遺伝性不妊の宿主に感染細菌が卵を復活させる仕組みを解明 ―ショウジョウバエでの研究成果―  約半数の昆虫に感染しているとされるボルバキア(*1)という共生細菌は、感染している母虫の卵に入り込んで、宿主の次世代へと伝わっていきます。雄の宿主からは伝搬しません。そのためボルバキア菌は、感染した雌が繁殖上有利になるよう、様々な戦略で宿主を操作します。たとえば、宿主の雄をことごとく雌に性転換させる、雄を全て殺す、雌の単為生殖を可能にする、非感染雌との交尾では受精が起こらない(*2)ようにする、など実に多彩です。しかし、なぜボルバキア菌にこんな宿主操作ができるのか、従来全く不明でした。 ...