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サントリーHD子会社など、ビール香味を左右する「ホップ」のゲノム解読に成功

2014-09-06

ビール香味を左右する「ホップ」の
ゲノム解読に世界で初めて成功
―ホップの品質評価やビール香味形成の解明に期待―


 サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社(社長:有代雅人、東京都港区)は、チェコホップ研究所、公益財団法人岩手生物工学研究センター、公益財団法人サントリー生命科学財団、サントリーシステムテクノロジー株式会社と共同で、世界で初めてホップのゲノムの解読に成功しました。


【研究の背景】
 ホップの雌花は毬花(きゅうか)と呼ばれ、ビールの香味を左右する重要な原料としてビール醸造に使用されています。今回、よりおいしいビールづくりに役立てるとともに、ホップの品種改良に有用な情報を取得するためにホップのゲノム解読に取り組みました。


【研究の内容】
 1)日本で栽培されている「信州早生」種の雌株のゲノム解読を行った結果、推定されるホップのゲノム全体25億塩基対の約80%に相当する21億塩基対の解読に成功しました。

 2)この「信州早生」種のゲノム配列を元に、ヨーロッパ栽培品種のSaaz(ザーツ)種と野生ホップ(カラハナソウ)のゲノム配列を解読しました。この3種を比較したところ、異なる遺伝子配列が1,000万箇所以上見つかり、これらが香味や栽培特性の違いの原因となっていると推定されます。

 3)毬花の生長段階別の遺伝子発現解析を行い、ホップの生長過程で香味成分が合成されていくメカニズムを推定することができました。


【今後の期待】
 1)今後、遺伝子の機能解析を進めることで、ビールに重要な香味の形成機構が明らかになり、ホップの品種による香味特性の予測や、新しい栽培技術の開発への応用が可能になります。その結果、これまでになかった新しい香味のビールの開発へつながることが期待されます。

 2)多数の遺伝子の機能解明が大きく進むため、今後、交配による品種改良のスピードが飛躍的に向上することが期待されます。また、新しい香味を持つ品種、病虫害に強い品種など、新たな価値をもったホップ品種改良に大きく貢献することが期待されます。


 サントリーグループでは、ビールのおいしさを科学的に解明する努力を継続しており、ホップに関してもビールの香味に影響を与える成分の探索や解明を進めてきました。また2002年には世界で初めてビール酵母ゲノム解読に成功するなど、先進的な取り組みを行っています。今後もより高い品質のビールづくりにつながる研究活動を続けていきます。


以上



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