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ニューロン
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東大、自閉症関連因子DCLKによるMAP7D1のリン酸化が脳の左右をつなぐ神経回路の形成制御に必須と発見
自閉症関連因子ダブルコルチン様キナーゼは微小管結合蛋白質MAP7D1の リン酸化を介して脳神経ネットワークの構築を制御する 1.発表者 古泉博之(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 助教) Joseph Gleeson(ロックフェラー大学 教授) 榎本 和生(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 教授) 2.発表のポイント: ◆ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK、(注1))生理基質として微小管結合蛋白質MAP7D1(注2)を同定しました。 ◆DCLKがMAP7D1のリン酸化を介してマウス大脳皮質ニューロンの脳神経回路形成を制御することを明らかにしました。 ◆MAP7D1のリン酸化状態を制御することにより、DCLKノックア...
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電通ベンチャーズ、子ども向けプログラミング学習プラットフォーム開発の米社に出資
電通が運用するベンチャーファンド「電通ベンチャーズ」、子ども向けプログラミング学習プラットフォーム「ティンカー」開発の米国「ニューロンフュエル社」に出資 株式会社電通(本社:東京都港区、社長:石井 直)が運用するコーポレート・ベンチャーキャピタル・ファンド「電通ベンチャーズ1号グローバルファンド」(以下「電通ベンチャーズ」)は、子ども向けプログラミング学習プラットフォーム「Tynker」(ティンカー)を開発・提供する米国の「Neuron Fuel,Inc.」(本社:サンフランシスコ市、CEO:Krishna Vedati、以下「ニューロンフュエル社」)に出資しました。 ティンカーの特徴は、8〜14歳の子どもを中心対象...
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東大、KIF1Aと呼ばれる分子モーターによる新しい疼痛制御機構を解明
痛みを支えるKIF分子モーター 1.発表者: 田中 庸介(東京大学大学院医学系研究科 分子細胞生物学専攻 細胞生物学分野 助手) 廣川 信隆(東京大学大学院医学系研究科 分子構造・動態・病態学寄付講座 特任教授) 2.発表のポイント: ◆マウスの分子遺伝学を用いた研究を通して、KIF1Aと呼ばれる分子モーターによる新しい疼痛制御機構を解明した。 ◆KIF1Aが感覚ニューロンの軸索末端へと神経栄養因子受容体TrkAを輸送することをはじめて同定し、さらにこの軸索輸送が温痛覚の発現に必須であることを発見した。 ◆生命の根源的な機能を担うKIF分子モーターの感覚神経における生理機能・臨床的意義をとらえ、...
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九大、脊髄ミクログリアに発現するモルヒネ誘発性痛覚過敏の原因分子を同定
脊髄ミクログリアに発現するモルヒネ誘発性痛覚過敏の原因分子を同定 〜モルヒネの副作用軽減へ期待〜 <概要> 九州大学大学院歯学研究院の林 良憲助教、中西 博教授らの研究グループは、脊髄ミクログリア(※1)に特異発現するチャネル分子がモルヒネなどオピオイド鎮痛薬(※2)の長期間使用による痛覚過敏の原因分子であることを同定しました。 モルヒネなどオピオイド鎮痛薬を長期間投与すると痛みの増強(痛覚過敏)が生じ、臨床的に大きな問題となっています。研究グループはマウスを用いた実験で、モルヒネの連日投与がμオピオイド受容体(※3)を介し、脊髄ミクログリアに特異発現するBKチャネル(※4)α...
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大阪市立大と理研、将来の疲労の程度を予測する脳のメカニズムを発見
将来の疲労の程度を予測する脳のメカニズムを発見 <概要> 大阪市立大学大学院医学研究科の石井聡(いしい あきら)病院講師、田中雅彰(たなか まさあき)講師、渡辺恭良(わたなべ やすよし)名誉教授(理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター長)らのグループは、理研ライフサイエンス技術基盤研究センターと共同で、将来の疲労の程度を予測する脳のメカニズムを発見し、このメカニズムが疲労の病態に深く関わっている可能性を明らかにしました。 研究グループは、健康な男性16名を対象に、1時間後の疲労の程度を予測する課題と現時点での疲労の程度を自己評価する課題を実施し、疲労の程度の予測お...
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物体の輪郭を認識する視覚のメカニズムの一端を解明 〜マウスもヒトと同じ仕組みで見ていることを発見〜 <概要> 九州大学大学院医学研究院の大木研一教授、根東覚助教らの研究グループは、物体の輪郭を認識するのに重要な「方位選択性」が、マウスの脳でどのように構築されるのかを調べました。視覚情報は網膜から外側膝状体(※1)を経て大脳視覚野(※2)へと送られます。この経路において、外側膝状体から大脳視覚野に入力する情報には方位選択性がほとんどないことを発見しました。これは、マウスにおいてもヒトと同様に、方位選択性が大脳の神経回路で作られることを意味します。また、大脳視覚野の神経細胞が方位...
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NCNPと理研など、新世界ザルのコモン・マーモセットで「ミラーニューロン」を発見
新世界ザルのコモン・マーモセットで 「ミラーニューロン」を世界で初めて発見 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市、理事長:樋口輝彦)神経研究所(所長:武田伸一)微細構造研究部の一戸紀孝部長、鈴木航室長らの研究グループおよび国立研究開発法人 理化学研究所(RIKEN、埼玉県和光市、理事長:松本紘)脳科学総合研究センター(センター長:利根川進)高次脳機能分子解析チームの共同研究により、同じ動作を自分がしても他人がしても活動する「ミラーニューロン」を、新世界ザルのコモン・マーモセット(Callithrix jacchus)の前頭葉下部から世界で初めて見出しました。「ミラーニュー...
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九大、胎生期の薬剤曝露が海馬に及ぼす長期的な影響とその改善法を解明
妊娠中の抗てんかん薬投与は子どもの学習・記憶障害を引き起こす 〜胎生期の薬剤曝露が海馬に及ぼす長期的な影響とその改善法を解明〜 ■概要 九州大学大学院医学研究院の中島欽一教授と、Berry Juliandi学術研究員らの研究グループは、東北大学、星薬科大学、国立医薬品食品衛生研究所との共同研究により、抗てんかん薬の一つであるバルプロ酸(Valproic acid:VPA)(※1)を妊娠マウスに投与した場合、出生・成長した子どもの脳では神経細胞(ニューロン)産生能が低下してしまうため、学習・記憶に悪影響があることを見出しました。また、この学習・記憶能の低下は、自発的運動(※2)によって改善されることも明らかにして...
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生理学研究所、二者同時記録fMRIを用いた注意共有の神経基盤の研究結果を発表
みつめあった「記憶」は、二者間の脳活動の同期として痕跡を残す ―二者同時記録fMRIを用いた注意共有の神経基盤の研究― ■内容 お互いがみつめあい、お互いへ注意を向け合う状態は、ヒトが他者と複雑なコミュニケーションをおこなう前に必須な準備段階と言えます。この状態は、子供から成人へ成長する中で自然と獲得されます。このことから、互いに注意を向け合うことは、ヒトが他者とコミュニケーションをとる上での礎であると考えられます。しかしこれまでの研究では、ヒトが他者とみつめあっている際、我々自身にどのような現象が起こっているのか、さらには我々の脳内で一体何が起こっているのか、詳細は明らかにされ...
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神経細胞の形態の複雑さを決める新しい因子を発見 −樹状突起の形成を抑制する因子とそのメカニズムを同定− <要旨> 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター神経形態遺伝学研究チームのエイドリアン・ムーア チームリーダー、カグリ・ヤルギン研究員(研究当時)らの国際共同研究グループ(※)は、ショウジョウバエを使い、神経細胞の形態の複雑さを決定する新しい因子「セントロソーミン(Cnn)」とその動作機構を発見しました。 脳や末梢の神経細胞は、樹状突起[1]と呼ばれる枝分かれした細長い突起を伸ばし、周囲の神経細胞とのネットワークを形成しています。樹状突起の分岐の複雑さは神経細胞のタイプに...
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記憶を正しく思い出すための脳の仕組みを解明 〜側頭葉の信号が皮質層にまたがる神経回路を活性化〜 1.発表者:竹田真己 東京大学大学院医学系研究科統合生理学教室 特任講師(研究当時) (現 順天堂大学大学院医学研究科 特任講師) 2.発表のポイント: ◆脳が記憶を思い出すための仕組みは解明されていない。 ◆サルの大脳側頭葉で、記憶を思い出している際に働く領域間の信号と皮質層間の信号が伝播する原理を発見した。 ◆今回明らかになった記憶想起の信号カスケードの知見が、記憶障害の研究などを促進することが期待される。 3.発表概要: 東京大学 大学院医学系研究科の竹田真己...
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昆虫の匂い源探索を担う神経回路を解明 1.発表者: 神崎 亮平(東京大学先端科学技術研究センター 生命知能システム分野 教授) 並木 重宏(米国ハワードヒューズ医学研究所 ジャネリアリサーチキャンパス 研究員 東京大学先端科学技術研究センター 生命知能システム分野 特任助教:当時) 2.発表のポイント: ◆昆虫において、匂い情報の入力から、行動を起こすための命令信号の出力までを担う全ての脳領域と経路を特定しました。 ◆前運動中枢の神経回路が行動を起こすための命令信号を生成することがわかりました。 ◆今回明らかになった回路機構は、スーパーコンピュータ「京」による昆虫の全脳...
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一目惚れの分子メカニズム 異性の存在が性ホルモンの分泌を変える仕組みを解明 この度、早稲田大学教育・総合科学学術院/先端生命医科学センター(TWIns)筒井和義教授および戸張靖子研究助手らのグループは、異性の存在が性ホルモンの分泌を変化させる新しい神経機構を明らかにしました。これまで社会環境の違いが、脳にどのような変化をもたらして人間や動物の行動や生理状態を変化させるのかは不明でしたが、ウズラを用いた本研究により雄が雌を見ると脳内で注意や覚醒に重要な神経伝達物質であるノルエピネフリンの分泌が急性的に高まり、GnIHの分泌を増やすことにより、男性ホルモンの血中濃度を下げることが分かりまし...
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田中貴金属など、サブミクロン金粒子の微細複合パターン印刷技術を提供開始
田中貴金属工業、ニューロング精密工業、太陽化学工業、 サブミクロン金粒子の微細複合パターン印刷技術を12月4日から提供開始 200℃で接合できて300℃まで耐熱可能な接合材料の微細複合パターンを一括で印刷形成可能 MEMSやLEDなど耐熱性の低いデバイスが持つ課題を一挙に解決、スクリーン印刷との組み合わせ技術 田中貴金属工業株式会社(※1)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岡本英彌)、ニューロング精密工業株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:板垣昌幸)、太陽化学工業株式会社(本社:群馬県高崎市、代表取締役社長:小川等)の3社は、サブミクロンサイズ(1万分の1ミリ)の金粒子...
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東北大、空間的記憶や情動的記憶をつかさどる海馬を中心とした神経ネットワークを解明
空間的記憶や情動的記憶をつかさどる 海馬を中心とした神経ネットワークの解明 東北大学大学院生命科学研究科の飯島敏夫教授らのグループは、ニューロン(神経細胞)からニューロンへとシナプスを超えて次々に伝播する遺伝子組換えウイルスを用いて、ラットの海馬に情報を送る神経ネットワークの構造を調べました。カシューナッツのような細長い形のラット海馬体の約3分の2をなす背側の部分(背側海馬)と、残り3分の1をなす腹側の部分(腹側海馬)は近年の研究からそれぞれ、空間的記憶の形成と情動を伴う記憶の形成に強く関与すると考えられてきています。今回の研究でそれぞれの部位は、梨状皮質や内側縫線核、内側...
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東大、マウスにおける筋萎縮性側索硬化症の遺伝子治療実験に成功
マウスにおける筋萎縮性側索硬化症の遺伝子治療実験に成功 −孤発性筋萎縮性側索硬化症の根本治療へ向けた大きなステップ― 1.発表者: 郭 伸(国際医療福祉大学 臨床医学研究センター 特任教授/東京大学大学院医学系研究科附属疾患生命工学センター 臨床医工学部門客員研究員) 山下 雄也(東京大学大学院医学系研究科附属疾患生命工学センター 臨床医工学部門特任研究員) 2.発表のポイント: ◆死に至る難病であり、これまで治療法がなかった筋萎縮性側索硬化症(ALS、(注1))の発症原因に根ざした新規な根本治療法の開発に成功した。 ◆モデルマウスにアデノ随伴ウイルス(注2)を静脈注射し神経...
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神経難病・筋萎縮性側索硬化症の原因に蛋白質分解異常が関与する可能性 −遺伝子改変マウスでの知見から− 神経難病の一つである筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因は未だに多くの謎に包まれ、治療法が確立されていないのが現状です。今回、高橋良輔 医学研究科教授、田代善崇 同教務補佐員、漆谷真 滋賀医科大学分子神経科学研究センター准教授らの研究グループは、蛋白質分解異常に着目した遺伝子改変マウスの作製により、ALSの疾患再現に成功しました。この新たなALSモデルマウスの病巣で蓄積する異常蛋白質の解析や同定により、さらなるALSの機序解明や治療法の開発が期待できます。 この研究成果は、米国科学誌「ジャ...
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京大、霊長類の脳神経回路から特定の経路を選り分ける「二重遺伝子導入法」を開発
霊長類の脳神経回路から特定の経路を選り分ける「二重遺伝子導入法」を開発 渡邉大 生命科学研究科教授、松井亮介 同助教らは、伊佐正 自然科学研究機構生理学研究所教授、木下正治 同特任助教、小林和人 福島県立医科大学教授、加藤成樹 同助教らと共同研究を行い、霊長類モデル動物の複雑な脳神経回路の中で特定の経路の神経情報を可逆的に遮断する技術の開発に成功しました。さらにこの技術により、ヒトをはじめとする霊長類特有の手指の巧みな動きを制御する脳の仕組みの一端が明らかになりました。 本研究成果は英国科学誌「Nature」(6月17日号電子版)に掲載されました。 <概要> 脳には非常...
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胎生期脳の幹細胞から神経細胞が生まれる仕組みの解明 ―サイクリンD2が片方の娘細胞に受け継がれ、未分化性を維持する― 複雑な神経回路を構成する哺乳類の大脳発生過程において、細胞増殖や分化により、多数の神経細胞が秩序だって産生されることは非常に重要です。東北大学大学院医学系研究科の大隅典子教授、恒川雄二研究員(当時、現所属;Scripps研究所)らは、発生期の哺乳類神経幹細胞において、細胞周期調節因子Cyclin D2(サイクリンD2)が脳原基の外側である基底膜面の先端(基底膜面突起、図1参照)に局在することを発見しました。また、Cyclin D2は神経幹細胞が2つの娘細胞に...
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免疫生物研究所、アルツハイマー病研究用「APP770測定キット」を販売
新しいアルツハイマー病研究用、「APP770測定キット」の販売開始について 当社は、明日より開催の認知症学会に合わせ、独立行政法人理化学研究所と共同開発を行ってまいりました新製品、「ヒト血管内皮由来のアミロイド前駆体タンパク質770(以下「APP770」という)測定キット」の販売を平成23年11月21日より行いますのでお知らせいたします。 【概要】 世界の認知症患者数は2010年時点で3,560万人に達すると推定されていますが、認知症全体の60%以上を占めると言われているアルツハイマー型認知症(以下「アルツハイマー病」という)は、最も代表的な認知症疾患です。このアルツハイ...
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慶応大学、「病気の起きはじめ」を再現する遺伝子改変マウスの作成に成功
病気の「起きはじめ」を再現する動物実験ツールの開発に成功 〜「早期発見・早期治療」のための新たな治療法発見につながる成果〜 難病や変性疾患(注1)の多くは、特定の種類の細胞が少しずつ死んでいくことで起きることがよく知られていますが、これらの病気の「起きはじめ」を簡便に詳しく調べるツールはこれまでほぼ皆無でした。慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室(小川 郁教授)の藤岡正人助教と生理学教室(岡野栄之教授)は、米国ハーバード大学医学部(アルバート エッジ准教授)との国際共同研究で、実験者が選んだ細胞に特異的に、しかし一部分のみを観察者の好きなタイミングで細胞死に導くことのできる遺...