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脊椎動物
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アフリカツメガエルの複雑なゲノムを解読: 脊椎動物への進化の原動力「全ゲノム重複」の謎に迫る ■発表のポイント ◆2種類の祖先種が異種交配して「全ゲノムが重複」したとされるアフリカツメガエル。その複雑なゲノムの全構造を明らかにした。これにより、ついに全ての主要モデル生物のゲノム情報が出揃った。 ◆祖先種から受け継いだ2種類のゲノム(サブゲノム)を特定することに成功し、約1800万年前の「全ゲノム重複」の後に、ゲノムがどのように進化したかを初めて明らかにした。 ◆本ゲノム情報は、生命科学の発展に多大な貢献をするだけではなく、約5億年前に脊椎動物が誕生する過程で起きたとされる「...
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森下仁丹、阪大発ベンチャーと抗菌ペプチド配合の創傷被覆材商品化で覚書締結
大阪大学発ベンチャー企業(株)ファンペップの新規素材 抗菌ペプチド「キュアペプチン(R)」を配合した 創傷被覆材の商品化について覚書を締結 森下仁丹株式会社(本社:大阪市中央区/代表取締役社長:駒村純一)は、大阪大学発のベンチャー企業、株式会社ファンペップ(大阪府茨木市/代表取締役社長:平井 昭光)と共に、抗菌ペプチド「キュアペプチン(R)」を配合した創傷被覆材の商品化に関する覚書を締結いたしました。 「キュアペプチン(R)」は、大阪大学における基礎研究を基に見出され、ファンペップが一連の知的財産権を保有している抗菌活性を有する合成ペプチドの新素材です。 褥瘡等の難治性創傷の治療にお...
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筑波大など、「お化け」遺伝子を呼び出す「こっくりさん」タンパク質を発見
「お化け」遺伝子を呼び出す「こっくりさん」タンパク質の発見 〜昆虫のステロイドホルモン生合成に関わる新知見〜 <ポイント> ○キイロショウジョウバエを用いた研究から、ステロイドホルモンであるエクジステロイド(脱皮ホルモン)生合成器官での遺伝子の発現調節に重要な役割を担う新規タンパク質を発見しました。 ○ステロイドホルモン生合成に関わる1つの遺伝子のみの発現調節を担う転写因子の発見は、無脊椎動物で初めての事例です。 ○動物のステロイドホルモン生合成メカニズムとその進化について新知見を与えると共に、昆虫のみに作用する農薬の開発ターゲットとなることが期待されます。 国立大学法人...
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日本最古、中生代初期の脊椎動物の糞化石を発見 −古生代末の大量絶滅の直後、海の生態系が復活した証拠− <発表者> 中島 保寿(ボン大学シュタインマン研究所 博士研究員[元:東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻 大学院生]) 泉 賢太郎(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻 博士課程学生) <発表のポイント> ◆宮城県南三陸町で中生代初期の海の地層からさまざまな大きさの脊椎動物の糞化石を発見し、さらにこの中から骨を検出し、当時は脊椎動物を捕食する動物が存在したことを証明した。 ◆中生代初期の海の捕食行動の記録としては日本で初めての発見で、古生代末の大量絶滅で失わ...
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ノエビアグループ、東大などとシルクワーム(カイコ)による動物実験代替法を開発
〜シルクワーム(カイコ)による動物実験代替法を開発〜 ノエビアグループは、無脊椎動物であるシルクワーム(カイコ)により、化学物質や 製品等の毒性評価が可能であることを見出しました。 日本動物実験代替法学会 第26回大会」(京都)にて発表 ノエビアグループは、東京大学大学院薬学系研究科(関水和久 教授)と株式会社ゲノム創薬研究所との共同研究において、シルクワーム(カイコ)(※1)を用いた動物実験代替法の開発を行っております。 このたび、従来行われてきた、げっ歯類を用いた急性経口毒性試験の代替法として、無脊椎動物であるシルクワームを用いた試験法を開発し、化学物質や製品の毒性評価が...
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ゴカイが持つ無限の再生能力の仕組みを解明 ―体節からの増殖シグナルが新たな体節形成を誘導、強力な再生能力を裏付け― <ポイント> ・釣り餌で用いられるゴカイは切断された胴部の後端から新たな体節を再生 ・胴部と尾部の境界で増殖する細胞が1列ごとに付加、5列で体節の原型が完成 ・両生類胚の発生過程で発見された相同形質誘導をゴカイの再生場面でも発見 <要旨> 理化学研究所(野依良治理事長)は、環形動物[1]ゴカイの体節[2]形成を詳細に観察し、新たな体節は隣の体節からのタンパク質が増殖のシグナルとなって作られることを発見しました。成体になった後でも既存の体節を鋳型にして新たな体節...
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理化学研究所とJST、動物の体作りに重要なレチノイン酸濃度の可視化に成功
動物の体作りに重要なレチノイン酸の可視化に成功 −脊椎動物の胚でレチノイン酸が直線的な濃度勾配を形成− <ポイント> ・レチノイン酸濃度をモニターする蛍光指示薬「GEPRA」を開発 ・魚の胚の真ん中から頭と尾に向かうほどレチノイン酸の濃度が直線的に減少 ・皮膚病やがんの治療で投与されるレチノイン酸の分布を観測する技術へ発展 <要旨> 理化学研究所(野依良治理事長)は、ゼブラフィッシュの胚を用いて、ビタミンA誘導体であるレチノイン酸を可視化する技術を開発し、その濃度勾配が動物の体を形作るのに重要な役割を担うことを明らかにしました。これは、理研脳科学総合研究センター(利根川進センター...
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ヌタウナギの発生から脊椎動物の進化の一端が明らかに −ヌタウナギの下垂体、口、鼻の起源を解明− ◇ポイント◇ ・深海にすむ原始的な脊椎動物ヌタウナギの発生過程を初めて詳細に観察 ・ヌタウナギの下垂体が外胚葉起源であることを確認、従来の定説を覆す ・円口類独自の発生パターンを発見、全脊椎動物の起源となることを示唆 理化学研究所(野依良治理事長)は、深海にすむ原始的な脊椎動物ヌタウナギ(※1)の頭部の発生過程を詳細に観察し、各種ホルモンを分泌する下垂体が外胚葉(※2)起源であることを確認しました。また、円口類に独自の発生過程があることも発見しました。これは、理研発生・再生科学...
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植物の新たなウイルス迎撃機構を解明 −ウイルス病全般に抵抗性を持つ作物を育種するための重要な手がかりに− <研究成果のポイント> ・多くのウイルスが共通に持つ病原タンパクに対する迎撃機構を,タバコを実験材料として発見。 ・タンパク分解系オートファジーとRNA分解系RNAiが連携してウイルスに対抗する仕組みを解明。 ・今回発見された,植物が本来持っているウイルス迎撃機構を利用して,もともと農薬が直接効かないウイルスによる農作物の病害をなくす普遍的な方法の開発に期待。 <研究成果の概要> 植物ではRNAサイレンシング(RNAi(*1)と呼ばれるRNA分解機構がウイルスから身を守...
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脳・脊髄形成に必要な神経板湾曲の仕組みを解明 −カドヘリン関連因子「Celsr1」の働きが神経管形成に重要− ◇ポイント◇ ・神経板が湾曲するとき細胞間接着面のアクトミオシンが一定方向に収縮 ・アクトミオシンの収縮は、収斂(れん)伸長を引き起こす ・神経管形成の仕組みを総合的に理解、さらなる形態形成の原理解明へ 理化学研究所(野依良治理事長)は、カドヘリン(※1)分子群に属する「Celsr1(セルサー1)(※1)」が、脳・脊髄の基となる神経管形成のために必要な神経板(※2)湾曲において中心的な役割を担うことを突き止め、神経板を一定方向に収縮させる仕組みを明らかにしました。...
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「生殖細胞の性別を決める遺伝子の発見」 自然科学研究機構 岡崎統合バイオサイエンスセンター(岡崎統合バイオ)・基礎生物学研究所の橋山一哉研究員、林良樹助教および小林悟教授は、ショウジョウバエを用いた研究により、生殖細胞のメス化の鍵を握る遺伝子を発見しました。この成果は、米国科学雑誌「Science」の電子版にて7月8日(金)に発表されます。 「研究の背景及び概要」 生物を構成する細胞は、個体を作る体細胞と、次世代に命をつなぐ生殖細胞に大きく分けられます。多くの動物において、体細胞にオスとメスの区別があるように、生殖細胞にも性の区別があります。たとえば、オスの生殖細胞は精子...
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理化学研究所、背骨を持たない脊椎動物「ヌタウナギ」に背骨の痕跡を発見
背骨を持たない脊椎動物「ヌタウナギ」に背骨の痕跡を発見 −脊椎骨の形成メカニズムの進化について新しい仮説を提唱− 本研究成果のポイント ○複数の異なる発生段階のヌタウナギ胚を用いて遺伝子レベルで初解析 ○ヌタウナギ類の背骨を作り出す発生学的仕組みは基本的にヒトと同じ ○背骨の進化過程に関して、動物学の教科書を覆す新しい仮説を提唱 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、「背骨を持たない脊椎動物」として動物学の教科書の中で紹介されてきたヌタウナギ類から背骨の痕跡を発見し、これまで語られてきた「背骨の進化過程」を覆す新しい仮説を導き出しました。これは理研発生・再生科学総...
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随意行動を準備する脳内神経活動をザリガニで発見 <研究成果のポイント> ・随意行動開始を数秒前に予告する活動(準備活動)を示す脳内神経細胞をアメリカザリガニで発見。 ・単一の準備活動細胞からシナプス活動の記録に世界ではじめて成功。 ・準備活動が細胞自身ではなく神経ネットワークから自発的に生じる可能性を示した。 <研究成果の概要> 動物はどのように自分の「意志」に従って行動を開始するのでしょうか? そもそもヒト以外の動物に「意志」はあるのでしょうか? 神経科学の研究でこの問題解決の鍵と考えられている現象が,それぞれの動物の脳内にある特定部位で起こる準備活動と呼ばれる神経活...
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大阪大学と生理学研究所、無脊椎動物“ホヤ”の赤ちゃんが魚と違った仕組みで泳げることを発見
”ホヤ”の赤ちゃんはサカナと違った仕組みで上手に”泳ぐ” 筋肉を動かす仕組みの「進化」の歴史を考える上で重要な発見 <内容> 大阪大学の西野敦雄助教(理学部)と岡村康司教授(医学部)の研究チームは、自然科学研究機構・生理学研究所における共同研究の結果、無脊椎動物“ホヤ”の赤ちゃんが、運動神経細胞が10個程度、筋細胞が36個しかない体で、魚とは異なる仕組みで魚やカエルのオタマジャクシと同じように上手に泳ぐことを発見しました。生物が地球上に誕生して以来の長い歴史の中で、人がたくさんの筋肉を協調させて動かせるように「進化」した成り立ちを考える上で重要な発見であり、米国科学アカデミー...