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生殖細胞

  • 九大、生殖細胞形成におけるDNAメチル化の変化とその調節因子を解明

    生殖細胞形成におけるDNAメチル化の変化とその調節因子を解明 −不妊の原因解明、治療法開発への応用に期待−  私たちの体は精子と卵子が融合してできる一つの受精卵に由来します。この精子や卵子の元となる生殖細胞が形成される過程では、遺伝子の働きを調節するDNAメチル化という化学修飾(細胞が備え持つ修飾の一つ)が大きく変化します。誕生したばかりの生殖細胞は体の中にごく僅かしか存在しないため、その詳細な研究はこれまで困難でした。2011年、京都大学大学院医学研究科の斎藤通紀教授、林克彦准教授(現九州大学医学研究院教授)らが様々な細胞に分化する能力を持つマウス多能性幹細胞から、培養皿の中で生殖...

  • 東北大、体細胞を生殖細胞に近づける手法を開発

    体細胞を生殖細胞に近づける手法の開発 <概要>  東北大学加齢医学研究所 医用細胞資源センターの松居靖久(まついやすひさ)教授と、東北大学大学院生の関中保(せきなかたもつ)らの研究グループは、新たな細胞培養手法を開発し、マウス体細胞を生殖細胞に近づけることに成功しました。生殖細胞は精子と卵子に分化し、受精により次の世代の個体を作り出すことのできる唯一の細胞です。もし皮膚の細胞など、体を作っている普通の細胞から生殖細胞を作り出すことができれば、将来的に産業動物の育種や絶滅危惧動物の増殖、さらに究極的にはヒトの生殖医療へと繋がる可能性があります。  この研究は、慶應義塾大学との共同...

  • 京大など、1つの幹細胞からできる精子の数は周期的に変動することを発見

    1つの幹細胞からできる精子の数は周期的に変動することを発見  JST戦略的創造研究推進事業において、京都大学 大学院医学研究科の篠原 美都 助教らのグループは、精巣の幹細胞 注1)が精子を作る活性には周期があること、幹細胞によっては分化の過程で精子になるものとならないものがあることを発見しました。精子形成の効率は、遺伝病の伝達や種の進化・保存を左右する重要な因子であるため、本研究成果は、医学・畜産学にも影響する画期的なものです。  精子形成の源である精子幹細胞は、一生にわたって分裂し、毎日膨大な数の精子を作り続けます。幹細胞は精巣に多数あり、精子は複数の幹細胞から産生されますが、...

  • 東北大、遺伝性不妊の宿主に感染細菌が卵を復活させる仕組みを解明

    遺伝性不妊の宿主に感染細菌が卵を復活させる仕組みを解明 ―ショウジョウバエでの研究成果―  約半数の昆虫に感染しているとされるボルバキア(*1)という共生細菌は、感染している母虫の卵に入り込んで、宿主の次世代へと伝わっていきます。雄の宿主からは伝搬しません。そのためボルバキア菌は、感染した雌が繁殖上有利になるよう、様々な戦略で宿主を操作します。たとえば、宿主の雄をことごとく雌に性転換させる、雄を全て殺す、雌の単為生殖を可能にする、非感染雌との交尾では受精が起こらない(*2)ようにする、など実に多彩です。しかし、なぜボルバキア菌にこんな宿主操作ができるのか、従来全く不明でした。 ...

  • JSTと京大など、さまざまな組織切片の染色体テロメアの長さを3時間で検出できる方法を開発

    さまざまな組織切片の染色体テロメアの長さを3時間で検出できる方法を開発 ■ポイント  ○染色体テロメア配列を認識するピロール・イミダゾール(PI)ポリアミドを用いて、ヒトのがん病理標本におけるテロメア短縮を簡便かつ迅速に検出することに成功した。  ○PIポリアミドを用いると1細胞レベルでテロメア長を定量的に測定でき、免疫染色との併用も可能。  ○従来のテロメア標識法に代わる新たな標識法として、基礎研究のみならず老化やがん化などの臨床研究への応用も期待される。  国立遺伝学研究所の前島 一博 教授、佐々木 飛鳥 大学院生らのグループは、細胞老化・がん化に重要な役割を担うテロメア配列を組...

  • 九大、動物の行動が性的成熟期に変化する仕組みを解明

    動物の行動が性的成熟期に変化する仕組みを解明  九州大学大学院理学研究院の藤原学助教、石原健教授らの研究グループは、神経系のモデル生物である線虫を用いて動物の行動が性的成熟期に変化する仕組みを明らかにしました。  多くの動物は成長段階に応じて行動パターンを変化させることが知られていますが、そのような行動変化の制御機構はほとんど分かっていません。研究グループは今回、こどもの線虫と大人になった線虫では匂いの好みに違いがあることを明らかにしました。線虫は卵からふ化後、大人になるまでの間に生殖細胞が増殖して性的な成熟が起こります。生殖細胞の増殖を人為的に止めて生殖細胞を持たない大人の...

  • 東大、ゲノム解読で単細胞が多細胞へと進化する鍵となる遺伝子群を解明

    ゲノム解読で初めて明らかになった多細胞生物のはじまり −ヒトではがんを抑制する「多細胞化の原因遺伝子」− 1.発表者:  野崎久義(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 准教授)  豊岡博子(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 特任研究員)  豊田敦(国立遺伝学研究所 特任准教授)  藤山秋佐夫(国立遺伝学研究所 教授)  Bradley J.S.C.Olson(カンザス州立大学 助教) 2.発表のポイント:  ◆原始的な多細胞生物であるゴニウム(図1、2)の全ゲノム配列を解読し、単細胞が多細胞へと進化する鍵となる遺伝子群を初めて明らかにしました。  ◆ヒトではがんを抑制している遺伝子が、単細胞が多...

  • 産総研、ゲノム編集でニワトリを品種改良

    ゲノム編集でニワトリを品種改良 −低アレルゲン性卵の生産へ道筋− ■ポイント  ・クリスパー・キャス9法によるゲノム編集技術をニワトリに初めて適用  ・アレルゲンであるオボムコイドの遺伝子を欠失したニワトリの作製に成功  ・強力なアレルゲンを含まない鶏卵の生産など新たな畜産技術開発に期待 ■概要  国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)バイオメディカル研究部門【研究部門長 近江谷 克裕】細胞分子機能研究グループ付 大石 勲 総括主幹は、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構【理事長 井邊 時雄】畜産研究部門 田上 貴寛 上級研究...

  • 東大、生殖細胞での遺伝子組換えのメカニズムの一端を解明

    生殖細胞での遺伝子組換えのメカニズムの一端を解明 1.発表者:作野 剛士(東京大学分子細胞生物学研究所 講師)        渡邊 嘉典(東京大学分子細胞生物学研究所 教授) 2.発表のポイント:  ◆生殖細胞において父方と母方由来の染色体(注1)のDNAが組み換わる“組換え反応”がどのように開始するか不明な点が残されています。  ◆分裂酵母(注2)を用いて、染色体の接着因子コヒーシン(注3)が組換え反応を促進する分子機構を明らかにしました。  ◆組換え反応は精子や卵子の形成に必須であることから、本成果は将来的に生殖医療の発展に寄与することが期待されます。 3.発表概要:  私たちヒト...

  • 北大と愛媛大など、生殖細胞の数で性が変わる仕組みを発見

    生殖細胞の数で性が変わる仕組みの発見 〜生殖細胞がないと雄〜 <研究成果のポイント>  ・異なる数の初期生殖細胞をもつゼブラフィッシュを作り,一定数以上の生殖細胞がなければ雌になれないことを示した。  ・卵巣分化の指標となる生殖細胞の増殖と減数分裂への移行は生殖細胞の数により決まることを示した。 <研究成果の概要>  魚類での雌と雄の決まり方は種ごとに非常に多様であることが知られています。今回の研究は,北海道大学,愛媛大学,及びシンガポールのテマセク生命科学研究所の共同で,魚類の性分化における始原生殖細胞(卵や精子のもととなる細胞)の役割を調べました。通常は30−40個であるゼブ...

  • 理化学研究所、マウス生殖細胞から特徴的なエピゲノム領域を発見

    マウス生殖細胞から特徴的なエピゲノム領域を発見 −従来不可能だった100個程度の細胞からのゲノム修飾解析技術を開発− <ポイント>  ・超微量解析技術により生殖細胞に特有な低メチル化DNA領域を発見  ・生殖細胞に特有な遺伝子発現とエピゲノム関連の解析に有用なリソースを特定  ・細胞分化や発がんに関するエピゲノム研究を促進 <要旨>  理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、従来では不可能だった100個程度の細胞からのDNAメチル化[1]解析を可能とする技術を開発しました。この技術を用いてマウス胎児などから得られる少数の細胞を解析したところ、生殖細胞特有な遺伝子の発現に関わる低メチル化DNA...

  • 東北大、多能性幹細胞を生殖細胞にスイッチする分子機構を発見

    多能性幹細胞を生殖細胞にスイッチする分子機構  本研究結果は、4月23日付でNature Communications誌電子版に掲載されます。 【研究成果の概要】  生殖細胞は、胚発生の初期段階の決まった時期に多能性幹細胞から分化し、その後、精子や卵子に成熟していきます。生殖細胞と多能性幹細胞は、分化多能性の維持の鍵となるいくつかの遺伝子が共通して発現しており類似した性質を持つと考えられますが、多能性幹細胞が自発的に生殖細胞に変化することはありません。また多能性幹細胞は様々な細胞に直接に分化を開始できるのに対して、生殖細胞は精子と卵子にのみ分化することができ、両者の分化能力には明らかな違いがあります。...

  • 慶大、マッキューン・オルブライト症候群の新しい遺伝子診断法を開発

    マッキューン・オルブライト症候群の新しい遺伝子診断法を開発 ― 従来法と比較して遺伝子変異検出感度100倍・血液からの超高感度診断が可能に ―  マッキューン・オルブライト症候群は、骨病変(線維性骨異形成;病的な骨折や頭蓋骨の変形を起こす)、皮膚病変(カフェオレ斑と呼ばれる褐色の色素沈着)、内分泌病変(0〜10歳で乳房発達・性器出血が起こる思春期早発症など)を主要症状とするまれな症候群です。根本的治療のない難治性疾患であり、厚生労働省の小児慢性特定疾患治療研究事業(注1)の対象疾患に指定されています。これまで行われてきたマッキューン・オルブライト症候群の遺伝子診断法は、遺伝子...

  • 東北大、Larp7が機能しなくなると生殖細胞の増殖が停止することを発見

    生殖細胞の増殖を保証する転写制御機構  胎仔(たいじ)に存在する未分化な生殖細胞は活発に増殖しますが、私たちは転写制御因子であるLarp7が機能しなくなると、細胞周期の進行を阻害する遺伝子の発現が誘導され、その増殖が停止することを発見しました。この結果は、この遺伝子の異常が生殖細胞の形成不全に原因のある不妊症や、始原生殖細胞の増殖異常により引き起こされる一部の小児腫瘍の原因となっている可能性を示唆しています。本研究結果は、11月15日付でGenes&Development誌電子版に掲載されます。 【研究成果の概要】  胎仔に存在する始原生殖細胞は、精子や卵子の元となる未分化な...

  • 東大、生殖細胞ゲノムを守る小分子RNAがつくられるしくみを解明

    生殖細胞ゲノムを守る小分子RNAがつくられるしくみ 河岡慎平、泉奈津子、勝間進、泊幸秀(RNA機能研究分野) Molecular Cell,Volume 43,Issue 6,1015−1022,16 Sep 2011 発表概要:  私たちヒトをはじめとする真核生物の遺伝情報は、生殖細胞を通して正確に次世代へと受け継がれます。ところが、真核生物のゲノムには、正確な遺伝情報伝達をかく乱するような、トランスポゾンと呼ばれる利己的因子群が存在します。近年、PIWI−interacting RNA(piRNA)と呼ばれる小さなRNAが、トランスポゾンのはたらきを抑えることで、次世代へ...

  • 横浜市立大学など、体外移植培養法を開発しマウス精子幹細胞から精子の産生に成功

    横浜市立大学先端医科学研究センター及び附属病院 小川准教授らの研究グループが、 体外移植培養法を開発し、マウス精子幹細胞から精子の産生に成功!!! 〜本研究成果は、『Nature Communications』オンライン版(米国東海岸時間9月13日11時付:日本時間9月14日午前0時付)に掲載〜  横浜市立大学先端医科学研究センター及び附属病院 小川毅彦准教授(泌尿器病態学・窪田吉信教授)らの研究グループは、今年3月に培養条件下でマウスの精子幹細胞から精子産生できる技術開発を発表しました。今回はその方法を発展させた体外移植培養法を開発しました。この技術は単離された精子幹細胞や...

  • 基礎生物学研究所、生殖細胞の性別を決める遺伝子を発見

    「生殖細胞の性別を決める遺伝子の発見」  自然科学研究機構 岡崎統合バイオサイエンスセンター(岡崎統合バイオ)・基礎生物学研究所の橋山一哉研究員、林良樹助教および小林悟教授は、ショウジョウバエを用いた研究により、生殖細胞のメス化の鍵を握る遺伝子を発見しました。この成果は、米国科学雑誌「Science」の電子版にて7月8日(金)に発表されます。 「研究の背景及び概要」  生物を構成する細胞は、個体を作る体細胞と、次世代に命をつなぐ生殖細胞に大きく分けられます。多くの動物において、体細胞にオスとメスの区別があるように、生殖細胞にも性の区別があります。たとえば、オスの生殖細胞は精子...