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東北大、遺伝性不妊の宿主に感染細菌が卵を復活させる仕組みを解明
遺伝性不妊の宿主に感染細菌が卵を復活させる仕組みを解明 ―ショウジョウバエでの研究成果― 約半数の昆虫に感染しているとされるボルバキア(*1)という共生細菌は、感染している母虫の卵に入り込んで、宿主の次世代へと伝わっていきます。雄の宿主からは伝搬しません。そのためボルバキア菌は、感染した雌が繁殖上有利になるよう、様々な戦略で宿主を操作します。たとえば、宿主の雄をことごとく雌に性転換させる、雄を全て殺す、雌の単為生殖を可能にする、非感染雌との交尾では受精が起こらない(*2)ようにする、など実に多彩です。しかし、なぜボルバキア菌にこんな宿主操作ができるのか、従来全く不明でした。 ...
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理研と横浜市立大と東北大、軸性脊椎骨幹端異形成症の原因遺伝子を発見
軸性脊椎骨幹端異形成症の原因遺伝子を発見 −網膜色素変性症、骨系統疾患の発症機構解明や新治療法の開発に道− <要旨> 理化学研究所(理研)統合生命医科学研究センター骨関節疾患研究チームの池川志郎チームリーダー、王■(ワン・ゼン)研究員、飯田有俊上級研究員、横浜市立大学学術院医学群の松本直通教授、東北大学大学院医学系研究科の 西口康二准教授らの共同研究グループ(※)は、遺伝性の難病である軸性脊椎骨幹端異形成症の原因遺伝子「C21orf2」を発見しました。C21orf2遺伝子の機能喪失により、網膜視細胞や成長軟骨細胞の繊毛の機能不全が起こり、同疾患を発症するメカニズムを解明しました。 ※...
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九大、免疫細胞が自分自身を攻撃しないために必要な新たな仕組みを発見
免疫細胞が自分自身を攻撃しないために必要な新たな仕組みを発見 −自己免疫疾患の発症機構の解明に期待− ■概要 九州大学生体防御医学研究所の福井宣規主幹教授、同大学院生の柳原豊史らの研究グループは、T細胞(※1)と呼ばれる白血球が、自分の身体を攻撃しない「免疫寛容」という機能を獲得するために必要な新たな仕組みを発見しました。 免疫反応が本来攻撃しないはずの自己組織に向けられると、自己免疫疾患(※2)が発症します。 この自己組織への攻撃をしないようにT細胞を教育する場所が胸腺と呼ばれる組織ですが、どのような仕組みでこの教育が行われているのか、解明されていませんでした。 研究グルー...
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遺伝性筋疾患を引き起こす遺伝子変異を発見 ‐RNA結合タンパク質遺伝子の変異が封入体ミオパチーの原因となる‐ 【研究概要】 ミオパチーは病状の進行とともに筋力の低下や筋肉の萎縮が生じる筋変性疾患の総称で、筋ジストロフィーなどが含まれます。ミオパチーは遺伝性や炎症性などさまざまな要因によって生じますが、東北大学大学院医学系研究科・神経内科学分野の青木 正志(あおき まさし)教授らの研究グループは、同・遺伝医療学分野の青木 洋子(あおき ようこ)教授、同・創生応用医学研究センター・細胞増殖制御分野の中山 啓子(なかやま けいこ)教授らと共同で、遺伝性ミオパチーの一つである封入体ミオパ...
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京大と宮崎大と東大など、成人T細胞白血病リンパ腫における遺伝子異常を解明
成人T細胞白血病リンパ腫における遺伝子異常の解明 ■概要 成人T細胞白血病・リンパ腫(adult T−cell leukemia lymphoma:ATL)は、日本を主要な流行地域の一つとするヒトT細胞白血病ウイルス1型(human T−cell leukemia virus type−1:HTLV−1)感染によって生じる極めて悪性度の高い血液がんの一つです。乳児期にHTLV−1ウイルスに感染したT細胞に、数十年間にわたってさまざまな遺伝子の変化が生ずることによってATLの発症に至ると考えられていますが、従来こうした遺伝子の変異については多くが不明のままでした。 今回、京都大学大学院医学研究科 腫瘍生物学 小川誠司 教授、宮崎大学医学部 内科学講座消化器血液学分野(...
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iPS細胞を使った遺伝子修復に成功 〜デュシェンヌ型筋ジストロフィーの変異遺伝子を修復〜 <ポイント> ●ヒトゲノムの中で1カ所しかない塩基配列のデータベースを構築した ●TALENおよびCRISPR(注1)を用いてデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の患者さん由来iPS細胞においてジストロフィン遺伝子を修復した ●遺伝子修復したiPS細胞において、意図しない致命的な遺伝子変異は見られなかった。 ●筋細胞へ分化させたところ、正常型のジストロフィンタンパク質が検出された。 1.要旨 李 紅梅大学院生(CiRA初期化機構研究部門)、堀田秋津助教(CiRA初期化機構研究部門、JSTさきがけ)らの研究グループは、デュシェンヌ型筋...
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「認知症に関わる遺伝子の機能を解明 〜インスリン受容体をシナプスに運んで記憶学習を実現する〜」 ■発表のポイント ◆インスリンを受け取るタンパク質(インスリン受容体)は、大きさの異なる2種類のタイプが存在する ◆記憶力に関わるタンパク質の一つであるカルシンテニンは、大きいタイプのインスリン受容体をシナプス領域へと輸送する手助けをし、学習を成立させる ◆今回の研究成果が記憶・学習の仕組みの解明や認知症の治療に役立つことが期待される ■発表概要: カルシンテニンと呼ばれるタンパク質は、アルツハイマー病やレビー小体型認知症(注1)、パーキンソン病といった神経疾患に関与することが...
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東大、カイコの性はたった一つの小さなRNAが決定することを解明
カイコの性はたった一つの小さなRNAが決定する −80年来の謎をついに解明!カイコの性決定メカニズム− <発表者> 木内 隆史(東京大学大学院農学生命科学研究科 生産・環境生物学専攻 助教) 古賀 光(東京大学大学院農学生命科学研究科 生産・環境生物学専攻 修士課程2年) 川本 宗孝(東京大学大学院農学生命科学研究科 生産・環境生物学専攻 学術支援専門職員) 庄司 佳祐(東京大学大学院農学生命科学研究科 生産・環境生物学専攻 博士課程1年) 酒井 弘貴(東京大学大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 博士課程1年) 新井 祐二(東京大学大学院農学生命科学研究科 生産・環...
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京大、Hes7遺伝子が分節時計の周期形成に重要な役割を担うことを解明
Hes7遺伝子のイントロン削減による分節時計の加速化 影山龍一郎 ウイルス研究所教授、播磨有希子 生命科学研究科大学院生らの研究グループは、分節時計が正しい時間を刻むには正しい数のイントロンが必要であることを発見しました。 この研究成果は「Cell Reports」2012年12月6日付でオンライン版に掲載されました。 <研究の 背景> 脊椎動物の体は、椎骨、肋骨、体幹の筋肉のような前後軸に従った繰り返し構造が基本になっています。これらは、発生過程に一過性に現れる繰り返し構造である体節から分化することが知られています。体節が形成される時期の胎児の最尾部には、未分化な未分節中胚葉(PSM、presomiti...