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農業生物資源研究所、イネの3大病害から多糖で表面を覆うことによる感染防御を解明

2012-08-30

イネの3大病害(いもち病、ゴマ葉枯れ病、紋枯れ病)の感染防御が可能に!
−作物自身の免疫力を利用したマルチカビ病害防除技術の開発へ−



【ポイント】
 ・農業上深刻な被害を引き起こす病原性カビが、同一の多糖(1)を利用して菌の表面を覆い、植物の生体防御システムから菌体を守っていることを明らかにしました。
 ・これらの病原性カビの表面の多糖を分解酵素により除去すると、イネは迅速に生体防御システムを活性化し、これらの病原性カビに対して強い抵抗性を示しました。
 ・この多糖分解酵素やその遺伝子、分解酵素生産菌の利用により、従来の技術では防除が困難なカビ病害に対する新たな防除技術の開発が可能になると期待されます。


<概要>
 1.独立行政法人農業生物資源研究所(生物研)は、イネの3大病害を引き起こす、いもち病菌、ゴマ葉枯れ病菌、紋枯れ病菌が、「α−1,3−グルカン」という植物が分解できない多糖で表面を覆うことにより、イネの生体防御システムの1つである自然免疫(2)から菌体を保護することを明らかにしました。

 2.イネは病原菌の感染を防御するために抗菌物質を生産しますが、α−1,3−グルカンにはイネの抗菌物質から菌体を保護する役割があることも分かりました。

 3.イネにα−1,3−グルカンの分解酵素の遺伝子を導入することにより、病原性カビの表面にあるα−1,3−グルカンを除去することができるイネを作出しました。このイネは、3大病害カビに対して強い抵抗性を示しました。このイネに感染しようとする病原性カビは、イネの抗菌物質や自然免疫に攻撃されるため、感染できなくなったと考えられます。

 4.病原性カビのα−1,3−グルカンを除去すれば、カビ病害に対する植物の免疫力を上げることができることが示されました。α−1,3−グルカンの分解酵素やその生産菌、また分解酵素遺伝子を利用すれば、カビ病害防除作物の品種改良や薬剤による防除が困難な病原性カビの防除が可能になると期待されます。

 5.この成果は、8月24日に病原菌分野で権威のある専門誌プロスパソジェンズ(PLoS Pathogens, Public Library of Science から発刊)に発表されました。

 予算:農林水産省委託プロジェクト「新農業展開ゲノムプロジェクト」
 特許:PTC/JP2010−2011−504902(国内),US−2012−0023616−A1(米国),201037077(台湾



※以下、リリースの詳細は添付の関連資料を参照


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