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小野薬品と東大、脂質の網羅的解析による創薬標的の探索に関する共同研究契約を締結
東京大学と脂質の網羅的解析による創薬標的の探索に関する共同研究契約を締結
小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁 以下、当社)と国立大学法人 東京大学(東京都文京区、総長:濱田純一)は、脂質の網羅的解析(リピドミクス)による新規創薬標的の探索に関する共同研究契約を締結しましたので、お知らせいたします。
当社と東京大学は、株式会社島津製作所(本社:京都市中京区)と三者で、今年4月1日より東京大学大学院医学系研究科内に社会連携講座「リピドミクス講座」(研究統括:北 芳博 特任准教授)を設置しております。同講座は、ゲノム・プロテオームに続く次の研究課題として、生理活性脂質・膜脂質などの脂質分子を系統的・網羅的に解析し、生命維持にそれらがどのように関わるかを明らかにすると共に、その代謝異常としての生活習慣病など各種疾患のバイオマーカーを探索することを目的にしています。
今回の契約締結により、当社と東京大学は、リピドミクス講座において脂質の生体における機能解明を目的とした共同研究を行います。また、協力講座として同大学院医学系研究科 細胞情報研究部門(清水孝雄教授)が研究に協力します。
これまで脂質の網羅的解析は難しいとされてきましたが、質量分析計の発展により急速な進歩を遂げています。脂質にはプロスタグランジンやロイコトリエンのような生理活性脂質や、生活習慣病のような疾患に深く関与している代謝物があります。最新の脂質解析技術を用いた本共同研究によって、当社および東京大学は脂質代謝を基盤とする生命現象や疾患メカニズムの解明への取り組みを通じて、新しい創薬標的を探索します。なお、当社は見出された新しい創薬標的に対する作用薬を探索し、新薬候補化合物の創製を目指します。
以 上
(参考)
*リピドミクス:
リピドミクスとは脂質の網羅的解析を意味する言葉です。