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日本原子力研究開発機構
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理研など、インフラの長寿命化を支える先進レーザー診断技術を開発
インフラの長寿命化を支える先進レーザー診断技術の開発 −トンネルなどの保守保全作業の自動化に道筋− ■要旨 理化学研究所(理研)光量子工学研究領域の緑川克美領域長、和田智之グループディレクター、加瀬究先任研究員と、レーザー技術総合研究所(レーザー総研)の島田義則主任研究員、倉橋慎理研究員と、量子科学技術研究開発機構(量研機構)の河内哲哉経営企画部次長、錦野将元上席研究員と、日本原子力研究開発機構(原子力機構)の大道博行特任参与、山田知典研究員らの共同研究グループは、トンネルなどのインフラの保守保全作業を、自動化、効率化するために「レーザー高空間分解能計測」、「レーザー打音」、...
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大量に塩(えん)を含む氷の特異な構造を解明 1.発表者: S.Klotz(パリ第6 ピエール・エ・マリ・キュリー大学/フランス国立科学研究センター 教授) 小松 一生(東京大学大学院理学系研究科附属地殻化学実験施設 准教授) F.Pietrucci(パリ第6 ピエール・エ・マリ・キュリー大学/フランス国立科学研究センター 准教授) 鍵 裕之(東京大学大学院理学系研究科附属地殻化学実験施設 教授) A.A.Ludl(パリ第6 ピエール・エ・マリ・キュリー大学 博士課程大学院生) 町田 真一(一般財団法人 総合科学研究機構 中性子科学センター 研究員) 服部 高典(国立研究開発法人 日本原子力研究開発機...
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東大など、T2K実験でニュートリノの「CP対称性の破れ」の解明に第一歩を踏み出す
T2K実験、ニュートリノの「CP対称性の破れ」の解明に第一歩を踏み出す ■本研究成果のポイント ○ニュートリノと反ニュートリノで電子型ニュートリノ出現が同じ頻度では起きない可能性が高く、CP対称性の破れがあることを示唆する結果を得た。 ○今後データ量を増やしての検証を要するが、ニュートリノと反ニュートリノが違う性質を持つ可能性を示唆する興味深い結果である。 【概要】 T2K実験(※1)(東海−神岡間長基線ニュートリノ振動実験、図1)国際共同研究グループ(以下、T2Kコラボレーション)は、反ミュー型ニュートリノから反電子型ニュートリノへのニュートリノ振動について、2014年の実験開始から...
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熊谷組と茨城大など、ベントナイトとPICで放射性セシウム移行を抑制する技術を開発
放射性セシウムの移行を抑制する新技術高分子化合物と粘土を利用した里山の再生 森林から生活圏への放射性セシウムの移行を抑制する新技術高分子化合物と粘土を利用、自然の力を使って穏やかに里山を再生〜福島県飯舘村などで実証実験を展開 生活圏の再汚染の防止へ期待〜 株式会社熊谷組(取締役社長 樋口靖)は、熊谷組グループのテクノス株式会社(代表取締役社長 森田 栄治 本社:愛知県豊川市)と、茨城大学(学長 三村 信男)工学部の熊沢紀之准教授の研究室、日本原子力研究開発機構(JAEA)(理事長 児玉 敏雄 本部:茨城県那珂郡)の長縄弘親博士らによる研究グループと共同で、放射性セシウムを吸着でき...
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東大など、福島の放射能汚染を模した実験によりセシウムを強く吸着する鉱物を特定
福島の放射能汚染を模した実験によりセシウムを強く吸着する鉱物を特定 1.発表者: 向井 広樹(東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 特任研究員) 廣瀬 農(東京大学 大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻 特任助教) 小暮 敏博(東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 准教授) 矢板 毅(国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構 量子ビーム応用研究センター放射光エネルギー材料研究ディビジョン ディビジョン長) 2.発表のポイント: ◆福島第一原発事故による放射能汚染の実態を考慮した実験条件でセシウムの吸脱着試験を行い、セシウムは福島の風化黒雲母に選択的...
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東北大など、液体金属流から電気エネルギーを取り出せることを解明
液体金属流から電気エネルギーを取り出せることを解明 〜電子の自転運動を利用した新しい発電へ〜 ■ポイント >電子の自転運動と液体金属の渦運動が量子力学的に相互作用することを世界で初めて証明した。 >電子の自転運動が液体金属流に応じて変化する性質を使った全く新しい発電方法を発見した。 >発電装置を超小型化し、ナノサイズの電源技術や流体速度計への応用が期待される。 JST戦略的創造研究推進事業において、ERATO齊藤スピン量子整流プロジェクトの東北大学 大学院理学研究科の高橋 遼(大学院生、兼 日本原子力研究開発機構 先端基礎研究センター 実習生)、日本原子力研究開発機構 先端基礎研究セ...
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日本SGI、JAEAから次期スーパーコンピュータシステムを受注
日本SGI、日本原子力研究開発機構から次期スーパーコンピュータシステムを受注 〜従来比12倍の演算処理性能となる約2.4ペタフロップス、 インテル Xeon プロセッサーベースで国内トップ〜 日本SGI株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:望月学)は、このたび国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(本部:茨城県那珂郡東海村、理事長:児玉敏雄、以下JAEA)から次期スーパーコンピュータシステムを受注しました。本システムは、SGIのブレード型クラスターサーバ「SGI ICE X」を中核とする大規模な並列計算システムで、原子力の安全性向上や原子力防災への技術支援など様々な研究開発に役立てられます。本年11...
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東北大など、酸化物高温強磁性半導体に潜む特異な原子配列の3D原子像化に成功
酸化物高温強磁性半導体に潜む 特異な原子配列の3D原子像化に成功 −高温強磁性の謎解明へ− 【発表のポイント】 ●原子分解能をもつ蛍光X線ホログラフィーを、高温強磁性半導体に適用 ●磁性元素を中心とした特異な原子配列(亜酸化ナノ構造体)を発見 ●亜酸化ナノ構造体の性質解明を推し進めることにより、新しい高温強磁性半導体のデザイン・開発に期待 国立大学法人東北大学金属材料研究所 林 好一准教授、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 胡■博士研究員(現米国ブルックヘブン国立研究所)を中心とする研究グループは、国立大学法人東京大学大学院、公立大学法人広島市立大学、国立大学法人熊本大...
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東北大など、絶縁体に光を照射してスピン流を創り出す新しい原理を発見
絶縁体に光を照射してスピン流を創り出す新しい原理を発見 〜新原理・新機能のエネルギー変換技術開発に道〜 <ポイント> ・光からスピン流を生成できる新しい原理、現象を発見。 ・光、熱、振動、電磁波などのさまざまなエネルギーを単一デバイスの駆動源として用いることが原理的に可能に。 ・新しいエネルギー変換技術や融合研究分野の形成に貢献。 JST戦略的創造研究推進事業において、東北大学 金属材料研究所の内田 健一 准教授らは、特定の金属微粒子を含む磁石に可視光を照射することで、スピン(注1)(磁気)の流れを生成できる新しい原理を実証しました。 近年、持続可能な社会に向けた環境、エネル...
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古河電工、原子力機構からITER(国際熱核融合実験炉)向け超電導ケーブルをを受注
ITER(国際熱核融合実験炉)向け超電導ケーブルを受注 〜夢の恒久的エネルギー源の実現に貢献〜 当社は、現在フランスで建設が進められているITER(国際熱核融合実験炉)で使用される超電導ケーブル約30トンを日本原子力研究開発機構から受注しました。 これまでに受注したITER用超電導ケーブルと合わせて、受注総額は約25億円になります。これらの超電導ケーブルは、2015年2月から2016年10月にかけて納入する計画です。 <背景> ITERは、核融合エネルギーが科学技術的に成立することを実証することを目的として、日本・欧州連合(EU)・ロシア・米国・韓国・中国・インドの七極により進められている超大型...
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日本原子力研究開発機構と東北大など、鉄中の水素を中性子で観測することに成功
鉄に溶けた水素はどこにいる? −鉄中の水素を中性子で観測することに成功− 【発表のポイント】 ●高温高圧力下において鉄に水素が溶ける過程と鉄中に高濃度に水素が溶けた状態を、中性子を用いてそのままの状態で観察することに成功 ●鉄中の水素の存在位置が定説とは異なることを発見 ●実験的に鉄中の水素の位置や量を決定できたことにより、鉄−水素系に新しい理解をもたらし、鉄鋼材料の劣化や地球内部の状態など鉄と水素が関わる研究の進展が期待 独立行政法人日本原子力研究開発機構量子ビーム応用研究センター、J−PARCセンター及び国立大学法人東北大学金属材料研究所は、同大学原子分子材料科学高等研究機...
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理研など、106番元素シーボーギウム(Sg)のカルボニル錯体の合成に成功
106番元素シーボーギウム(Sg)のカルボニル錯体の合成に成功 −Sgが周期表第6族元素に特徴的な化学的性質を持つことを実証− <ポイント> ・超重元素の有機金属錯体を初合成 ・Sgより重い超重元素の有機金属錯体の化学合成や溶液化学研究への展開に期待 ・原子力に重要な超ウラン元素の化学的性質の本質的理解に向けた大きな一歩 <要旨> 理化学研究所(理研、野依良治理事長)と日本原子力研究開発機構(原子力機構、松浦祥次郎理事長)は、106番元素「シーボーギウム(Sg)」の有機金属錯体(カルボニル錯体[1])の化学合成に成功しました。また、その揮発性に関する化学データから、Sgが周期表の第6族...
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東北大など、大きな誘電率と磁気−誘電効果を示すナノグラニュラー材料の開発に成功
大きな誘電率と磁気−誘電効果を示すナノグラニュラー材料の開発に成功 ―新しい多機能性(マルチ・ファンクショナル)材料の発明― 公益財団法人電磁材料研究所(理事長:増本健)の小林伸聖主席研究員、国立大学法人東北大学(総長:里見進)学際科学フロンティア研究所の増本博教授、同金属材料研究所の高橋三郎助教および独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長:松浦祥次郎)先端基礎研究センターの前川禎通センター長の研究グループは、全く新しい発想による多機能性材料の開発に成功しました。開発した材料は、ナノグラニュラー材料(1、2)と呼ばれるナノ磁性粒子を誘電相中に分散させた金属と絶縁体の2相...
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東北大など、Li分析もできる電子顕微鏡用高エネルギー分解能軟X線分光器を開発
Liの分析も可能な電子顕微鏡用高エネルギー分解能軟X線分光器の開発に成功 【ポイント】 ・Li−K発光分析が可能。公称50eVから検出可能。 ・高エネルギー分解能。金属AlのAl−Lスペクトルにおけるフェルミ端部(◆)で0.3eV分解能を保証。 ・検出感度の向上。微量ホウ素など数10ppmが検出可能。 ・スペクトルマップが収集可能。不等間隔溝回折格子(◆)の分光素子、CCDの検出カメラは固定されているため、素子のカバーする全分光領域のスペクトルを一度に測定可能。 ・化学結合状態マッピングが可能。高エネルギー分解能であるため、従来の電子プローブマイクロアナライザー利用のルーチンで化学結合状態分析が可...
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東北大など、アルミニウムを主原料とする新しい水素貯蔵合金の合成に成功
アルミニウムを主原料とする新しい水素貯蔵合金の合成に成功 −軽量かつ繰り返し水素吸放出可能な水素貯蔵合金の実現へのブレークスルー− 【発表のポイント】 ●Al2Cu(◇)合金の水素化反応により侵入型水素化物(Al2CuH(◇))を合成することに成功 ●水素吸収‐放出サイクルが実現可能であることから水素貯蔵合金としての実用化に期待 ●アルミニウムを主原料とする侵入型水素化物の開発研究を大きく加速 ◇「Al2Cu」「Al2CuH」の正式表記は、添付の関連資料を参照 独立行政法人日本原子力研究開発機構の研究グループは、東北大学金属材料研究所、同大学原子分子材料科学高等研究機構との共同研究により、アルミニウ...
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層状コバルト酸化物の高イオン伝導度の原因を解明 −燃料電池などの性能向上へ威力− 【要点】 ○層状コバルト酸化物PrBaCo2O5+δ(*1)における酸化物イオンの高速移動経路を可視化 ○酸化物イオンの高速移動経路が、プラセオジム(Pr)とバリウム(Ba)の規則化により生じる理由を原子スケールで解明 ○新しいイオン伝導体の開発や固体酸化物形燃料電池などの性能向上につながる *1「PrBaCo2O5+δ」の正式表記は添付の関連資料を参照 【概要】 東京工業大学理工学研究科の八島 正知教授ら及び英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのキルナー ジョン教授らの研究グループは、層状コバルト酸化物の「プラセオジム...
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磁気の波を用いた熱エネルギー移動に成功 −次世代電子情報・マイクロ波デバイスの省エネルギー技術開発に道− 【発表のポイント】 ・磁気の波(スピン波)を用いて熱エネルギーを望みの方向に移動させる基本原理を実証 ・新しい熱エネルギー輸送法として、次世代電子情報・マイクロ波デバイスの省エネルギー技術への応用に期待 東北大学金属材料研究所の安東秀助教、東北大学原子分子材料科学高等研究機構の齊藤英治教授(東北大学金属材料研究所教授、日本原子力研究開発機構先端基礎研究センター客員グループリーダー、兼任)、日本原子力研究開発機構先端基礎研究センターの前川禎通センター長、東邦大学理学部の...
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熊谷組、IHIなどと共同で自走式放射線2次元分布測定システムを開発
プラスチックシンチレーションファイバー(PSF)を用いた 自走式放射線2次元分布測定システムの開発 株式会社熊谷組(取締役社長 大田弘)は、株式会社IHI(代表取締役社長 斎藤保 本社:東京都江東区)、IHI建機株式会社(取締役社長 齋藤道夫 本社:神奈川県横浜市)と共同で、放射性物質で汚染された地表面の放射線分布を建設機械に搭載した放射線測定器で面的に計測するシステムを開発しました。この計測システムを使用することにより、除染作業の効率化を果たしました。 1.背景 従来の放射線計測システムでは、人力で放射線を格子点で測定するため、大面積の測定に多大な時間を要していました。また、格...
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東北大と原子力機構、ペロブスカイト型水素化物の形成過程を解明
環境にやさしい<水素>を利用した新たな機能材料の開発指針を得る − ペロブスカイト型水素化物の形成過程を解明 − 【発表のポイント】 ●ペロブスカイト構造を持つ新しい水素化物(LiNiH3)を高温高圧下の水素化反応によって合成。その形成過程を高輝度放射光X線回折測定でその場観察し、形成機構を解明した。 ●ペロブスカイト型水素化物は水素貯蔵材料としての機能に加えて、ペロブカイト型酸化物と同様に、超伝導などの多様な物性・機能性を示すものと期待されているが、合成の報告は限られていた。 ●形成機構の解明により、ペロブスカイト型水素化物の設計・開発指針が得られ、今後の材料開発研究が大いに加速...
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JAXAと三菱重工など、放射性物質を可視化する「放射性物質見える化カメラ」を開発
放射性物質を可視化する「放射性物質見える化カメラ」を開発 世界最先端の超広角コンプトンカメラをベースに 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業株式会社(MHI)は、放射性物質の分布状況を可視化する特殊なカメラ装置「放射性物質見える化カメラ」のプロトタイプ機『ASTROCAM 7000』を共同開発しました。これはJAXAが中心となって開発に成功した「超広角コンプトンカメラ」をベースに改良したもので、感度、画像、視野角などでこれまでにない優れた性能を実現しました。 現在、JAXA、MHIに国立大学法人 名古屋大学を加えた開発チームが、「先端計測分析技術・機...
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コメのカドミウム汚染をなくす遺伝子を発見 <発表者> 石川 覚(独立行政法人農業環境技術研究所土壌環境研究領域 主任研究員) 石丸 泰寛(東北大学大学院理学研究科化学専攻 助教、東京大学大学院農学生命科学研究科農学国際専攻 特任研究員;当時) 倉俣 正人(独立行政法人農業環境技術研究所土壌環境研究領域 農環研特別研究員) 安部 匡(独立行政法人農業環境技術研究所土壌環境研究領域 農環研特別研究員) 井倉 将人(独立行政法人農業環境技術研究所土壌環境研究領域任期付研究員、同上農環研特別研究員;当時) 瀬野浦武志(石川県立大学生物資源工学研究所特任研究員、東京大学大学院農学...
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神戸製鋼グループ、ITERプロジェクト向け超電導線材を開発・受注
ITER向け超電導線材の開発・受注について 神戸製鋼グループの超電導線材・マグネットの製造・販売会社であるジャパンスーパーコンダクタテクノロジー株式会社(略称 JASTEC、以下 当社)は、核融合実験の国際プロジェクトであるITERプロジェクトで使用される超電導線材約21トン(総額約18億円)を日本原子力研究開発機構(以下 JAEA)から受注しました。当社の門司工場(北九州市)で製造したNb3Sn(ニオブ3スズ)超電導線材を三菱電線工業/熊谷製作所で撚線し、2013年2月から14年1月にかけてJAEAに納入する計画です。 核融合とは、2つのイオン(原子核)が衝突して融合...
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理化学研究所と原子力機構、電子スピンから分化したN極とS極のヒッグス転移を磁性体で観測
電子スピンから分化したN極とS極のヒッグス転移を磁性体で観測 −磁荷を損失なく運ぶ新しいスピントロニクスの可能性を示唆− ◇ポイント◇ 絶対温度0.21度で磁性体Yb2Ti2O7が強磁性状態へ転移する様子を観測 転移温度より高温の常磁性状態では、電子スピンのN極とS極が分化 転移温度より低温の強磁性状態では、分化したN極とS極の超伝導状態を示唆 理化学研究所(野依良治理事長)と日本原子力研究開発機構(鈴木篤之理事長)は、磁性体Yb2Ti2O7を絶対温度(※1)0.3度まで冷却すると、電子スピンのN極とS極が分化する証拠の一端を見いだしました。さらに低温の絶対温度0.21度...
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京大、鉄原子を含む高温超伝導体の仕組みを解くカギ「電子のネマティック液晶状態」を発見
鉄原子を含む高温超伝導体の仕組みを解くカギ「電子のネマティック液晶状態」を発見 笠原成 理学研究科研究員(低温物質科学研究センター特定研究員)、芝内孝禎 同准教授、松田祐司 同教授は、杉本邦久 高輝度光科学研究センター(JASRI)研究員、福田竜生 日本原子力研究開発機構(JAEA)研究員と共同で、高温超伝導の舞台となる電子状態の異常性の一端を明らかにしました。 今回の成果は、高温超伝導体中の電子の集団が、超伝導転移を起こすよりも高温で、自発的に結晶格子の持つ回転対称性を破った状態に相転移を起こすことを示したものです。この対称性を破った状態は、液晶ディスプレーなどで用い...
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東北大学、Si基板上に成長させた次世代電子材料グラフェンの多機能化に成功
Si基板上へのグラフェン多機能デバイスの開発に道 <概要> 東北大学電気通信研究所の吹留博一助教らは、シリコン(Si)基板の面方位による、Si基板上に成長させた次世代電子材料グラフェン(GOS)の多機能化(金属性・半導体性の切り分け)に成功し、GOSを用いたトランジスタの集積化も可能であることを示しました。 現在の半導体集積技術を用いてグラフェンの多機能化・集積可能性を示したことは、グラフェンの多機能集積回路への道を拓いたという意味で、画期的な成果です。 1.発表内容 国立大学法人東北大学(総長井上明久)電気通信研究所(以下「東北大通研」)の吹留博一助教、末光眞希教授及び...
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JSTと大阪大学、中性子ビームを極めて高効率で集光させることができる楕円面スーパーミラーを開発
世界最高性能の中性子集光技術を確立 −中性子ビームの強度を50倍以上に増強するミラーの開発に成功− JST 研究成果展開事業【先端計測分析技術・機器開発プログラム】要素技術タイプの一環として、大阪大学 大学院工学研究科の山村 和也 准教授と日本原子力研究開発機構 J−PARCセンターの曽山 和彦 セクションリーダーらの開発チームは、中性子ビームを極めて高効率で集光させることができる楕円面スーパーミラー(注1)の開発に成功しました。この楕円面スーパーミラーを用いると、単位面積あたりの中性子ビームの照射強度が、ミラーを使用しない時と比較して50倍以上に増加します。 中性子は陽...
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JASRI、産総研などと共同で希土類金属水素化物の結晶構造の一般則を確立
希土類金属水素化物の結晶構造の一般則を確立 −水素吸蔵材料の設計指針に重要な知見を提供− 高輝度光科学研究センター(以下「JASRI」、理事長 白川 哲久)は、産業技術総合研究所(以下「産総研」、理事長 野間口 有)、日本原子力研究開発機構(以下「JAEA」、理事長 鈴木 篤之)、大阪大学(総長 鷲田 清一)、および新エネルギー・産業技術総合開発機構(理事長 村田 成二)と共同で、希土類金属水素化物が水素濃度によって取りうる結晶構造の一般則を、大型放射光施設SPring−8(※1)の高輝度X線を用いて世界ではじめて確立しました。 希土類金属(※2)は金属原子1個当たり最大...
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東京電力、福島第一原子力発電所における社員の被ばく線量の確定作業状況を発表
福島第一原子力発電所における当社社員の被ばく線量の確定作業状況について 当社は、福島第一原子力発電所における緊急作業時に従事した当社社員の内部被ばく線量の評価作業を、順次、実施しております。 この内部被ばく線量の評価作業の中で、昨日、当社男性社員2名における甲状腺の体内放射能量(よう素131)が高いことが確認された旨、測定・評価のご協力をいただいている独立行政法人日本原子力研究開発機構殿より当社に報告がありました。 今後、独立行政法人放射線医学総合研究所殿による健康診断を受けるとともに、ご助言をいただきながら、当該社員2名の内部被ばく線量の詳細評価を行い、被ばく線量の確...
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東大とJSTなど、ありふれた永久磁石にマルチフェロイックの特性を持たせる技術を開発
ありふれた永久磁石をマルチフェロイック磁石に (強磁性体と強誘電体の性質を持つ多能材料に一歩前進) JST 課題解決型基礎研究の一環として、東京大学 大学院工学系研究科の十倉 好紀 教授とJST 戦略的創造研究推進事業 ERATO型研究「十倉マルチフェロイックスプロジェクト」の徳永 祐介 研究員らの研究グループは、室温でのマルチフェロイック材料につながる新しい材料を開発しました。 「マルチフェロイック材料」とは、磁石の性質(強磁性)と誘電性(強誘電性)の性質を併せ持つ材料のことです。電場(電圧)により磁石の強度を制御でき、また、磁場によっても電気分極の強度を制御できるとい...
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日立GEニュークリア・エナジー、沸騰水型原子炉を利用した放射性医薬品原料の製造技術を開発
沸騰水型原子炉(BWR)を利用した放射性医薬品原料の 製造技術開発について モリブデン−99(*1)/テクネチウム−99m(*2)の安定供給のための官民検討会に参画 日立GEニュークリア・エナジー株式会社(取締役社長:羽生正治/以下、日立GE)は、GE日立ニュークリア・エナジー社(以下、GE日立)と協力し、商業発電用の沸騰水型原子炉(BWR)を利用したモリブデン−99の製造技術開発について実用調査研究を行うことを決定しました。また、日立GEは、日本の官民の関係機関により設立された「モリブデン−99/テクネチウム−99mの安定供給のための官民検討会」(*3)(事務局:内閣府/...