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ノックアウトマウス
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理研など、国際標準規格の技術を活用したマウスの大規模解析データを全世界に発信
マウスの大規模解析データを世界へ 〜国際標準規格の技術を活用した生命科学の新たなビッグデータ〜 理化学研究所 バイオリソースセンター マウス表現型知識化ユニットの桝屋 啓志 ユニットリーダーらの研究グループ(※)は、国際連携を通じて解析された各遺伝子の機能をノックアウトしたマウスの115万件に及ぶ表現型 注1)データを、ウェブの国際標準規格に沿った「RDF(Resource Description Framework)データ」として、全世界に発信しました。これらのデータ公開は、国際マウス表現型解析コンソーシアム(IMPC) 注2)のプロジェクトの一環で行われました。2011年に発足したIMPCは、国際連携を通じてマウスの各遺...
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東大、自閉症関連因子DCLKによるMAP7D1のリン酸化が脳の左右をつなぐ神経回路の形成制御に必須と発見
自閉症関連因子ダブルコルチン様キナーゼは微小管結合蛋白質MAP7D1の リン酸化を介して脳神経ネットワークの構築を制御する 1.発表者 古泉博之(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 助教) Joseph Gleeson(ロックフェラー大学 教授) 榎本 和生(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 教授) 2.発表のポイント: ◆ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK、(注1))生理基質として微小管結合蛋白質MAP7D1(注2)を同定しました。 ◆DCLKがMAP7D1のリン酸化を介してマウス大脳皮質ニューロンの脳神経回路形成を制御することを明らかにしました。 ◆MAP7D1のリン酸化状態を制御することにより、DCLKノックア...
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免疫細胞である樹状細胞の分化メカニズムの解明 ‐転写因子GATA2は樹状細胞の分化を制御する‐ 【研究概要】 東北大学大学院医学系研究科血液免疫病学分野の張替 秀郎(はりがえ ひでお)教授らのグループは、免疫細胞の1つである樹状細胞(dendritic cell:DC)について、細胞分化する際に転写因子GATA2が重要な役割を担っている可能性を明らかにしました。樹状細胞はTリンパ球を活性化する役割を持ち、薬剤によってGATA2の欠損を誘導したマウスでは、脾臓における樹状細胞の数が顕著に減少していました。本研究によって、GATA2異常に伴う難治性の免疫不全症の病態解明に貢献することが期待されます。 本研究成果は、201...
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理研・横浜市大・東京医科歯科大、骨硬化性骨幹端異形成症の原因遺伝子を発見
骨硬化性骨幹端異形成症の原因遺伝子を発見 −異常な骨密度上昇のメカニズムを解明− ■要旨 理化学研究所(理研)統合生命医科学研究センター骨関節疾患研究チームの池川志郎チームリーダー、飯田有俊上級研究員、横浜市立大学学術院医学群の松本直通教授、東京医科歯科大学大学院の中島友紀教授らの共同研究グループ(※)は、骨密度が異常に上昇する骨硬化性骨幹端異形成症の原因遺伝子の1つ「LRRK1」[1]を発見しました。さらに、LRRK1の機能喪失変異により、骨吸収作用を担っている破骨細胞[2]が機能不全を起こし、異常に骨密度が上昇するメカニズムを明らかにしました。 骨硬化性骨幹端異形成症は、大理石骨...
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トランスジェニック、米社とノックアウトマウスの全世界での独占販売契約を締結
米国デルタジェン社ノックアウトマウスの全世界での独占販売契約締結のお知らせ 株式会社トランスジェニック(代表取締役社長:福永健司、福岡市)は、2016年3月10日にDeltagen, Inc.(President and CEO:Robert J. Driscol, J.D.、米国カリフォルニア州 以下、デルタジェン社)との間で、デルタジェン社が有するノックアウトマウスに関して、全世界における独占販売契約を締結いたしましたので、お知らせいたします。 デルタジェン社は、Gタンパク質共役型受容体ファミリー(GPCR)など創薬ターゲットとなりうる可能性の高い遺伝子を中心に、約900系統ものノックアウトマウスを作製・保有しております。当社は...
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次世代型逆遺伝学による睡眠遺伝子Nr3aの発見 −交配不要で解析も簡便かつ低コストな新しい逆遺伝学を確立− <要旨> 理化学研究所(理研)生命システム研究センター合成生物学研究グループの上田泰己グループディレクター、砂川玄志郎 元研究員(現 理研多細胞システム形成研究センター網膜再生医療研究開発プロジェクト研究員)、鵜飼(蓼沼)磨貴テクニカルスタッフI、ディミトリ・ペリン元研究員(現 客員研究員)、高速ゲノム変異マウス作製支援ユニットの隅山健太ユニットリーダーらの研究チームは、特定の遺伝子をノックアウトした個体を、交配を必要とせず効率よく作製する「トリプルCRISPR法」と、呼吸パターン...
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九大、免疫細胞が自分自身を攻撃しないために必要な新たな仕組みを発見
免疫細胞が自分自身を攻撃しないために必要な新たな仕組みを発見 −自己免疫疾患の発症機構の解明に期待− ■概要 九州大学生体防御医学研究所の福井宣規主幹教授、同大学院生の柳原豊史らの研究グループは、T細胞(※1)と呼ばれる白血球が、自分の身体を攻撃しない「免疫寛容」という機能を獲得するために必要な新たな仕組みを発見しました。 免疫反応が本来攻撃しないはずの自己組織に向けられると、自己免疫疾患(※2)が発症します。 この自己組織への攻撃をしないようにT細胞を教育する場所が胸腺と呼ばれる組織ですが、どのような仕組みでこの教育が行われているのか、解明されていませんでした。 研究グルー...
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腸内細菌が免疫調節たんぱく質と免疫制御細胞を誘導し 腸管免疫の恒常性を保つしくみを解明 −腸炎やアレルギーを抑制できる可能性− 慶應義塾大学医学部微生物学・免疫学教室の研究グループ(吉村昭彦教授ら)は、同内科学教室(消化器)の金井隆典教授らとの共同研究により、腸内の細菌叢を改善するプロバイオティクス(注1)であるクロストリジウム属細菌の菌体成分ペプチドグリカン(注2)が、免疫調節たんぱく質と免疫制御細胞を誘導し、腸炎を抑えるしくみを解明しました。 本研究グループは、クロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI588株(注3)(以下、本クロストリジウム菌株)を餌に混ぜてマウスに投与し、免...
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日本製粉グループ、東京医科歯科大などと簡便かつ高効率な遺伝子改変技術を共同開発
(株)ファスマックが世界最高水準の遺伝子改変技術を共同開発 ―ゲノム編集技術を大きく改良― 【ポイント】 ゲノム編集技術(1)の一つCRISPR/Casシステム(2)を改良し、ノックインマウス(3)を約50%の効率で作製することに成功しました。これにより、遺伝子改変を利用した基礎から応用までの広範囲な研究開発が加速されると期待されます。 日本製粉グループの株式会社ファスマック(社長 布藤 聡)は、東京医科歯科大学・難治疾患研究所・分子神経科学分野の田中光一教授と相田知海助教の研究グループ、広島大学、慶應義塾大学との共同研究で、簡便かつ高効率な遺伝子改変技術を開発しました。 この研究は...
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明大と自治医大など、効率的な方法で短期間に免疫のないブタを作ることに成功
効率的な方法で、短期間に免疫のないブタを作ることに成功 <ポイント> ・医学研究用ブタの作出は非常に煩雑で多くの時間がかかっていた。 ・人工酵素と体細胞核移植を組み合わせた効率的な方法で、免疫不全ブタを作ることに成功。 ・免疫のないブタは、ヒトの重症複合型免疫不全症(SCID)(注1)の疾患モデルや、新しい幹細胞治療法やがん治療法の評価・開発などへの貢献が大きく期待される。 JST課題達成型基礎研究の一環として、明治大学の渡邊將人(まさひと)特任講師と長嶋比呂志教授、自治医科大学花園豊教授らは、人工酵素と体細胞核移植を組み合わせた効率的な方法により、短期間(6か月)で免疫のない(...
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東大、マウスにおける筋萎縮性側索硬化症の遺伝子治療実験に成功
マウスにおける筋萎縮性側索硬化症の遺伝子治療実験に成功 −孤発性筋萎縮性側索硬化症の根本治療へ向けた大きなステップ― 1.発表者: 郭 伸(国際医療福祉大学 臨床医学研究センター 特任教授/東京大学大学院医学系研究科附属疾患生命工学センター 臨床医工学部門客員研究員) 山下 雄也(東京大学大学院医学系研究科附属疾患生命工学センター 臨床医工学部門特任研究員) 2.発表のポイント: ◆死に至る難病であり、これまで治療法がなかった筋萎縮性側索硬化症(ALS、(注1))の発症原因に根ざした新規な根本治療法の開発に成功した。 ◆モデルマウスにアデノ随伴ウイルス(注2)を静脈注射し神経...
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東北大、マウス視神経挫滅モデルにおけるNrf2活性剤の神経保護作用を確認
緑内障の神経保護治療への新しいアプローチ マウス視神経挫滅モデルにおけるNrf2活性剤の神経保護作用 【概要】 東北大学大学院医学系研究科の中澤徹教授、丸山和一講師、檜森紀子助教らは、酸化ストレス防御機構において中心的な役割を担う転写因子であるNrf2(NF−E2 related factor2)の網膜神経節細胞死に対する関与、Nrf2活性剤の神経保護作用を明らかにしました。今後、Nrf2は緑内障における新規治療ターゲット分子となる可能性が期待できます。 本研究結果は、Journal of Neurochemistry(電子版)に5月30日に掲載されました。 【研究内容】 緑内障(注1)は40歳以上の約5%が罹患し、日本人における失明原因の...
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東大、赤痢菌は感染細胞が菌排除の目的で行う細胞死を自ら阻止することを発見
赤痢菌は感染細胞が菌排除の目的で行う細胞死を自ら阻止する ―赤痢菌のカスパーゼ−4に対する新規阻害因子の発見― 1.発表者: 小林 泰良(東京大学医科学研究所附属感染症国際研究センター 感染制御系 細菌学分野 学術支援専門職員) 三室 仁美(東京大学医科学研究所附属感染症国際研究センター 感染制御系 細菌学分野 准教授) 笹川 千尋(東京大学 名誉教授) 2.発表のポイント: ◆どのような成果を出したのか 上皮細胞は細菌感染に応答してカスパーゼ4依存的な細胞死を起こして病原体を取り除くが、赤痢菌はカスパーゼ4特異的な阻害因子を分泌してこれに抵抗する高度な戦略を有していた。 ◆...
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東北大、Larp7が機能しなくなると生殖細胞の増殖が停止することを発見
生殖細胞の増殖を保証する転写制御機構 胎仔(たいじ)に存在する未分化な生殖細胞は活発に増殖しますが、私たちは転写制御因子であるLarp7が機能しなくなると、細胞周期の進行を阻害する遺伝子の発現が誘導され、その増殖が停止することを発見しました。この結果は、この遺伝子の異常が生殖細胞の形成不全に原因のある不妊症や、始原生殖細胞の増殖異常により引き起こされる一部の小児腫瘍の原因となっている可能性を示唆しています。本研究結果は、11月15日付でGenes&Development誌電子版に掲載されます。 【研究成果の概要】 胎仔に存在する始原生殖細胞は、精子や卵子の元となる未分化な...
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重症免疫不全SCIDラットの作製:ヒトiPS細胞、がん細胞、肝細胞をラット体内で培養することに成功 真下知士(ましもともじ)医学研究科附属動物実験施設特定准教授らの研究グループは、放射線生物研究センター、iPS細胞研究所、京大アステラス創薬プロジェクト(AKプロジェクト)、株式会社フェニックスバイオとの共同研究により、人工酵素ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を利用することで、世界で初めて重症免疫不全SCIDラットを作製することに成功しました。 免疫不全SCIDラットは、免疫学研究、移植研究、幹細胞研究などに広く利用されているSCIDマウスと比べて、より重度の免疫不全...
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東北大、糖尿病網膜症の網膜神経節細胞死を薬剤で抑制することに成功
糖尿病網膜症における網膜神経節細胞死を 薬剤で抑制することに成功 東北大学大学院医学系研究科(眼科学分野、附属創生応用医学研究センター酸素医学コアセンター)の中澤徹教授らの研究グループは、糖尿病網膜症の初期に生じる網膜神経節細胞死に酸化ストレスとカルパイン分子の活性化が関わることを、マウスモデルを用いて解明し、網膜神経節細胞死の進行を薬剤で遅延させることに成功しました。これらの成果は国際学術誌Neurobiology of Diseaseに間もなく掲載されます。 【研究内容】 東北大学大学院医学系研究科(眼科学分野、附属創生応用医学研究センター酸素医学コアセンター)の中澤...