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大脳皮質
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神経難病大脳皮質基底核症候群の新しい画像診断法を確立 ‐新規PETプローブによる病状進行の可視化へ‐ 【研究概要】 大脳皮質基底核症候群は、タウと呼ばれるタンパク質の凝集と蓄積が特徴とされる神経難病です。日常診療では診断に苦慮することも少なくなく、正確かつ早期に診断が可能となる検査法の確立が望まれますが、生体内でのタウ凝集体の蓄積を測定することが困難で、定量的な病状の評価ができませんでした。東北大学大学院医学系研究科神経内科学分野青木 正志(あおき まさし)教授、東北医科薬科大学医学部薬理学教室岡村 信行(おかむら のぶゆき)教授らのグループは、新規に開発されたPETプローブを用いて...
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東大、自閉症関連因子DCLKによるMAP7D1のリン酸化が脳の左右をつなぐ神経回路の形成制御に必須と発見
自閉症関連因子ダブルコルチン様キナーゼは微小管結合蛋白質MAP7D1の リン酸化を介して脳神経ネットワークの構築を制御する 1.発表者 古泉博之(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 助教) Joseph Gleeson(ロックフェラー大学 教授) 榎本 和生(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 教授) 2.発表のポイント: ◆ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK、(注1))生理基質として微小管結合蛋白質MAP7D1(注2)を同定しました。 ◆DCLKがMAP7D1のリン酸化を介してマウス大脳皮質ニューロンの脳神経回路形成を制御することを明らかにしました。 ◆MAP7D1のリン酸化状態を制御することにより、DCLKノックア...
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九大と東大など、安静時脳活動の詳細な時空間構造を神経発火と脳血流の両面から解明
脳の神経活動の空間パターンは脳血流のパターンに写し取られる 〜安静時脳活動の詳細な時空間構造を神経発火と脳血流の両面から解明〜 九州大学大学院医学研究院・東京大学大学院医学系研究科の大木研一教授、東京大学大学院医学系研究科の松井鉄平助教、九州大学大学院医学研究院の村上知成博士課程3年生らの研究グループは、安静時における脳活動の詳細な時空間構造、更にそれが脳血流に変換される様子を観察することに成功しました。行動していない状態の動物で自発的に起きる安静時脳活動は、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)により脳血流信号でも観察できるため近年活発に研究され、脳疾患診断などへの応用が期待されてい...
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神経細胞が特定のタイプにのみ分化するメカニズムを解明 脳には多くのタイプの神経細胞が存在し、それぞれが異なる役割を分担して、機能しています。しかし、その分化(注1)のメカニズムの詳細はわかっていませんでした。慶應義塾大学医学部解剖学教室の大石康二講師(非常勤)、仲嶋一範教授らの研究チームは、大脳皮質の神経細胞が、特定のタイプの神経細胞のみに分化するメカニズムを明らかにしました。 神経系における情報処理の司令塔である大脳皮質(注2)では、情報の入力、処理、出力が行われます。これらは、大脳皮質に存在するさまざまなタイプの神経細胞にその役割が担われています。今回の研究では、大脳...
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慶大、脳の神経細胞は置かれた場所の環境により別の種類の神経細胞に変わることを発見
脳の神経細胞は、置かれた場所の環境によって 別の種類の神経細胞に変わってしまうことを発見 慶應義塾大学医学部解剖学教室の大石康二講師(非常勤)、仲嶋一範教授らの研究チームは、マウスの子宮内胎児の大脳皮質の神経細胞を、人為的に本来と異なる場所に配置させると、神経細胞としての最終運命が変化し、本来の形や性質が異なる別の種類の神経細胞に変化することを見出しました。 複雑な機械製品が多数の部品から作られるように、脳の高次機能を担う大脳皮質(注1)は、異なった形や性質を持つ様々な種類の神経細胞から構成されています。これまで、これらの神経細胞の最終的な形や性質は、胎生期にそれらの細胞が...
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生理学研究所、二者同時記録fMRIを用いた注意共有の神経基盤の研究結果を発表
みつめあった「記憶」は、二者間の脳活動の同期として痕跡を残す ―二者同時記録fMRIを用いた注意共有の神経基盤の研究― ■内容 お互いがみつめあい、お互いへ注意を向け合う状態は、ヒトが他者と複雑なコミュニケーションをおこなう前に必須な準備段階と言えます。この状態は、子供から成人へ成長する中で自然と獲得されます。このことから、互いに注意を向け合うことは、ヒトが他者とコミュニケーションをとる上での礎であると考えられます。しかしこれまでの研究では、ヒトが他者とみつめあっている際、我々自身にどのような現象が起こっているのか、さらには我々の脳内で一体何が起こっているのか、詳細は明らかにされ...
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九大と京大、大脳視覚野の神経細胞が機能を獲得するメカニズムを解明
大脳視覚野の神経細胞が機能を獲得するメカニズムを解明 最初は神経活動によらず機能を獲得し、その後神経活動に依存して環境に最適化することを発見 ●概要 九州大学大学院医学研究院の大木研一教授、同大学院生の萩原賢太、京都大学大学院理学研究科の田川義晃講師らの研究グループは、視覚情報を処理する大脳の神経細胞が、最初は神経活動によらずに機能を獲得し、その後、神経活動に依存して機能を環境に最適化させることを発見しました。これは、「脳の発達を左右するのは氏か育ちか」の議論に貢献する結果です。大脳機能の発達メカニズムの解明へ向けて大きく前進するものであるとともに、発達期における神経活動の異...
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日立メディコ、脳活動を可視化する光トポグラフィ装置「ETG−4100」を発売
脳活動を可視化する光トポグラフィ装置の新製品「ETG−4100」を発売 精神科における光トポグラフィ検査と臨床研究をサポートする機能を充実 ※製品画像は添付の関連資料を参照 株式会社日立メディコ(取締役社長:山本 章雄/以下、当社)は、被検者の頭部に装着するプローブを軽量化するとともに臨床研究を支援する機能を搭載した光トポグラフィ装置「ETG−4100」を、本日より日本国内で発売します。 1.開発の背景 日本における精神疾患患者数は300万人を超え(*1)、精神疾患対策は社会問題となり、厚生労働省は、地域医療の基本方針として策定すべき疾病(従来はがん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病...
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東北大、Muse細胞を用いて脳梗塞動物モデルの失われた神経機能の回復に成功
Muse細胞がもたらす医療革新 ‐動物モデルにおいて脳梗塞で失われた機能の回復に成功‐ 【研究概要】 東北大学大学院医学系研究科の出澤真理(でざわまり)教授と冨永悌二(とみながていじ)教授らのグループは、ヒト皮膚由来多能性幹細胞(Muse細胞)を用いて脳梗塞動物モデルの失われた神経機能の回復に成功しました。Muse細胞は生体内に存在する自然の多能性幹細胞です。ヒト皮膚由来Muse細胞を脳梗塞のモデル動物(ラット)に移植したところ、梗塞部位に生着して自発的に神経に分化し、さらに大脳皮質から脊髄までの運動・知覚回路網を再構築しました。脳梗塞で失われた運動・知覚機能の回復は約3ヶ月後も維持され、腫瘍形...