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アステラス製薬、乳がんに対するエンザルタミドの第II相臨床試験データを発表

2015-06-05

2015年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で乳がんに対するエンザルタミドの新たなデータを発表


 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長:畑中好彦、以下「アステラス製薬」)は、米国メディベーション社と共同で開発・商業化を進めている経口アンドロゲン受容体阻害剤エンザルタミド(一般名、製品名:XTANDI/イクスタンジ、開発コード:MDV3100)に関し、アンドロゲン受容体陽性のトリプルネガティブ進行性再発乳がん(TNBC)患者を対象とした、エンザルタミド単剤療法の有用性を検討する第II相臨床試験データが、シカゴで開催されている2015年米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会において発表されましたので、お知らせします。本試験は主要評価項目を達成し、本演題は、Best of ASCO会議でも取り上げられます。

 本試験は単群多施設共同第II相非盲検試験で、2つのステージで合計118名のTNBCの女性患者が組み入れられました。主要評価項目は、16週時の臨床的有用率[Clinical Benefit Rate(以下「CBR」);完全奏効(complete response:CR)、部分奏功(partial response:PR)、又は16週以上の安定(stable disease:SD)を示した患者の割合]です。本試験では、エンザルタミドの投与を少なくとも1回以上受け、免疫組織学的染色でアンドロゲン受容体陽性が認められた患者をIntent−To−Treat(ITT)集団とし、また原発腫瘍に含まれる細胞の少なくとも10%が免疫組織学的染色でアンドロゲン受容体陽性であり、エンザルタミド投与後1回以上の腫瘍評価を受けた患者を評価可能な患者集団とし、2つの患者集団で評価しました。118名の患者がITT集団に含まれ、このうち75名が評価可能な患者集団の基準を満たしました。なお、前治療の治療ライン数に関する制限はありませんでした。


 本試験の結果は以下の通りです。
 ・評価可能な患者集団75名における16週時のCBRは35%(95%信頼区間(CI):24−46)で、このうちCR又はPRが6名(8%)で認められました。また、24週以上のCBRは29%(95%CI:20−41)でした。副次的評価項目である無増悪生存期間の中央値は14.7週(95%CI:8.1−19.3)でした。
 ・ITT集団118名における16週時のCBRは25%(95%CI:17−33)で、このうちCR又はPRが7名(6%)で認められました。また、24週以上のCBRは20%(95%CI:14−29)でした。無増悪生存期間の中央値は12.6週(95%CI:8.1−15.7)でした。

 また、本試験で得られたデータにより、新規のゲノムアッセイの開発が可能となり、ASCOのポスターセッションでも紹介されました。本診断検査により、エンザルタミドの治療効果の予測性が検討され、その結果、ITT集団の約50%が本診断検査で陽性であり、以下のデータが得られました。
 ・ITT集団において、本診断検査陽性の患者の16週時のCBRは39%(95%CI:27−53)であり、24週以上のCBRは36%(95%CI:24−49)でした。これに対し、本診断検査陰性の患者の16週時のCBRは11%(95%CI:5−21)であり、24週以上のCBRは6%(95%CI:2−16)でした。また、無増悪生存期間の中央値はそれぞれ本診断検査陽性の患者が16.1週(95%CI:13.3−27.4)、本診断検査陰性の患者では8.1週(95%CI:7.4−12.6)でした。
 ・ITT集団において、一次治療又は二次治療としてエンザルタミドの投与を受けた本診断検査陽性の患者の無増悪生存期間の中央値は40.4週(95%CI:16.1−未だ達せず)であり、これに対し、本診断検査陰性の患者では8.9週(95%CI:7.3−15.7)でした。

 ITT集団においてよく見られた(発現率10%以上)副作用は、疲労(34%)、悪心(25%)、食欲減退(13%)、下痢(10%)及びほてり(10%)でした。
 なお、本件は、米国において現地時間6月1日に対外発表しています。


以上


<Best of ASCOについて>
 Best of ASCO会議は、ASCOの年次総会における最先端の科学や教育を凝集した2日間のプログラムです。講演・議論される演題は、患者の治療に直接影響を与える可能性が高い最も優秀な研究や戦略が選ばれています。


<第II相臨床試験について>
 本試験は単群多施設共同第II相非盲検試験で、米国、カナダ及び欧州の施設にて実施し、2013年6月に組み入れを開始、2014年7月に組み入れを終了し、2つのステージで合計118名の患者が組み入れられました。主要評価項目は、評価可能な患者集団における臨床的有用率(完全奏効、部分奏効又は16週以上の安定を示した患者の割合)です。また、本試験における投与量及び投与方法は、エンザルタミド160mg1日1回経口投与です。





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