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ノーベル物理学賞
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東大など、機械学習で作った簡易的な人工知能で界面の構造を予測することに成功
機械学習で作った簡易的な人工知能で界面の構造を予測 −22年かかる計算を3時間で− 1.発表者: 溝口 照康(東京大学生産技術研究所 准教授、JSTさきがけ研究者) 清原 慎(東京大学大学院工学研究科 大学院生) 小田 尋美(東京大学大学院工学研究科 大学院生) 宮田 智衆(東京大学大学院工学研究科 大学院生) 2.発表のポイント: ◆界面は表面と同じく結晶の欠陥であり、電気的、機械的物性と密接に関わっています。しかし、物理学者のヴォルフガング・パウリ(ノーベル物理学賞1945年)が『結晶は神がつくり、表面は悪魔がつくった』と表現するほどに欠陥の構造が複雑で、予測は困難でした。...
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富士通、東大宇宙線研究所から「スーパーカミオカンデ」の実験用計算機システムを受注
東京大学宇宙線研究所様から「スーパーカミオカンデ」の実験用計算機システムを受注 従来より約3倍の演算性能を実現するPCクラスタシステムでニュートリノ研究を支援 当社は、東京大学宇宙線研究所付属神岡宇宙素粒子研究施設(所在:岐阜県飛騨市、施設長:中畑雅行、以下、神岡宇宙素粒子研究施設)様より、ニュートリノ(注1)の観測を通じて宇宙の仕組みを解明する「スーパーカミオカンデ実験用計算機システム」を受注しました。本システムは、2017年3月に稼働する予定です。 「スーパーカミオカンデ実験用計算機システム」は、「スーパーカミオカンデ」の検出器にある約1万3,000本の光電子増倍管から集...
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徳島大など、櫛の歯状のテラヘルツ波で煙混在ガス濃度をリアルタイム分析に成功
櫛(くし)の歯状のテラヘルツ波(テラヘルツコム)で 煙混在ガスの濃度をリアルタイムに分析 ■ポイント ・工業燃焼過程の効率化による大気環境負荷の軽減や、火災現場における二次災害予防のためには、煙が充満した閉鎖空間のガスを迅速に分析することが重要 ・極めて正確で精緻な櫛の歯状テラヘルツ波(テラヘルツコム)をガス分析に利用 ・テラヘルツコムを正確かつ高速に読み取ることにより、高い分光性能(高確度、高分解能、広帯域)とリアルタイム性を両立したテラヘルツ分光法を実現 ・テラヘルツ領域に密集する多数の回転吸収スペクトル群を考慮した解析モデルにより、高精度な定量分析を達成 ・従来法で...
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NTTと東京電機大、レーザー光源でマイクロ波・ミリ波発生装置の雑音を100分の1に低減
光のものさしであるレーザー光源を用いて、マイクロ波・ミリ波発生装置の雑音を100分の1に低減 〜高精度なマイクロ波・ミリ波を用いた高速・大容量無線通信に向けて〜 日本電信電話株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫、以下 NTT)と東京電機大学(東京都足立区、学長:安田浩)は、線スペクトルが等しい間隔で並んだレーザー光源であり、光のものさしになることが知られている光周波数コム(※1)を用いて、マイクロ波・ミリ波発生装置の雑音を従来の100分の1に低減することに成功しました。本研究では、光周波数コムをマイクロ波・ミリ波発生装置の雑音の高感度検出器として利用し、その雑音を...
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東大や京大など、50テスラ超強磁場まで維持される2次元超伝導状態を発見
50テスラ超強磁場まで維持される2次元超伝導状態を発見 −相対論的効果により出現する新奇超伝導現象の解明− 1. 発表者: 斎藤 優(東京大学大学院 工学系研究科 物理工学専攻 博士課程1年) 中村 康晴(新潟大学大学院自然科学研究科 数理物質科学専攻 博士課程2年) M.S.Bahramy (東京大学大学院 工学系研究科附属量子相エレクトロニクス研究センター・物理工学専攻 特任講師/理化学研究所 創発物性科学研究センター創発計算物理研究ユニットユニットリーダー) 小濱 芳允(東京大学 物性研究所 附属国際超強磁場科学研究施設 特任助教) 笠原 裕一(京都大学大学院 理学研究科 物...
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鉄系超伝導体の新たな極薄膜化技術の確立 −極薄膜の物性解明への貢献が期待− 【発表のポイント】 ●電気化学反応を利用した「エッチング法」により、鉄系超伝導体の極薄膜化を実現 ●電界効果と組み合わせて、約40K(=−233°C)における高温超伝導転移を単原子層0.6nmから数nmまでの広い厚さ領域で発現させることに初めて成功 ●極薄膜にすることで現れる未知の性質の発見や原子層レベル極薄膜開発への貢献が期待 【概要】 東北大学金属材料研究所の塩貝純一助教、伊藤恭太大学院生、三橋駿貴大学院生、野島勉准教授、塚崎敦(◇)教授らの研究グループは、鉄とセレンからなる層状の超伝導(※1)物質であ...
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原子1個の厚みの二酸化チタンシートの作製に成功 −グラフェン類似の極薄新材料の誕生− 【概要】 東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の大澤健男助教(現 国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)主任研究員)と一杉太郎准教授の研究グループは、同機構の幾原雄一教授、王中長准教授らのグループと共同研究を行い、「原子1個の厚み」の二酸化チタン(TiO2)シートの作製に成功しました。 近年、グラフェン(*1)をはじめとした原子1個の厚みをもつ原子シート(*2)に注目が集まっています。2010年のノーベル物理学賞の対象となったグラフェンは、原子シートの中の電子が非常に高い速度で移動す...
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東北大など、光エネルギー変換材料の機能を制御する新しい方法を解明
新原理で原子を操作 −欠陥を自在に操作し光触媒、太陽電池の革新的発展へ− 【要点】 ・光エネルギー変換材料の機能を制御する新しい方法を解明 ・電場と電子のコンビネーションで材料構造の乱れ(欠陥)を操作する新規な機構 ・欠陥の操作で光触媒、太陽電池などの性能を飛躍的に向上させる可能性を開花 【概要】 東北大学国際高等融合領域研究所(現 学際科学フロンティア研究所)および国立研究開発法人理化学研究所 Kim 表面界面科学研究室の湊丈俊(みなとたけとし)助教、(現 京都大学 特定准教授)、国立研究開発法人理化学研究所 Kim 表面界面科学研究室の金有洙(きむゆうす)主任研究員、東京大学大...
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東大など、「時間結晶」が不可能であることを数学的に厳密に証明
「時間結晶」が不可能であることの証明 〜ノーベル賞物理学者の新理論を明確に否定〜 1.発表者: 渡辺 悠樹(カリフォルニア大学バークレー校博士課程 大学院生) 押川 正毅(東京大学物性研究所 教授) 2.発表のポイント: ◆フランク・ウィルチェック教授(Frank Wilczek、マサチューセッツ工科大学教授、2004年ノーベル物理学賞受賞)が、2012年に、「時間結晶(time crystal)」という物質の新しい状態の可能性があることを理論的に提案した。本研究グループは、統計力学の原理に従う限り時間結晶の実現は不可能であることを数学的に厳密に証明した。 3.発表概要: 多くの物質を冷却すると結晶が自...
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東大と東京理科大、強磁場下のグラファイトで正負の電荷対による超伝導的状態が実現か
強磁場下のグラファイトで正負の電荷対による超伝導的状態が実現か 1.発表者: 秋葉和人(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 博士課程1年) 三宅厚志(東京大学物性研究所 助教) 矢口宏(東京理科大学理工学部物理学科 教授) 松尾晶(東京大学物性研究所 技術専門職員) 金道浩一(東京大学物性研究所 教授) 徳永将史(東京大学物性研究所 准教授) 2.発表のポイント: ◆負電荷を持つ電子どうしが対を作った超伝導は良く知られていますが、正負の電荷対による超伝導的状態が実現するのか、またどのような状態になるかは謎に包まれています。 ◆研究グループは、強磁場下の詳細な実験を通し...
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シリセンの基盤電子構造解明 −グラフェンを越えるシリセンの新機能開拓に道− 東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の高橋隆教授、一杉太郎准教授、菅原克明助教は、豊田中央研究所の中野秀之主任研究員らの研究グループと共同で、グラフェンを越えると期待されている新材料シリセンの層間化合物CaSi2を合成し、その電子状態の解明に世界で初めて成功しました。その結果、シリセンが見かけ上の質量がゼロとなる電子状態を持つことが明らかとなりました。この成果は、超高速電子デバイスへの応用が期待されているシリセンの基盤電子状態の理解と、その材料設計および機能開拓に大きく貢献するものです。 シリセン...
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東大など、バレートロニクス結晶中の電子スピンの直接観測・制御に成功
バレートロニクス結晶中の電子スピンの直接観測・制御に成功 ―新たな原理に基づく電子デバイスの実現に道− 1.発表者: 鈴木 龍二(東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻 博士課程 1年) 坂野 昌人(東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻 博士課程 2年) 明石 遼介(理化学研究所 創発物性科学研究センター 計算物質科学研究チーム 特別研究員/ERATO 磯部縮退π集積プロジェクト 研究員) 石坂 香子(東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻 准教授) 有田 亮太郎(理化学研究所 創発物性科学研究センター 計算物質科学研究チーム チームリーダー/ERATO 磯部縮退π集積プロジェ...
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世界最高強度の光で探る真空 〜未知の「場」を探して〜 <発表者> 浅井祥仁(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 教授) 難波俊雄(東京大学 素粒子物理国際研究センター 助教) 矢橋牧名(理化学研究所 放射光科学総合研究センター グループディレクター 【発表のポイント】 >真空に潜んだ未知のモノ(場)や量子力学が予言する粒子対を、X線自由電子レーザー施設(SACLA)を用いて探索した。 >強力で質の高いX線源を用いて素粒子研究ができることを示し、X線同士の衝突技術など素粒子研究で鍵となる技術を確立した。 >高強度のX線が基礎科学にも重要な役割を果たすことを示した初めての成果である。 ...
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理化学研究所と東大、重いカルシウムで新しい「魔法数」34を発見
重いカルシウムで新しい「魔法数」34を発見 −原子核物理学の夢の1つ「安定原子核の島」到達の手掛かりに− <ポイント> ・カルシウム‐54は魔法数を2つ持ち原子核で特別な性質があると期待 ・RIビームファクトリーを使い、わずか10時間でカルシウムの同位体の性質を測定 ・魔法数が現れる新しい法則や未知の領域での魔法数の探索へ <要旨> 理化学研究所(理研、野依良治理事長)と東京大学(濱田純一総長)は、重いカルシウム同位体の研究から、新しい魔法数34を発見しました。これは、理研仁科加速器研究センター(延與秀人センター長)櫻井RI物理研究室のデービッド ステッペンベック 元国際特別研究...
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東大、約90億光年の超新星が重力レンズ効果で30倍に輝くことを発見
謎の超高輝度超新星、実は標準光源だった!〜重力レンズ効果で30倍に輝く〜 <発表概要> 東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)のロバート・クインビー特任研究員らは、地球から約90億光年の遠方に見つかった超新星が、明るさが一定のため「宇宙の標準光源」として知られるIa(いちえい)型超新星でありながら、超新星と地球との間にある大質量の天体によって空間が曲げられる「重力レンズ効果」によって集光され、通常の約30倍も明るく見えたことを発見しました。 重力レンズ効果は、宇宙の9割以上を占める暗黒物質や暗黒エネルギー、またブラックホールなど、光で直接観測できないも...
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東北大、2層の黒鉛にカルシウム原子をサンドしたグラフェン層間化合物作成に成功
ミクロな世界のサンドウィッチ −グラフェン層間化合物の作成に初めて成功− <概要> 東北大学原子分子材料科学高等研究機構の菅原克明助教、一杉太郎准教授、高橋隆教授らの研究グループは、グラファイト(黒鉛)2層の間にカルシウム原子を挿入(サンドウィッチ)した2層グラフェン層間化合物の作成に世界で初めて成功しました。この成果は、グラフェンを用いた高効率なマイクロバッテリーや超薄膜超伝導デバイスへの道を開くものであり、新たな材料科学研究へ大きく貢献することが期待されます。 本成果は、2012年11月5日(米国時間)の週に、米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the...
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JSTと東大、鉄系超伝導体で電子を結びつけて対にする“のり”を発見
鉄系超伝導体において競合しあう2種類の超伝導の“のり”を発見 【ポイント】 ・光電子分光装置として世界最高のエネルギー分解能(70マイクロ電子ボルト)と世界最高の冷却能力(最低温度1.5K)を持つレーザー光電子分光装置を開発。 ・特定の運動量では対を作らない電子の存在を世界で初めて明らかに。 ・高温超伝導発現機構の全容解明に繋がり、室温超伝導の実現に一歩前進。 <発表概要> 電子が電子対を作ってエネルギー損失ゼロとなる超伝導体は、未来の材料として大いに注目を集めている。しかし、超伝導現象は極低温でしか実現しないことが多い。切望される室温での超伝導実現には、高温超伝導体(注...
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北陸先端科学技術大学院大、シリセンの構造と電子状態の関係を解明
世界で初めてシリセンの構造と性質の関係を実験から解明 −グラフェンでは難しいバンドギャップの導入が可能− 北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)(学長・片山 卓也、石川県能美市)マテリアルサイエンス研究科のアントワーヌ・フロランス助教、ライナー・フリードライン准教授、尾崎泰助准教授、高村由起子准教授らは、世界で初めて「シリセン(Silicene)」をシリコンウェハー上に作製し、その構造と電子状態との関係を解明することに成功しました。 シリセンは、原子一層分の厚みしかない、究極に薄いケイ素(Si)の二次元的な結晶です。1994年に日本人研究者によってシリセンの安定な構造を...
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NTT、GaN系半導体薄膜素子を成長用サファイア基板から剥離するプロセスを開発
半導体デバイスの利用範囲を大きく広げる世界初のGaN系半導体剥離プロセスを開発 〜紫外光を有効活用できる太陽電池、薄い発光ダイオード(LED)作製などへの適用に期待〜 日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:三浦 惺、以下 NTT)は、現在発光ダイオード(LED)などに広く使用されている窒化ガリウム(以下GaN)系半導体薄膜素子(※1)を成長用サファイア基板(※2)から簡単に剥離するプロセスの開発に成功しました。 今回の技術を用いることにより、2μm(0.002mm)厚といった非常に薄いGaN系半導体薄膜素子を低コストで作製することが可能になります。本技...
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JSTなど、シリコン原子の振動を利用して周波数コムの観測に成功
シリコン原子の振動を利用して周波数コムの観測に成功 (光通信を1000倍高速化する基盤技術開発に貢献) 【概要】 国立大学法人筑波大学【学長 山田信博】数理物質系の長谷宗明准教授、国立大学法人電気通信大学【学長 梶谷 誠】大学院情報理工学研究科の桂川眞幸教授、ピッツバーグ大学物理・天文学科のHrvoje Petek教授らのグループは、原子の集団振動(格子振動:フォノン)を操作する技術を開発し、100テラヘルツ(THz=10の12乗(※)Hz)以上の極めて広い周波数帯域を持つ、全く新しい原理に基づく周波数コム(注1)(櫛の歯状に分布したスペクトル)の発生と観測に成功しました。 ...
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産総研、相変化固体メモリーが常温で巨大な磁気抵抗効果を示すことを発見
相変化固体メモリーから巨大磁気抵抗効果が出現 −常温で2000%を越える磁気抵抗比− <ポイント> ・世界で初めて相変化メモリー(PCRAM)が常温で巨大な磁気抵抗効果を示すことを発見 ・超格子型の相変化膜を用いることで、大きなトポロジカル誘電性とラシュバ効果が出現 ・極低消費電力の次世代不揮発性メモリーやロジックへの新展開に期待 <概 要> 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)ナノエレクトロニクス研究部門【研究部門長 金丸 正剛】富永 淳二 上席研究員 兼 連携研究体グリーン・ナノエレクトロニクスセンター【連携研究体長 横山 直樹...
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超高密度ハードディスク用巨大磁気抵抗素子の開発に成功 −1平方インチ当たり5 テラビット容量の次世代ハードディスクに適用可能な技術− 【研究成果】 この度、東北大学大学院工学研究科(工学研究科長:内山勝)の大兼幹彦准教授、安藤康夫教授らのグループは、1平方インチあたりの記録密度が5テラビットクラスの、超高密度ハードディスク(HDD)の情報読み出し用ヘッドとして期待が大きい、面直通電型巨大磁気抵抗素子(以降CPP−GMR素子)の飛躍的な性能向上に成功しました。 現在、高性能ハードディスクの信号読み取りヘッドとして用いられている、強磁性トンネル接合素子の基本構造は、磁石の性質...