとされています。...
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東大、転写因子「GATA2」が血管内皮細胞の性質維持に重要であることを発見
「転写因子『GATA2』が血管内皮細胞の性質維持に重要であることを発見」 1.発表者: 東京大学先端科学技術研究センター システム生物医学 特任教授 南敬 2.発表概要: この度、東京大学先端科学技術研究センター(東京都目黒区、中野義昭所長))の神吉康晴特任研究員、南敬特任教授らの研究グループ(血管生物学分野・最先端次世代研究開発支援プロジェクト)は、転写因子GATA2が血管内皮細胞においてその性質維持に重要であること、同遺伝子の機能が失われると血管内皮細胞の一部が別の細胞に形質転換を起こすことを明らかにした。[本研究成果はThe EMBO Journal (Natur...
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農業生物資源研究所、イネの遺伝子が「いつ、どこで、どの程度」発現しているかを解明
イネの遺伝子が「いつ、どこで、どの程度」発現しているかを解明し、 それらの情報を公開 −イネ科作物の遺伝子機能解明の加速化に貢献− ポイント イネの様々な器官で田植え以降の各生育ステージで働く遺伝子を解明 得られた遺伝子発現情報をデータベース化して公開 本研究の成果によってイネおよびイネ科作物の遺伝子の機能解明が加速されると期待 概要 1.(独)農業生物資源研究所は、イネにおいて田植え以降に働いている遺伝子の発現1)に関する情報を網羅的に解析し、データベースRiceXPro (Rice eXpression Profile database)として公開しました。 ...
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免疫生物研究所、遺伝子組換えカイコを用いたヒトフィブリノゲンの生産に成功
遺伝子組換えカイコを用いたヒトフィブリノゲンの生産成功について この度、当社及び日本製粉株式会社は、遺伝子組換えカイコを用いたヒトフィブリノゲンの生産に成功いたしました。本研究は、農林水産省の委託プロジェクト研究「動物ゲノムを活用した新市場創出のための技術開発」において、独立行政法人農業生物資源研究所との共同研究として実施したものです。 【概 要】 当社及び日本製粉株式会社は、遺伝子組換えカイコを用いて、血液凝固活性を有する組換えヒトフィブリノゲンを繭に効率的に生産する技術研究開発に成功いたしました。 フィブリノゲンは、血液凝固因子の一つである糖タンパク質です。ヒトフィ...
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オンコセラピー・サイエンス、シンガポールで胃がんに対するワクチンの臨床試験(治験)の患者登録を開始
シンガポールでの胃がんに対するワクチンの臨床試験(治験)の患者登録開始のお知らせ この度、シンガポール政府から経済的補助を受けてシンガポールのNUH(National University Hospital、国立シンガポール大学病院)にて実施する胃がんに対する臨床試験(治験)の全ての準備が整い、患者さんの登録を開始いたしましたので、お知らせいたします。 これは、標準療法が効かなくなった胃がんの患者さんに対し、当社で独自に開発した新規のがん治療用ペプチドカクテルワクチン「OTSGC−A24」を投与した際の安全性及び免疫反応を確認する、新薬としての承認を目的とした薬事法に基づ...
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東北大学、ヒト細胞でのDNA切断の修復に必要な新しいタンパク質群を発見
ヒト細胞でのDNA切断の修復に必要な新しいタンパク質群を発見 −−−新しい癌の原因とその治療法の発見−−− 【概要】 活性酸素や喫煙などでDNAには色々な傷ができますが、その傷が原因で癌や細胞死が起きます。傷の中でもDNAの二本鎖が同時に切れて生じる二重鎖切断は最も深刻な傷で、この傷が修復されないと最も高頻度に癌や細胞死をもたらします。これまでヒト細胞ではKU(クー)と呼ばれる有名なタンパク質が二重鎖切断部位に直接くっつき、切れた二重鎖DNAを再結合する修復を始めると考えられていました。この研究は、世界で初めて、多数の二重鎖切断のみをヒト細胞のDNAの一カ所に作り、そこに集...