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ノーベル化学賞
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京大、染色体DNAの断裂が自然発生する分子機構と断裂を修復する分子機構を解明
染色体DNAの断裂が自然発生する分子機構と断裂を修復する分子機構の解明 ―細胞で染色体DNAの断裂は大量に自然発生する― 武田俊一 医学研究科教授、笹沼博之 同准教授らは、身体のなかの神経細胞を含む多くの細胞で日常的にDNA2重鎖切断が発生していることを証明しました。これは発がんの原因になる病的なDNA2重鎖切断が、放射線被曝していなくてもすべての細胞で毎日複数個起こっていることを意味します。 本研究成果は2016年11月4日午前1時に、Cell社の学術誌「Molecular Cell」に掲載されました。 <研究者からのコメント> iPS細胞を治療に応用するときに、iPS細胞を培養中に変異が蓄積するという問題がありまし...
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癌細胞の浸潤や転移に関わる細胞運動の仕組みを解明 ○概要 九州大学大学院理学研究院の池ノ内順一准教授らの研究グループは、癌細胞の浸潤や転移に関わるブレブ(Bleb)と呼ばれる細胞膜の突起構造の形成に関わる分子メカニズムを明らかにすることに成功しました。 悪性度の高い癌細胞は浸潤や転移を起こします。このような癌細胞の運動様式として、ブレブと呼ばれる細胞膜の突起構造の形成が重要であることが近年の研究で明らかになってきました。ブレブの形成メカニズムの解明は、癌細胞の浸潤や転移を抑制する新たな治療法の開発に繋がることが期待できます。 本研究成果は、2016年3月14日(月)午後3時(米...
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JST、置換困難な位置に選択的に官能基を導入する触媒反応を開発
置換困難な位置に選択的に官能基を導入する触媒反応を開発 〜医薬品や機能性材料の効率的な合成に期待〜 ■ポイント ・医薬品や機能性材料を効率的に合成するためには、芳香環の特定の位置に官能基を導入する反応が必要である。 ・芳香環の置換困難な特定の位置へ選択的に官能基を導入する新たな触媒反応を開発した。 ・新たな医薬品や機能性材料の開発や、より効率的な合成に寄与することが期待される。 JST戦略的創造研究推進事業において、ERATO金井触媒分子生命プロジェクトの触媒グループの東京大学 大学院薬学系研究科 國信 洋一郎 グループリーダー(准教授相当)、金井 求 研究総括らは、これまで置換困...
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混ざり合わないポリマーを完全に混ぜる手法を開発 −プラスチックの持つ機能を飛躍的に向上− 京都大学(総長:山極壽一)の研究グループは、九州大学(総長:久保千春)および東北大学(総長:里見進)の研究グループと協力し、多孔性物質(※1)を鋳型とすることで、絶対に混ざり合わないと言われていたポリマー(※2)が分子レベルで完全に混ぜ合わせる手法を開発しました。 植村卓史 京都大学大学院工学研究科 准教授、北川進 同大学 物質−細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)拠点長・教授らの研究グループは、無数のナノ空間を有する多孔性金属錯体(PCP)の細孔内で異なる種類のポリマーを順次合成し、...
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理化学研究所と共同開発 超解像蛍光顕微鏡法の新技術 〜生きた細胞内の微細構造を高速で捉え、生命現象の解明促進に貢献〜 オリンパス株式会社(社長:笹 宏行)は、科学事業の新技術として、国立研究開発法人理化学研究所と共同で、画像取得時間を大幅に短縮し生きた細胞内の微細構造の観察を可能にする、超解像蛍光顕微鏡法の新技術を開発しました。 顕微鏡を使った観察では、空間分解能(くうかんぶんかいのう)(※1)という対象物を細かく観察できる能力に限界があり、一般的な光学顕微鏡の空間分解能は最大で約200nm(※2)です。超解像顕微鏡とは、この限界を超え、より微細な構造を観察できる顕微鏡です。...
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人為的に設計・開発した生物発光酵素(ALuc) −高輝度発光標識分子として医療・環境診断への利用に期待− <ポイント> ・自然界の生物がもつ酵素ではなく、人為的に設計した遺伝子配列から作製 ・従来より約100倍も明るく、発光の持続性にも優れる ・高感度のバイオアッセイや環境計測に利用可能 <概要> 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)環境管理技術研究部門( http://unit.aist.go.jp/emtech-ri/ci/ )【研究部門長 田尾 博明】計測技術研究グループ 鳥村 政基 研究グループ長、金 誠培 主任研究員は、極めて高輝度で発光持続性に優れた生物発光酵素を人為的に設計...
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世界最高出力の孤立アト秒パルスレーザーを開発 −孤立アト秒パルスの高出力化の道を開くことに成功− <ポイント> ・瞬間出力2.6ギガワット。従来法と比べ100倍以上強いアト秒パルスを実現 ・2波長合成レーザーを用いた理研独自の孤立アト秒パルス高出力化法を開発 ・今まで観測できなかった電子の動きなど超高速の物理現象の解明に前進 <要旨> 理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、アト秒(1アト秒は100京分の1秒、10−18秒)の時間幅をもつ極短パルスの極端紫外光(XUV)を高効率かつ高強度に発生できる手法を確立し、その手法を用いて卓上サイズでギガワット(GW:1GWは100万kW)の瞬間...
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東大など、カルシウムイオンを赤く光らせて可視化する蛍光試薬を開発
赤い蛍光試薬で細胞内カルシウムイオン濃度の変動を画像化 ―緑色蛍光試薬との併用で生命現象のマルチカラー観察を可能に― <ポイント> >細胞質中のカルシウムイオン濃度分布は緑色のカルシウム蛍光試薬で可視化できるが、一般的な蛍光試薬やたんぱく質の多くも緑色に光るため、両者の併用が難しかった。 >細胞質内に一様に分布する赤い蛍光試薬を独自開発し、カルシウムイオンの画像化に成功。 >この蛍光試薬は2013年4月に販売開始する予定。 JST 研究成果展開事業(先端計測分析技術・機器開発プログラム)の一環として、東京大学 大学院薬学系研究科の花岡 健二郎 准教授らの開発チームは、カルシウ...
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京大、メタルフリー有機分子触媒による複雑な光学活性分子の効率的な合成に成功
メタルフリー有機分子触媒による複雑な光学活性分子の効率的合成に成功 −新しい低分子医薬品の開発に期待− 丸岡啓二 理学研究科教授、橋本卓也 同助教らの研究グループは、持続型・環境調和型のメタルフリー触媒である有機分子触媒を使った有機合成により、光学活性四置換アレンと呼ばれる、これまで合成が困難であった分子の高効率的合成に成功しました。この方法論の開発により得られた新しい分子は、そのものを部分骨格として組み込んだ新しい低分子医薬品として利用することや、合成中間体として用いることにより既存の医薬品合成の短工程化が期待できます。 本研究成果は、英国化学誌「ネイチャー ケミストリ...
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東大など、日本人に多い非ホジキンリンパ腫の発症メカニズムの一端を解明
日本人に多い非ホジキンリンパ腫の、ユビキチン化を介した発症機構の解明 〜抗がん剤や自己免疫疾患治療薬の創薬の基盤として期待〜 <発表者> 徳永 文稔(群馬大学生体調節研究所 教授) 西増 弘志(東京大学理学系研究科生物化学専攻 特任助教) 石谷 隆一郎(東京大学理学系研究科生物化学専攻 准教授) 濡木 理(東京大学理学系研究科生物化学専攻 教授) <発表のポイント> >どのような成果を出したのか 脱ユビキチン化酵素A20が直鎖状ユビキチンに結合することでNF−κB経路を制御していることを発見した >新規性(何が新しいのか) 非ホジキン(B細胞)リンパ腫の発症機構に、A2...
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塩野義製薬、デンマーク5大学との研究開発協力における覚書を締結
デンマーク5大学との研究開発協力における覚書締結について 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」)は、昨年4月に発表しましたデンマーク王国(以下、「デンマーク」)との間で結ばれた国際産学連携活動協定に基づき、デンマークの5大学と研究開発協力における覚書を8月に締結しましたのでお知らせいたします。 本締結により、塩野義製薬が産学連携のグローバル化の一環として取組んでいるSHIONOGI Science Programのデンマークでの開催をはじめ、デンマークのアカデミア人材との交流やネットワーク網を順次拡大することにより、産学...
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東北大、異常なmRNAの分解を促進する新しい品質管理機構を発見
異常なmRNAの分解を促進する新しい品質管理機構を発見 東北大学大学院薬学研究科の稲田利文教授らのグループは、遺伝病の原因となる異常タンパク質の合成を抑制する機構として、 異常なmRNAの分解を促進する新しい品質管理機構を発見しました。細胞の持つ新たな品質管理の仕組みが分子レベルで明らかになるだけでなく、遺伝病の原因となる様々な異常タンパク質の合成を効率的に抑制する治療薬の開発にも貢献する事が期待されます。 【研究内容】 ヒトの体を構成する約60兆個の細胞は、多種多様な機能を持っています。ヒトの遺伝子の数は2万数千個にすぎませんが、最終的なタンパク質の種類が数十倍程度まで増えることで、多...
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理化学研究所、2型糖尿病に関わるグルコース輸送体「GLUT4」上の糖鎖の機能を解明
2型糖尿病に関わるグルコース輸送体「GLUT4」上の糖鎖の機能を解明 −たった1つのN型糖鎖がインスリンに応答した血糖値調節を左右する− ◇ポイント◇ ・N型糖鎖の付加がインスリンに応答するグルコース輸送体の「品質管理」に重要 ・N型糖鎖の構造は、GLUT4が正しい経路で細胞膜へ輸送されるための「目印」 ・血糖値を調節する仕組みや糖尿病発症に糖鎖が果たす役割の解明に期待 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、2型糖尿病に関わるグルコース輸送体「GLUT4」上のN型糖鎖(※1)が、タンパク質の安定性とインスリンへの正しい応答に重要であることを初めて発見しました。これは、理...
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チッソ、海洋性生物由来の発光基質「セレンテラジン」の新規誘導体を販売
「発光基質セレンテラジンの新規誘導体」 本格販売を開始 チッソ株式会社(本社:東京都千代田区大手町、社長:岡田 俊一)は、種々の海洋性生物由来の発光基質「セレンテラジン」の新規誘導体を、11月より本格販売いたします。 セレンテラジンは、2008年度ノーベル化学賞を受賞した下村脩博士が、GFPとともに発見した「カルシウム結合型発光タンパク質イクオリン」の発光源である発光基質です。 近年、医薬品の研究開発や細胞内生体機能の高感度解析においては、各種の発光酵素を利用した手法が注目され、高効率で信頼性が高い酵素および発光基質が求められています。 イクオリンは、医薬品開発における...