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CHEMISTRY
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自然界に豊富に存在する糖類の直接的な連結法の開発 〜医薬分子の合成に変革をもたらす新戦略〜 1.発表者: 枡田健吾(東京大学大学院薬学系研究科薬科学専攻 博士課程修了生) 長友優典(東京大学大学院薬学系研究科薬科学専攻 助教) 井上将行(東京大学大学院薬学系研究科薬科学専攻 教授) 2.発表のポイント: ◆グルコース(ブドウ糖)などの糖類は、自然界に豊富に存在し、容易に入手できる。本研究では、糖類の分子間ラジカル−ラジカル連結反応により、生物活性を持つ天然物などの複雑な構造を、直接的に合成する方法を開発した。 ◆本研究成果により、今まで必要だった段階的な合成反応を経ずに、糖...
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水中・室温・無触媒で起こるアミド化反応 −ペプチドの合成や選択的修飾に新しい手法を提供− ■要旨 理化学研究所(理研)田中生体機能合成化学研究室の田中克典准主任研究員、ケンワード・ヴォン特別研究員らの共同研究チーム(※)は、プロパルギルオキシ基[1]を持つ電気的中性のエステル(プロパギルエステル[1])と疎水性の1級アミン(RNH2)[2]を混ぜ合わせると、水中または有機溶媒中で、触媒を用いずに室温で「アミド結合(−NHCO−)」が形成されることを発見しました。 ペプチドやタンパク質を構成するアミノ酸をつないでいるアミド結合は、薬剤や高分子などのさまざまな有機分子に欠かせない基本的な...
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早大と大阪府立大、分子由来の光応答を1億倍以上に増強する原理を解明
2ステップで作製可能な「複合ナノ構造」で分子由来の光応答が1億倍以上に増強 規則正しく並んだ昆虫の複眼と稲妻が集まる避雷針の自然現象がヒントに 早稲田大学理工学術院井村考平(いむらこうへい)教授(先進理工学部)、大阪府立大学大学院理学系研究科飯田琢也(いいだたくや)准教授らの研究チームは、3個セットの金ナノ粒子と、昆虫の複眼のように規則正しく並んだマイクロ粒子の「複合ナノ構造体」を2ステップで簡単に作製できる技術を構築し、分子由来の光応答を1億倍以上に増強する原理を解明しました。 私たちの身の回りにある金や銀は、金色や銀色をしていますが、これを小さくしていくと赤色、青色と...
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東京工科大、がんを簡単に調べられる新しいメチル化DNAの測定法を開発
がんを簡単に調べられる新しいメチル化DNAの測定法を開発 東京工科大学(東京都八王子市片倉町、学長:軽部征夫)応用生物学部の吉田亘助教、軽部征夫教授らの研究グループ(※1)は、がんなどのバイオマーカーとして期待されるメチル化DNAを簡便に測定できる方法の開発に成功した(※2)。 本研究成果は、2016年6月28日に科学誌「Analytical Chemistry」オンライン版に掲載された(※3)。 【背景】 ヒトゲノム中の塩基シトシン(※4)のメチル化は、遺伝子の発現を制御する「遺伝子スイッチ」としての働きを持っており、がん細胞ではこの遺伝子スイッチが異常になっていることが確認されている。このスイッチの異...
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九大、高活性と高化学選択性を兼ね備えたエステル合成用鉄触媒を開発
世界初!高活性かつ高化学選択性を兼ね備えたエステル合成用鉄触媒の開発に成功 九州大学大学院薬学研究院の大嶋孝志教授らの研究グループは、従来の触媒では達成困難であったエステル合成を可能とする高活性鉄触媒の開発に成功しました。 エステルは医薬品などの様々な機能成分子が含まれるためその合成法の研究が盛んに行われてきました。近年ではグリーンケミストリーの観点から「触媒」を用いたエステル合成法が多く研究されています。しかし用いることのできる原料に制限があり、特に立体障害の大きなエステルの触媒的合成法の開発が強く望まれていました。今回本研究グループでは、これまで困難であった原料を用い...
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東大、1万通りの異なる生化学反応条件を一度にテストできる手法を開発
1万個の小さな試験管一つ一つで生体分子反応を見てみると −試行錯誤から全数検査へ− 1.発表者: ロンドレーズ ヤニック(フランス国立科学研究センター 研究員) 藤井 輝夫(東京大学生産技術研究所 教授) 2.発表のポイント: ◆マイクロ流体デバイス(注1)技術を応用して、生体分子反応系において一度に1万通りの生化学反応を行い、最適条件を見いだすことができる新手法を開発しました。 ◆従来、生体分子反応系を最適化し、診断などに利用できるようにするには、何ヶ月、あるいは何年にも渡る試行錯誤が必要でしたが、本手法によって数日間に短縮できるようになります。 ◆今後、本研究を発展さ...
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日本製粉と農研機構、従来よりも柔らかく購入後も硬くなりにくい小麦のでんぷん特性を解明
従来よりも柔らかく購入後も硬くなりにくい パン作りが可能に <ポイント> ・通常の小麦から作られたパンよりも柔らかく、かつ、3日経っても硬くなりにくいパンを、シンプルな資材のみを使用して作れる小麦のでんぷんの特性を解明しました。 ■概要 1.日本製粉株式会社(代表取締役社長:小寺春樹 本社:東京都渋谷区)と農研機構は、でんぷんを構成する成分「アミロース」(1)と「アミロペクチン」(1)の比率や構造が通常と異なる小麦の研究を共同で行いました。その結果、アミロースの割合が低くアミロペクチンの構造が単純なでんぷんを持つ小麦から通常のパンより柔らかく、かつ、時間がたっても硬くなりに...
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21世紀をリードする未来創造研究センターを整備 −先端材料によるコトづくりで人の暮らしを豊かにするR&Dを強化− 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)は、この度、創業の地である滋賀事業場に新たな研究拠点として、「未来創造研究センター」を整備します。当社グローバル研究のヘッドクォーターとして、未来社会に必要な機能や仕組を探究し、材料の強みを活かしたコトづくりの実現を目指す未来創造型研究・技術開発を推進・強化していきます。 「未来創造研究センター」は、未来創造型研究の中枢としてアイデア創出機能を設ける「融合研究棟」と、そのアイデアに基づいた開発品の試...
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京大など、薄膜化により多孔性金属錯体に隠されたゲート開閉機構を発見
「小さくなると、閉じたゲートが開閉する」多孔性材料: −薄膜化により多孔性金属錯体に隠されたゲート開閉機構を発見− <概要> 国立大学法人京都大学(山極壽一総長)、公益財団法人高輝度光科学研究センター(以下「JASRI」、土肥義治理事長)、国立研究開発法人物質・材料研究機構(以下「NIMS」橋本和仁理事長)、国立研究開発法人理化学研究所(以下「RIKEN」松本紘理事長)の研究グループは、ナノメートルサイズの薄膜化により分子の吸着機能を発現する多孔性材料を発見しました。これは、京都大学の北川宏教授、大坪主弥助教、坂井田俊大学院生、NIMSの坂田修身高輝度放射光ステーション長、RIKENの高田昌樹グループディ...
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九大、混ざらない金属元素同士がナノ粒子化により均質に混じり合う謎を解明
混ざらない金属元素同士がナノ粒子化により均質に混じり合う謎を解明 −新しい機能物質創製への展開に期待− ●概要 九州大学稲盛フロンティア研究センターの古山通久教授、石元孝佳特任助教らの研究グループは、通常は混ざらない金属元素同士がナノ粒子化によって均質に混じり合うようになるしくみを理論的に解明することに成功しました。この研究成果は、混ざらない元素を混ぜることで新たな物質機能を創製しようとする元素間融合アプローチの基礎となる科学的新規性の発見に加え、燃料電池電極触媒や排ガス浄化触媒用の新物質創製のための実用的なアプローチとして今後の展開が期待されます。 本研究成果は、2016...
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東北大、一酸化窒素(NO)のマーカーである硝酸センサー「スヌーピー」法を開発
根粒菌タンパク質を創薬に応用 ―農学と生命科学が融合して生まれた硝酸センサー「スヌーピー」― 【概要】 東北大学大学院農学系研究科分子酵素学分野の内田隆史教授、日高將文助教、後藤愛那院生らは、これまで不可能であった動物細胞内の一酸化窒素(NO)のマーカーである硝酸・亜硝酸イオンをイメージングできる「スヌーピー(sNOOOpy)(*1)」法を開発しました。豆と共生している根粒菌のシステムを利用した方法なので、漫画「ピーナッツ(豆)」から生まれたビーグル犬キャラクターにちなんでスヌーピー法と命名されました。 血管を拡張させる働きのあるNOは、心臓発作などの循環器疾患、ED、糖尿病、脳疾患など多く...
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京大など、「活性水素」を利用した新しい酸窒化物の合成法を開発
“活性水素”を利用した新しい酸窒化物の合成法の開発 竹入史隆 京都大学大学院工学研究科博士後期課程学生、矢島健 同特定助教(現、東京大学助教)、小林洋治 同講師、陰山洋 同教授らは、マイナス電荷をもつ水素イオン(ヒドリド)の高い活性を利用した酸窒化物の新しい合成法の開発に成功しました。本研究成果は、英国科学誌「ネイチャーケミストリー(Nature Chemistry)」誌(ロンドン時間10月19日電子版)で公開されました。 <概要> 現在、陶器、電子部品など身の回りでつかわれているセラミックス材料は、酸素イオン(O2-)からなる酸化物です。近年、酸素イオンと窒素イオン(N3-)の両方を含む酸窒化物(...
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JST、置換困難な位置に選択的に官能基を導入する触媒反応を開発
置換困難な位置に選択的に官能基を導入する触媒反応を開発 〜医薬品や機能性材料の効率的な合成に期待〜 ■ポイント ・医薬品や機能性材料を効率的に合成するためには、芳香環の特定の位置に官能基を導入する反応が必要である。 ・芳香環の置換困難な特定の位置へ選択的に官能基を導入する新たな触媒反応を開発した。 ・新たな医薬品や機能性材料の開発や、より効率的な合成に寄与することが期待される。 JST戦略的創造研究推進事業において、ERATO金井触媒分子生命プロジェクトの触媒グループの東京大学 大学院薬学系研究科 國信 洋一郎 グループリーダー(准教授相当)、金井 求 研究総括らは、これまで置換困...
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東レ・ダウコーニング、W/O型処方用の乳化剤・粉体分散を発売
高い粉体分散機能と幅広油剤への対応力を持つ新規W/O処方用乳化剤・粉体分散を発売 東レ・ダウコーニング株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役会長・CEO:桜井恵理子)は、W/O(*)型処方(油中水型:Water in Oil)用の新規乳化剤・粉体分散剤Dow Corning(R)ES−5600 Silicone Glycerol Emulsifier(以下、ES−5600)を発売します。ES−5600は、微粒子粉体や顔料の分散剤として高い機能を持つため、リキッドファンデーションの均一な色の発色を実現し、サンスクリーンの紫外線防御性向上に貢献します。またシリコーン油から有機油まで、幅広いオイルの種類と混合比で安定的なエマルションを作る高い乳化機能も持ち...
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森永製菓独自素材"パセノール(TM)"に関する研究成果 「アンチエイジング機能を有する有効成分ピセアタンノールの体内吸収性がレスベラトロールよりも優れていることが国際学術誌「Journal of Agricultural and Food Chemistry」に掲載」 森永製菓株式会社(東京都港区芝、代表取締役社長・新井徹)では、健康分野における機能性素材の開発を推進してまいりました。その中でパッションフルーツの種子中にアンチエイジング機能を有する"ピセアタンノール(Piceatannol)"(※1)が豊富に存在していることを発見し、森永製菓独自の健康素材「パセノール(TM)(アルファベット表記:Passienol(TM))」を開発しました。 「パセノール...
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東大と東工大と上智大、二酸化チタンの光触媒活性を決める因子を発見
二酸化チタンの光触媒活性を決める因子を発見 −高効率光触媒開発に新たな指針− 【要点】 ○二酸化チタン結晶表面での光励起キャリアのダイナミクスをリアルタイムで観測することに成功し,光触媒活性を決める因子を発見。 ○未解明であったアナターゼ型とルチル型二酸化チタンの触媒活性の違いが,光励起キャリアの結晶表面に固有な寿命に起因することを証明。 ○光触媒活性を簡便に制御する方法を提案。 【概要】 東京大学物性研究所の松田巌准教授と山本達助教,東京工業大学大学院理工学研究科の小澤健一助教,上智大学理工学部の坂間弘教授らの研究グループは,光触媒(注1)である二酸化チタン(TiO2(*))...
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糖鎖遺伝子「GnT−IX」が脳だけに発現する新たな仕組みを解明 −ヒストンを修飾する特定の酵素が遺伝子発現の鍵− <ポイント> ・GnT−IX遺伝子の発現を決めるヒストン修飾酵素を同定 ・修飾酵素によってヒストンが修飾を受けると特定の転写因子を呼び込む ・不明だった臓器特有の糖鎖が存在する仕組みの解明に手がかり <要旨> 理化学研究所(野依良治理事長)は、マウスの細胞を使い、糖鎖遺伝子[1]「GnT−IX」が、脳に特異的に発現する新たな仕組みを解明しました。これは、理研グローバルクラスタ システム糖鎖生物学研究グループ(谷口直之グループディレクター)疾患糖鎖研究チームの木塚康彦基礎科学特別研究...
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足りない糖鎖を補う仕組みを解明 −糖転移酵素Fut8欠損がGnT−IIIのmRNA量を増加させる− <ポイント> ・Fut8が欠損するとバイセクティングGlcNAcを含む糖鎖が増加 ・バイセクティングGlcNAcを付加する糖転移酵素GnT−IIIの活性が8倍に ・GnT−IIIの発現はWnt/β−カテニンシグナルを通じて調節される <要旨> 理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、糖鎖を作る糖転移酵素[1]「Fut8[2]」を欠損させた細胞では、別の糖転移酵素を発現し、活性化させることで糖鎖を補う仕組みが働くことを発見しました。これは、理研グローバル研究クラスタ(玉尾皓平クラスタ長)理研−マックスプランク連携研究センターシステム糖鎖生...
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産総研など、微粒子を密度差により簡便に分別できるデバイスを開発
微粒子を密度差により簡便に分別できるデバイスを開発 −デバイス内のマイクロ流路に流すだけで迅速に分別− <ポイント> ・単純な流路構成のデバイスでありながら微粒子を分別 ・対象微粒子への刺激が少なく簡便に分別することが可能 ・高品質卵子や体外受精卵などの細胞の分離・分別への貢献に期待 <概要> 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)生産計測技術研究センター【研究センター長 坂本 満】生化学分析ソリューションチーム 宮崎 真佐也 研究チーム長と杉山 大輔 産総研特別研究員(現:(株)キューメイ研究所)らは、独立行政法人農業・食品産業技術...
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東レ、単層カーボンナノチューブ薄膜トランジスタで最高レベルの移動度を達成
単層カーボンナノチューブ薄膜トランジスタで世界最高レベルの移動度を達成 −半導体型単層CNTと半導体ポリマーの複合化により半導体特性を極大化− 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:、以下「東レ」)は、このたび、単層カーボンナノチューブ薄膜トランジスタ(Carbon Nano−Tube Thin Film Transistor:以下「CNT−TFT」)において、塗布型TFTとしては世界最高レベルとなる移動度1)13cm2/Vs、オンオフ比2)106を達成しました。半導体純度を大幅に高めた単層CNTと当社独自で開発した半導体ポリマーを複合化することにより、単層CNTの高い半導体特性を十分に引き出すことに成功したものです。今後、2016年近傍での実...
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顔料が高性能な電子材料に ‐高い電子移動度を示すアナターゼ型酸窒化タンタルを合成‐ <発表者> 長谷川哲也(東京大学大学院理学系研究科化学専攻 教授) 廣瀬靖(東京大学大学院理学系研究科化学専攻 助教) 鈴木温(東京大学大学院理学系研究科化学専攻 博士課程1年) <発表のポイント> >顔料や光触媒として応用が研究されている酸窒化タンタル(TaON)が高性能な半導体材料であることを発見しました。 >アナターゼ型の結晶構造を持つTaONの高品質な単結晶薄膜を世界で初めて合成しました。 >アナターゼ型TaONは太陽電池や発光ダイオードなどの光デバイスの電極や水素発生用の光触媒への応用が、酸窒化...
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人為的に設計・開発した生物発光酵素(ALuc) −高輝度発光標識分子として医療・環境診断への利用に期待− <ポイント> ・自然界の生物がもつ酵素ではなく、人為的に設計した遺伝子配列から作製 ・従来より約100倍も明るく、発光の持続性にも優れる ・高感度のバイオアッセイや環境計測に利用可能 <概要> 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)環境管理技術研究部門( http://unit.aist.go.jp/emtech-ri/ci/ )【研究部門長 田尾 博明】計測技術研究グループ 鳥村 政基 研究グループ長、金 誠培 主任研究員は、極めて高輝度で発光持続性に優れた生物発光酵素を人為的に設計...
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海洋機構と理化学研究所、海底から噴出する熱水を利用した燃料電池型発電に成功
海底から噴出する熱水を利用した燃料電池型発電に成功 〜深海における自律的長期電力供給の可能性〜 1.概要 独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という。)海底資源研究プロジェクトの山本正浩研究員と理化学研究所・環境資源科学研究センターの中村龍平チームリーダーらの共同グループは、沖縄トラフに人工的に作られた深海底熱水噴出孔(人工熱水噴出孔(*1)において熱水と周辺海水の電気化学的な現場測定を行いました。この結果に基づいて、熱水と海水を燃料にできる燃料電池(以下、熱水−海水燃料電池(*2)を人工熱水噴出孔に設置して、深海底での実発電に成功しました。 海底か...
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東レ・ダウコーニング、インフラ関連用途に適した2成分形シリコーンシーリング材を発売
四季を通じて、安定した硬化時間で作業可能な建築・土木用2成分形シリコーンシーリング材を新発売 東レ・ダウコーニング株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役会長・CEO:桜井恵理子)は、アルコキシタイプの2成分形シリコーンシーリング材Dow Corning Toray SE 990 F(以下、SE 990 F)を9月より発売開始します。耐久性、耐候性に優れ、ビルのカーテンウォール、外装用のウェザーシールや高速道路、橋、滑走路、土木工事といったインフラ関連の用途におけるコンクリートジョイント部に使用可能です。同製品は、近年こうしたインフラ関連用途のニーズを受け、当社が日本市場向けに開発、販売するものです。 ...
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理化学研究所と東大、オートファジーが糖鎖の代謝に関わることを発見
オートファジーが糖鎖の代謝に関わることを発見 −正常時に働くオートファジーはリソソームの機能維持に重要− <ポイント> ・オートファジーが欠損した細胞ではシアル酸を持つ糖鎖が細胞内に蓄積 ・シアル酸を持つ糖鎖の蓄積の原因は、リソソーム上の膜タンパク質の機能変化 ・オートファジーの機能不全ががん化のメカニズムに密接に関与する可能性 <要旨> 理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、細胞内の不要なタンパク質などを分解するオートファジーが特定の糖鎖の効率の良い代謝に関与し、リソソーム[1]と呼ばれる細胞小器官の機能維持に重要な役割を果たしていることを明らかにしました。これは、理研...
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東レ、半導体デバイスの3次元パッケージ向け材料開発推進で「SEMATECH」に参画
SEMATECHへの参画について 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣(※)、以下「東レ」)はこのたび、半導体デバイスの3次元パッケージ向け材料開発を推進するため、米国ニューヨーク州にある半導体製造技術の研究組合「SEMATECH」に参画することといたしました。SEMATECH内で次世代の半導体三次元実装技術に取り組む「3Dインターコネクトプログラム」のアソシエートメンバーとなり、「半導体実装向けの新規材料」の開発を進め、実用プロセスを構築し、SEMATECHのコアメンバー、プログラムメンバーを含めた有力半導体メーカーでの採用を目指してまいります。 *社長名の正式表記は添付の関連資料を参照 今回、SEMATECHの3D...
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層状コバルト酸化物の高イオン伝導度の原因を解明 −燃料電池などの性能向上へ威力− 【要点】 ○層状コバルト酸化物PrBaCo2O5+δ(*1)における酸化物イオンの高速移動経路を可視化 ○酸化物イオンの高速移動経路が、プラセオジム(Pr)とバリウム(Ba)の規則化により生じる理由を原子スケールで解明 ○新しいイオン伝導体の開発や固体酸化物形燃料電池などの性能向上につながる *1「PrBaCo2O5+δ」の正式表記は添付の関連資料を参照 【概要】 東京工業大学理工学研究科の八島 正知教授ら及び英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのキルナー ジョン教授らの研究グループは、層状コバルト酸化物の「プラセオジム...
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京大、植物病原性カビの拡大・蔓延をブロックする抵抗性に必要な因子を発見
病原性カビの侵入を許してしまった植物の奥の手とは? 高野義孝 農学研究科准教授、晝間敬(ひるまけい)日本学術振興会特別研究員(現マックスプランク研究所)らの研究グループは、植物病原性カビの侵入を許した後、植物がその後のカビの拡大・蔓延をブロックする抵抗性に必要な因子の発見に成功しました。 この研究成果は2013年5月20日の週(米国東部時間)に米国科学誌「米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)」のオンライン版に掲載されることになりました。 <研究の背景> 病害による世界の農業生産被害は10〜20%にまで達しており、これは8億人の食糧に値します。...
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理化学研究所、酵素「Man2C1」に酵素活性と無関係に細胞死を抑制する機能を発見
糖鎖を分解する酵素「Man2C1」に新たな機能を発見 − Man2C1は酵素活性の他に細胞死抑制機能を持つ − ◇ポイント ・Man2C1が細胞死を抑制する分子メカニズムの詳細が明らかに ・酵素活性と細胞死抑制はそれぞれ独立して機能する ・がんの増殖・転移を抑える新たな抗がん剤開発に寄与すると期待 理化学研究所(野依良治理事長)は、糖鎖を分解する酵素「Man2C1」が、酵素活性と無関係に細胞死を抑制する機能を持つことを発見しました。これは、理研基幹研究所(玉尾皓平所長)糖鎖代謝学研究チームの鈴木匡チームリーダー、王麗(ワン リー)特別研究員らの研究チームによる成果です。 生体内の細胞分化やホ...
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京大、メタルフリー有機分子触媒による複雑な光学活性分子の効率的な合成に成功
メタルフリー有機分子触媒による複雑な光学活性分子の効率的合成に成功 −新しい低分子医薬品の開発に期待− 丸岡啓二 理学研究科教授、橋本卓也 同助教らの研究グループは、持続型・環境調和型のメタルフリー触媒である有機分子触媒を使った有機合成により、光学活性四置換アレンと呼ばれる、これまで合成が困難であった分子の高効率的合成に成功しました。この方法論の開発により得られた新しい分子は、そのものを部分骨格として組み込んだ新しい低分子医薬品として利用することや、合成中間体として用いることにより既存の医薬品合成の短工程化が期待できます。 本研究成果は、英国化学誌「ネイチャー ケミストリ...
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理化学研究所、抗がん剤の種「テルペンドールE」の生合成メカニズムを解明
抗がん剤の種「テルペンドールE」の生合成メカニズムを解明 −テルペンドールEはかび毒生合成のカギとなる中間体だった− ◇ポイント◇ ・テルペンドールEとかび毒の生合成に関与する遺伝子を7個同定 ・テルペンドールEを変換する酵素の遺伝子を欠損させ、安定的調製が可能に ・副作用が少ない新しい抗がん剤開発やかび毒制御への応用に期待 <動画> http://www.youtube.com/watch?v=yyGXCi5WSfc&feature=player_embedded 理化学研究所(野依良治理事長)は、土壌に棲む糸状菌(※1)の仲間が、新しい抗がん剤の種となる化合物として注目されている「テルペンドールE」を生合成するメカニズムを明らかにしました。これは、理研基幹...
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神経難病・筋萎縮性側索硬化症の原因に蛋白質分解異常が関与する可能性 −遺伝子改変マウスでの知見から− 神経難病の一つである筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因は未だに多くの謎に包まれ、治療法が確立されていないのが現状です。今回、高橋良輔 医学研究科教授、田代善崇 同教務補佐員、漆谷真 滋賀医科大学分子神経科学研究センター准教授らの研究グループは、蛋白質分解異常に着目した遺伝子改変マウスの作製により、ALSの疾患再現に成功しました。この新たなALSモデルマウスの病巣で蓄積する異常蛋白質の解析や同定により、さらなるALSの機序解明や治療法の開発が期待できます。 この研究成果は、米国科学誌「ジャ...