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長崎大学とカネボウ化粧品、「紫外線高感受性症候群」の原因となるUVSSA遺伝子を発見

2012-04-06

"日やけメカニズム"解明への糸口となる「UVSSA遺伝子」を発見
遺伝学分野で権威ある学術誌「Nature Genetics」オンライン速報版に掲載



 長崎大学がん・ゲノム不安定性研究拠点(NRGIC)、長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科附属原爆後障害医療研究施設(中沢 由華 テニュア・トラック助教、佐々木 健作 研究員、光武 範吏 助教、荻 朋男 准教授ら)と、カネボウ化粧品・価値創成研究所による研究グループは、日光を浴びると強い日やけ反応(紅斑)を示す「紫外線高感受性症候群」の原因となるUVSSA遺伝子を発見し、その分子機能解析を行いました。本疾患は強い日やけ以外の症状はほとんど見られない極めて軽度な遺伝性光線過敏症ですが、報告以来約30年もの間、その原因となる遺伝子は不明でした。当研究グループは、個人の全ゲノムDNA配列を短時間に解析できる最新技術「次世代シーケンス解析法」を活用し、患者間の全遺伝子配列を比較することで原因遺伝子を突き止めることに成功しました。この遺伝子を詳しく解析することで、健常人の日やけのメカニズムの解明や、さらには日やけしにくい肌へと導く技術の確立への可能性が高まります。
 なお、この発見を記述した論文が、4月1日付「Nature Genetics」※誌オンライン速報版(電子版)に掲載されました。
 "Mutations in UVSSA cause UV−sensitive syndrome and impair RNA polymerase IIo processing in transcription−coupled nucleotide−excision repair" Nakazawa et al. Nature Genetics(2012) DOI:10.1038/ng.2229

※「Nature Genetics」:遺伝学分野では最も権威のある学術誌。ライフサイエンス分野全般において、採用論文が世界の研究者へ与える影響力を表す指標(インパクトファクター)は最高レベルです。


<日やけと皮膚老化>
 紫外線は皮膚にとって最大の環境要因であり、様々なダメージを与えます。顕著なシミ・シワを皮膚症状とする光老化、並びに病的に進行した日光角化症などは、紫外線が皮膚に与える影響の代表例です。これらの症状は、紫外線を浴びた後に皮膚が赤くなるといった急性反応(日やけ)が長い年月の間に繰り返されて、生じることが知られています。一方で、皮膚は紫外線のダメージを受けると、その影響を最小限にとどめるために多様な応答を示します。この過程で多くの遺伝子が関与することが知られていますが、これらの遺伝子がどのようなメカニズムで働くかは十分に解明されておらず、それぞれの遺伝子の役割についても未知な部分が多いのが現状です。高齢化社会を迎え、健康な人にとってのQOL向上が望まれる中、このメカニズムの解明を行い日々のスキンケアを通じて日やけを予防し、将来の皮膚老化リスクを軽減することは重要なテーマの一つであると言えます。
 そこで、長崎大学カネボウ化粧品の研究グループは、紫外線による日やけ反応の鍵となる遺伝子を明らかにするため、紫外線を浴びた後に強い日やけ症状を示す遺伝性疾患「紫外線高感受性症候群」に着目しました。


*以下、リリース詳細は添付の関連資料を参照

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