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水産総合研究センター、高水温耐性に関連する遺伝子発見などノリのゲノム情報解析が進展

2011-10-04

ノリのゲノム情報解析が進展

・新たに、高水温耐性に関連する遺伝子を発見
・ノリ品種の識別に役立つ目印を多数確認


 ノリは高水温に弱く、平成19年度には高水温により秋の漁期の開始が1ヵ月遅れるなどの問題が発生しており、これらの環境変化に対応したノリ優良品種の作出が求められています。また、ノリ養殖業の主要対象種であるスサビノリは北方系種であるため、高温の影響を受けやすいと考えられますが、高温に対してどのような生理的応答を示すのか明らかではありませんでした。

 水産総合研究センターでは、日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社、日本ソフトウェアマネジメント株式会社と共同で、これまでにノリ養殖業の主要対象種であるスサビノリの全ゲノム塩基配列の概要を解読しています。このたび、ノリが高水温に曝された時に生体を守るために働くと考えられる3つの熱ショックタンパク質遺伝子を発見し単離に成功しました。加えて、外見から全く見分けがつかないノリ製品を識別するため、ゲノム上の目印となるマイクロサテライトDNAマーカー候補も多数取得することができました。

 これらの熱ショックタンパク質の遺伝子についてゲノム上の場所が判明したことから、今後、これらの遺伝子の働きに注目し、高温耐性のメカニズム解明とともに、高水温耐性の新たな優良品種の作出が加速できます。また、作出された優良品種の国内における育成者権を保護する観点から、製品でノリ品種を識別するDNAマーカーが整備できます。

 これらの成果は日本水産学会秋季大会において発表する予定です。また、ノリのゲノムデータは、遺伝子の機能解析などにも活用できる極めて有用なものであることが分かったため、現在、さらなる遺伝子の解析などを進めており、その成果は、DNA鑑定学会において発表する予定です。


<別紙資料>

 ※添付の関連資料を参照

*この成果は、水産庁委託事業「漁場環境・水産資源持続的利用型技術開発事業」および同「地球温暖化による沿岸漁場環境への影響評価・適応技術開発事業」により得られたものです。

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