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農業生物資源研究所
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イネの栄養の吸収と蓄積を促進させる遺伝子を発見 −少ない肥料でのイネの収量アップに向けて− <ポイント> ・複数の栄養素をバランスよく吸収し、収量を向上させるイネの遺伝子を発見しました。 ・この遺伝子を強く働かせたイネは、少肥料栽培での収量が最大で約2割増加しました。 ・新たな品種や栽培技術の開発により少ない肥料でこれまでと同様の収量を得ることが可能となります。 <概要> 1.国立研究開発法人農業生物資源研究所(生物研)は、植物の主要な栄養素(窒素、リン酸、カリウム)を含む複数の栄養素をバランスよく吸収し、蓄積を促進させるイネのRDD1遺伝子を発見しました。 2.単独の栄養素...
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イネの防御物質生産の鍵となるタンパク質を発見 −ストレスに強いイネの育成へ− <ポイント> ・イネがストレスに対して生産するファイトアレキシン(1)の生産をほぼ一括して調節するタンパク質を発見しました。 ・ストレスを受ける前から常にファイトアレキシンを生産する、ストレスに強いイネの育成が期待されます。 <概要> 1.国立研究開発法人農業生物資源研究所(生物研)は、東京大学生物生産工学研究センター、東京理科大学理工学部、帝京大学バイオサイエンス学科と共同で、イネが様々なストレスに対して生産する複数のファイトアレキシンという化合物の生産量の調節に、1つのタンパク質(DPF)が大きな...
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農業生物研と佐賀大、さまざまな突然変異を含む多数のダイズ系統を作出
さまざまな突然変異を含む多数のダイズ系統を作出 −新しい性質を持つダイズ品種の開発が可能に− <ポイント> ・ダイズに効率よく突然変異を起こす技術を利用し、様々な突然変異を含む変異集団を作出しました。 ・今回作出した突然変異集団を用いることで、これまで以上に早く実が登熟する系統など、新しい性質をもつダイズ品種の開発が可能となります。 <概要> 1.農業生物資源研究所(生物研)は、佐賀大学と共同で、ダイズに高頻度で突然変異を起こすことに成功し、様々な突然変異を多数含む突然変異系統の集団を作出しました。 2.突然変異育種は、新品種を育種する方法のひとつとして一般的に行われていま...
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筑波大など、「お化け」遺伝子を呼び出す「こっくりさん」タンパク質を発見
「お化け」遺伝子を呼び出す「こっくりさん」タンパク質の発見 〜昆虫のステロイドホルモン生合成に関わる新知見〜 <ポイント> ○キイロショウジョウバエを用いた研究から、ステロイドホルモンであるエクジステロイド(脱皮ホルモン)生合成器官での遺伝子の発現調節に重要な役割を担う新規タンパク質を発見しました。 ○ステロイドホルモン生合成に関わる1つの遺伝子のみの発現調節を担う転写因子の発見は、無脊椎動物で初めての事例です。 ○動物のステロイドホルモン生合成メカニズムとその進化について新知見を与えると共に、昆虫のみに作用する農薬の開発ターゲットとなることが期待されます。 国立大学法人...
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農業生物研、「いもち病」に対する抵抗性誘導剤の効果が低温で発揮できない原因を解明
「いもち病」に対する抵抗性誘導剤の効果が 低温で発揮できない原因を解明 −低温でもいもち病にかかりにくいイネの開発へ− <ポイント> ・稲作で最も深刻な被害をもたらすいもち病は、糸状菌(カビ)によるイネの病気で、冷害により被害が大きくなります。 ・低温になると、抵抗性誘導剤の効果が発揮できなくなる原因となる酵素が作られることが分かりました。 ・その酵素を作る遺伝子の働きを抑制することで、低温でも抵抗性誘導剤の効き目があり、いもち病に強いイネを開発することができます。 ○概要 1. 稲作で最も深刻な被害をもたらすいもち病は、糸状菌(カビ)であるいもち病菌の感染によって引き起こ...
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農業生物研など、古代米の原因遺伝子を特定し白いお米の品種に黒米原因遺伝子導入が容易に
古代米の起源に迫る! −紫黒米の育種が容易になります− ■ポイント ・古代米として知られる黒いお米(紫黒米=しこくまい)の原因遺伝子を特定しました。 ・約50品種のイネの遺伝子を調べ、紫黒米がいつ頃、どの系統で発生したかが分かりました。 ・この成果により、栽培されている白いお米の品種に黒米原因遺伝子を導入することが容易になります。 ■概要 1. 農業生物資源研究所(生物研)は、富山県農林水産総合技術センターと共同で、紫黒米品種の黒米形質(お米が黒くなる性質)のメカニズムが、Kala4(カーラ4)遺伝子の変異であることを特定しました。 2. Kala4遺伝子は、イネのさまざまな場所で働き...
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基礎生物学研究所など、日長時間に応じてオスとメスを産み分けられる実験系の確立に成功
日長時間に応じてメスとオスの出現をコントロールできる ミジンコの誘導系の確立と、 環境依存型性決定を制御する幼若ホルモンの 生合成因子の発見 甲殻類のミジンコの仲間は、日照時間や水温などの環境の変化に応じてメスとオスの子供を産み分けることが知られています。この現象は環境依存型性決定と呼ばれます。これまでの研究で、ミジンコ類に昆虫類や甲殻類のホルモンの一種である「幼若ホルモン」を曝露すると環境条件に関係なくオスばかり産むことが報告されていましたが、実際にミジンコの生体内で幼若ホルモンが「性決定因子」として作用しているかは謎でした。今回、岡崎統合バイオサイエンスセンター/基礎生物...
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農研機構、ダイズやコムギ等のDNAマーカー育種の利用促進に向け情報を一元化
ダイズやコムギ等のDNAマーカー育種の利用促進に向け情報を一元化 −作物の品種改良の効率化に貢献− [ポイント] ・新たにダイズ、コムギ、果樹類、野菜類、工芸作物、飼料作物類及び花き類のDNAマーカー情報を一元化してウェブページで公開 ・作物の品種改良の現場でのDNAマーカーの利用を促進 1.農研機構と生物研が連携して運営するバーチャル組織「作物ゲノム育種研究センター」は、DNAマーカーの開発状況の把握を容易にし、育種関係者による作物のDNAマーカー育種の利用を促進するため、この度ダイズ、コムギ、果樹類、野菜類、工芸作物、飼料作物類及び花き類のDNAマーカーについて、標的とする形質や活用するポイン...
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東大など、哺乳類において雌の生殖制御中枢の活動を促進するフェロモンを同定
哺乳類において雌の生殖制御中枢の活動を促進するフェロモンを同定 <発表者> 村田健(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用動物科学専攻 博士課程3年;当時) 渡邉秀典(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 教授) 岡村裕昭(農業生物資源研究所 動物科学研究領域 動物生産生理機能研究ユニット・ユニット長) 武内ゆかり(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用動物科学専攻 准教授) 森裕司(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用動物科学専攻 教授) <発表のポイント> ◆雌ヤギの生殖神経内分泌機能を促進するフェロモンを同定しました。 ◆哺乳類で初めて、脳の視床下...
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農業生物資源研究所など、カイコで働く約1万個の遺伝子配列解読に成功
カイコで働く約1万個の遺伝子配列解読に成功 −産業利用につながる有用遺伝子の特定が加速化− <ポイント> ・カイコで実際に働く約11,000個の遺伝子の塩基配列を解読しました。 ・本成果は、チョウ目害虫に選択的に作用する新規制御剤の開発や遺伝子組換えカイコによる有用物質生産など、産業利用への貢献が期待されます。 <概要> 1.独立行政法人農業生物資源研究所(生物研)は、中国・西南大学、独立行政法人産業技術総合研究所、および国立大学法人東京大学と共同で、カイコの様々な組織に由来する完全長cDNAライブラリ(1)を作製し、11,104種類の完全長cDNA(2)の塩基配列を解読しました。今回...
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光で匂いを感じる昆虫をつくりだす! ‘フェロモン’を高感度で認識する脳のなぞを解明 1.発表者: 神崎亮平(東京大学先端科学技術研究センター・教授) 田渕理史(東京大学大学院工学研究科先端学際工学専攻・大学院生、当時) 櫻井健志(東京大学先端科学技術研究センター・特任助教) 2.発表のポイント: ◆オスのカイコガは、性フェロモンの刺激が微弱なときは、時間的に異なる刺激を脳内で統合することで性フェロモンへの感度を向上させ、メスを探すフェロモン源探索行動を起こすことを発見した。 ◆光で性フェロモンを感じる遺伝子組換えカイコガを作出し、光によってあたかもフェロモン刺激を与えたか...
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農業生物資源研究所など、コメの粒の長さと重さに関わる遺伝子を発見
お米の粒の長さと重さに関わる新規遺伝子を発見 −ごく限られた品種しか持っていない有用遺伝子による品種改良に期待− <ポイント> ・お米の粒を長くかつ重くする遺伝子を特定しました。 ・この遺伝子は、ごく限られた栽培品種にしか存在しない遺伝子であることがわかりました。 ・この遺伝子を育種に利用することで、収量性や品質の安定性が向上した品種の開発が期待されます。 <概要> 1.(独)農業生物資源研究所(生物研)は、東洋大学、京都大学と共同で、インドのインディカ型イネ品種「カサラス」から、お米の粒を長くかつ重くする遺伝子「TGW6」を特定しました。 2.カサラスのTGW6遺伝子と対立する...
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基礎生物学研究所、根粒の発生におけるオーキシンの作用機構を解明
「根粒の形づくりにおけるオーキシンの作用機構を解明」 基礎生物学研究所 共生システム研究部門の寿崎拓哉助教と川口正代司教授らの研究グループは、マメ科植物と土壌バクテリアの根粒菌が生物間相互作用(共生)を行う器官である根粒の発生において、植物ホルモンのオーキシンが作用する機構を明らかにしました。この研究成果は、生物学専門誌Developmentに掲載されます(10月9日に電子速報版が公開されます)。 「研究の背景」 動物と異なり動くことのできない植物は、進化の過程で様々な生存戦略をとることによって、栄養が少ない土地にも適応し繁栄してきました。その中でも、ダイズやエンドウなど...
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農業生物資源研究所、イネの3大病害から多糖で表面を覆うことによる感染防御を解明
イネの3大病害(いもち病、ゴマ葉枯れ病、紋枯れ病)の感染防御が可能に! −作物自身の免疫力を利用したマルチカビ病害防除技術の開発へ− 【ポイント】 ・農業上深刻な被害を引き起こす病原性カビが、同一の多糖(1)を利用して菌の表面を覆い、植物の生体防御システムから菌体を守っていることを明らかにしました。 ・これらの病原性カビの表面の多糖を分解酵素により除去すると、イネは迅速に生体防御システムを活性化し、これらの病原性カビに対して強い抵抗性を示しました。 ・この多糖分解酵素やその遺伝子、分解酵素生産菌の利用により、従来の技術では防除が困難なカビ病害に対する新たな防除技術の開発が可...
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農業生物資源研究所など、昆虫に病気を引き起こすカビから「脱皮ホルモン」を分解する酵素を発見
昆虫の成長を操る酵素をカビから発見 −昆虫の脱皮・変態・休眠の操作が可能に− <ポイント> ・昆虫に病気を引き起こすカビから、昆虫の脱皮を引き起こす「脱皮ホルモン」を分解する酵素を発見しました。 ・この酵素を使って、重要害虫を含む様々な昆虫の脱皮、変態を阻害したほか、ガの一種では休眠(冬眠)を人為的に引き起こすことに成功しました。 ・この酵素を利用することにより、新しい農薬の開発のほか、カイコで有用物質を効率的に生産する技術、有用昆虫を長期保存する技術の開発が進むと期待されます。 <概要> 1.(独)農業生物資源研究所(生物研)は筑波大学、名古屋大学と共同で、昆虫に病気を...
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農業生物資源研究所、昆虫の「変身」を抑える遺伝子のスイッチのしくみを解明
昆虫の『変身』を抑える遺伝子のスイッチのしくみを世界で初めて解明 − 狙いの害虫にのみ作用する薬剤の開発に期待 − <ポイント> ・幼若ホルモン(JH)は、「Kr−h1」という、昆虫の「変身(変態)」を抑える遺伝子のスイッチをオンにして働かせることが知られています。 ・生物研では、カイコを用いて、そのスイッチのしくみを世界で初めて明らかにしました。 ・JHは、「MET」と「SRC」の2種類のタンパク質を介して、「Kr−h1」遺伝子の「JH応答配列」に結合し、この遺伝子のスイッチをオンにします。 ・このスイッチのしくみは多くの昆虫に共通なものと考えられます。 ・本研究成果を応用し、J...
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農業生物資源研究所、イネの遺伝子が「いつ、どこで、どの程度」発現しているかを解明
イネの遺伝子が「いつ、どこで、どの程度」発現しているかを解明し、 それらの情報を公開 −イネ科作物の遺伝子機能解明の加速化に貢献− ポイント イネの様々な器官で田植え以降の各生育ステージで働く遺伝子を解明 得られた遺伝子発現情報をデータベース化して公開 本研究の成果によってイネおよびイネ科作物の遺伝子の機能解明が加速されると期待 概要 1.(独)農業生物資源研究所は、イネにおいて田植え以降に働いている遺伝子の発現1)に関する情報を網羅的に解析し、データベースRiceXPro (Rice eXpression Profile database)として公開しました。 ...
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免疫生物研究所、遺伝子組換えカイコを用いたヒトフィブリノゲンの生産に成功
遺伝子組換えカイコを用いたヒトフィブリノゲンの生産成功について この度、当社及び日本製粉株式会社は、遺伝子組換えカイコを用いたヒトフィブリノゲンの生産に成功いたしました。本研究は、農林水産省の委託プロジェクト研究「動物ゲノムを活用した新市場創出のための技術開発」において、独立行政法人農業生物資源研究所との共同研究として実施したものです。 【概 要】 当社及び日本製粉株式会社は、遺伝子組換えカイコを用いて、血液凝固活性を有する組換えヒトフィブリノゲンを繭に効率的に生産する技術研究開発に成功いたしました。 フィブリノゲンは、血液凝固因子の一つである糖タンパク質です。ヒトフィ...