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理研など、ネットワーク内の「情報の統合」を定量化するための数理的な枠組みを提案
ネットワーク内部の情報の統合を定量化 −客観的な意識レベルの指標に向けてー ■要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター脳数理研究チームの大泉匡史基礎科学特別研究員、甘利俊一チームリーダー、モナシュ大学の土谷尚嗣准教授らの国際共同研究チームは、ネットワーク内の「情報の統合」を定量化するための数理的な枠組みを提案しました。 私たちの脳が「意識」を生み出すためには、神経細胞同士が密に情報をやりとりすること、つまり情報の統合が必要であると考えられています。例えば、単純なデジタルカメラと脳の情報処理の違いを考えたとき、デジタルカメラの中の多くのフォトダイオードでは、独立に情報...
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半世紀に渡るコバルト酸化物の謎を解き明かす 〜世界最強クラスの磁場による「スピン状態秩序相」の発見〜 1.発表者: 池田 暁彦(東京大学物性研究所 助教) 野村 肇宏(研究当時:東京大学物性研究所 博士課程3年) 松田 康弘(東京大学物性研究所 准教授) 松尾 晶(東京大学物性研究所 技術専門職員) 金道 浩一(東京大学物性研究所 教授) 佐藤 桂輔(茨城工業高等専門学校 准教授) 2.発表のポイント: ◆100テスラ以上の世界最強クラスの磁場を用いて、コバルト酸化物の新たな電子・磁気状態を発見した。 ◆固体中でコバルトイオンの「スピン状態(注1)」が整列した新しい状態...
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九大、混ざらない金属元素同士がナノ粒子化により均質に混じり合う謎を解明
混ざらない金属元素同士がナノ粒子化により均質に混じり合う謎を解明 −新しい機能物質創製への展開に期待− ●概要 九州大学稲盛フロンティア研究センターの古山通久教授、石元孝佳特任助教らの研究グループは、通常は混ざらない金属元素同士がナノ粒子化によって均質に混じり合うようになるしくみを理論的に解明することに成功しました。この研究成果は、混ざらない元素を混ぜることで新たな物質機能を創製しようとする元素間融合アプローチの基礎となる科学的新規性の発見に加え、燃料電池電極触媒や排ガス浄化触媒用の新物質創製のための実用的なアプローチとして今後の展開が期待されます。 本研究成果は、2016...
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東大、複雑疾病の早期診断などを可能にする動的ネットワークバイオマーカーの有効性を証明
複雑疾病の早期診断や病態悪化の予兆検出を可能にする、 新しい動的ネットワークバイオマーカー理論 1.発表者: 劉 鋭 Rui Liu(科学技術振興機構 合原最先端数理モデルプロジェクト 研究員/東京大学 生産技術研究所 民間等共同研究員) 陳 洛南 Luonan Chen(東京大学 生産技術研究所 客員教授/Chinese Academy of Sciences,Professor) 合原 一幸 Kazuyuki Aihara(東京大学 生産技術研究所 教授) 2.発表ポイント (1)疾病の早期診断や病態悪化の予兆検出を可能とする「動的ネットワークバイオマーカー(DNB:Dynamical Network Biomarker)(注1)」理論(図1)を実際に活用する数学的手法を提案するとともに...
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北大など、家庭用燃料電池の効率向上に寄与する新規合金触媒を開発
家庭用燃料電池の効率向上に寄与する 原子が完全に混ざり合った新規合金触媒の開発に初めて成功 【研究成果のポイント】 ・家庭用燃料電池の効率向上に寄与する,原子が完全に混ざり合った新規合金触媒の開発に成功。 ・新規合金触媒上で一酸化炭素が効率よく除去され,高効率で発電可能な触媒機構を解明。 ・家庭用燃料電池の効率向上だけでなく,応用範囲の広い触媒合成方法開発の進展に期待。 <研究成果の概要> 北海道大学触媒化学研究センターの竹口竜弥准教授の研究グループは,家庭用燃料電池の効率向上に寄与する白金原子とルテニウム原子が完全に混ざり合った新規合金触媒の開発に成功しました。燃料であ...
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阪大とJST、モデル細胞膜が高分子を内封すると自発的に分裂など研究成果を発表
原始細胞の分裂・増殖の過程の謎に迫る 人工細胞の構築・デザインへの応用に期待 1.発見の概要 大阪大学大学院情報科学研究科四方哲也教授の研究チームは、高度な分裂制御機構をもたないモデル細胞膜が、高分子を内封すると自発的に分裂することを明らかにしました。 約40億年前に誕生した初期の細胞(原始細胞)は、遺伝物質が脂質膜の袋で包まれただけの単純なものであり、この原始細胞が増殖し進化することで、高度で複雑な機構を持つ現代の生命に至ったと考えられています。現在の生物を構成する細胞は、タンパク質などの制御によって成長し分裂することで増殖しますが、このような仕組みをもたない原始細胞がど...