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アポトーシス
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細胞死を司るカルシウム動態の制御機構を解明 〜アービットが小胞体−ミトコンドリア間のCa2+の移動を制御〜 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター 発生神経生物研究チームの御子柴 克彦 チームリーダー、ベンジャミン・ボノー 基礎科学特別研究員らの共同研究チーム(※1)は、細胞内カルシウムチャネル(注1)の制御因子「アービット(IRBIT)(注2)」が、小胞体(注3)からミトコンドリア(注4)へのカルシウムイオン(Ca2+)の流入量をコントロールすることで、「アポトーシス」を制御することを発見しました。 アポトーシスはプログラムされた細胞死と呼ばれ、多細胞生物に見られる細胞の死に方の一...
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ネコに腎不全が多発する原因を究明 ―ネコではAIMが急性腎不全治癒に機能していない― 1.発表者: 宮崎 徹(東京大学大学院医学系研究科 附属疾患生命工学センター分子病態医科学部門 教授) 2.発表のポイント: ◆血液中のタンパク質AIM(apoptosis inhibitor of macrophage;CD5Lとも呼ばれる)は急性腎不全を治癒させる機能を持つ(注1:過去の主な文献1−6)が、ネコAIMは急性腎不全時に機能せず、そのためにネコでは正常な治癒・回復が障害されていることを見出した。 ◆ネコ型AIMに起因する急性腎不全の治癒障害は、AIMタンパク質の投与によって治療できた。 ◆本研究は、これまで謎であった、ネコで高頻度に腎不...
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大鵬薬品、英国で新規経口ヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤「LONSURF」を販売開始
新規抗悪性腫瘍剤 LONSURF(R)(一般名:トリフルリジン・チピラシル)を 英国国立医療技術評価機構(NICE)が 転移性の結腸・直腸がん治療薬として使用を推奨 −提携先のセルヴィエ社を通じて英国での販売を開始− 大鵬薬品工業株式会社(本社:東京、代表取締役社長:小林 将之)は、当社が創製・開発し、ライセンス契約のもと、セルヴィエ社(フランス、シュレーヌ)に欧州・その他地域(北米・日本/アジアを除く)での開発および商業化の権利を許諾している新規の経口ヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤「LONSURF(R)」(日本での製品名:「ロンサーフ(R)配合錠 T15・T20」、開発コード:TAS−102、一般名:トリフルリジン・チピ...
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京大など、1つの幹細胞からできる精子の数は周期的に変動することを発見
1つの幹細胞からできる精子の数は周期的に変動することを発見 JST戦略的創造研究推進事業において、京都大学 大学院医学研究科の篠原 美都 助教らのグループは、精巣の幹細胞 注1)が精子を作る活性には周期があること、幹細胞によっては分化の過程で精子になるものとならないものがあることを発見しました。精子形成の効率は、遺伝病の伝達や種の進化・保存を左右する重要な因子であるため、本研究成果は、医学・畜産学にも影響する画期的なものです。 精子形成の源である精子幹細胞は、一生にわたって分裂し、毎日膨大な数の精子を作り続けます。幹細胞は精巣に多数あり、精子は複数の幹細胞から産生されますが、...
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京セラなど、再生医療「毛包器官再生による脱毛症の治療」の共同研究を開始
再生医療「毛包器官再生による脱毛症の治療」に関する 共同研究の開始について 京セラ株式会社(社長:山口悟郎 以下、京セラ)、国立研究開発法人理化学研究所(理事長:松本紘 以下、理研)および株式会社オーガンテクノロジーズ(社長:杉村泰宏 以下、オーガンテクノロジーズ)は、再生医療分野である「毛包器官再生による脱毛症の治療」に関する共同研究契約を締結し、今後、毛包器官を再生して脱毛症を治療する技術や製品の開発を共同で実施することといたしましたのでお知らせいたします。 1.共同開発の背景 脱毛症は、男性型脱毛症をはじめ、先天性脱毛や瘢痕(はんこん)・熱傷性脱毛、女性の休止期脱毛な...
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止血役にはストレスが必要 −巨核球細胞での小胞体ストレスが血小板を生む− <要旨> 理化学研究所(理研)小林脂質生物学研究室の森島信裕専任研究員(研究当時)と中西慶子協力研究員(研究当時)の研究チームは、血小板[1]の形成には、巨核球[2]細胞内の小胞体[3]が「小胞体ストレス[4]」状態となることが必要であることを発見しました。小胞体ストレスとは、立体構造がうまく形成されなかったり、構造が壊れたりしたタンパク質が小胞体内に蓄積した状態のことです。 血小板は、傷口の止血にとって欠かせない血液成分です。血小板は骨髄中に存在する前駆細胞の巨核球細胞がばらばらになり、核を含まない...
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神経変性疾患発症に重要なメカニズムを解明 〜小胞輸送制御因子 ESCRTの異常が神経細胞死を引き起こす〜 【研究概要】 東北大学大学院医学系研究科神経内科学分野長谷川隆文(はせがわ たかふみ)講師、青木正志(あおきまさし)教授らのグループは、宮城県立がんセンター研究所田中伸幸(たなか のぶゆき)教授との共同研究により、神経変性疾患の脳内にみられる異常凝集タンパク蓄積と神経細胞死のプロセスに、小胞輸送制御因子ESCRT(エスコート)が重要な役割を果たすことを明らかにしました。本研究は、神経変性疾患発症メカニズムの一端を解明するものであると共に、同疾患の新たな治療開発へ貢献することが期待され...
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大鵬薬品、「LONSURF」を進行・再発の結腸・直腸がん治療薬として承認勧告
欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP) LONSURF(R)(一般名:トリフルリジン・チピラシル)を 進行・再発の結腸・直腸がん治療薬として承認勧告 大鵬薬品工業株式会社(本社:東京、代表取締役社長:小林 将之)は、新規の経口ヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤「LONSURF(R)」(日本での製品名:「ロンサーフ(R)配合錠T15・T20」、開発コード:TAS−102、一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩、以下「本剤」)について、提携先のセルヴィエ社(フランス)が欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)の医薬品委員会(Committee for Medicinal Products for Human Use:CHMP)より、承認勧告を受領しましたのでお知らせします。勧告の...
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国立がん研究センターとアストラゼネカ、AZD5363に関する共同研究の成果を論文発表
国立がん研究センターとアストラゼネカ AZD5363に関する共同研究の成果を論文発表 〜共同研究の成果を患者さんに役立つ医薬品開発につなぐ〜 国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:堀田 知光、以下 国立がん研究センター)とアストラゼネカ(CEO:パスカル・ソリオ、以下アストラゼネカ)は、新規抗がん剤に関する臨床開発と非臨床研究の推進を目的とする包括共同研究契約をそれぞれ2011年、2012年に締結し、臨床並びに非臨床共同研究を実施し、成果を上げてきました。そのひとつである、AKT阻害剤(*1)AZD5363に関する論文を、米国がん研究会議(American Association for Cancer Research:AACR)の学...
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理研、ジアシルグリセロール蛍光プローブを用いて細胞内膜の裏側で機能性脂質の動態の可視化に成功
細胞内膜の裏側で、機能性脂質の動態の可視化に成功 −ジアシルグリセロールの非対称な産生を観察− ■要旨 理化学研究所(理研)小林脂質生物学研究室 小林俊秀主任研究員および上田善文客員研究員らの研究チームは、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)[1]を基にしたジアシルグリセロール(DAG)[2]蛍光プローブを用いることで、細胞内膜の裏側(外層:ルーメン側)のDAGを、表側(内層:細胞質側)のDAGとは独立かつリアルタイムに観察することに成功しました。 細胞膜をはじめとした脂質二重膜の表裏では、その脂質組成は非対称です。細胞は、この非対称性を巧妙に利用してアポトーシスや細胞の凝集などの細胞応答を制...
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東大、発達途上にある脳が放射線で損傷を受けたときのミクログリア細胞の働きを解明
メダカで明らかにされた免疫細胞ミクログリアによる脳組織防衛システム 1.発表者 保田隆子(東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻 特任研究員) 尾田正二(東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻 准教授) 朽名夏麿(東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻 特任准教授) 相良洋(東京大学医科学研究所附属疾患プロテオミクスラボラトリー微細構造形態解析グループ 助教) 三谷啓志(東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻 教授) 2.発表のポイント ■どのような成果を出したのか 発達途上にある脳が放射線により損傷を受けたとき、ミクロ...
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非対称性をもつ人工生体膜の量産技術を確立 〜がんやアルツハイマー病などの疾患の解明、創薬探索などの活用へ〜 【ポイント】 ◇細胞を構成する生体膜は、内層と外層で脂質組成が異なり、この非対称性が細胞の生理機能に重要である。 ◇脂質組成の非対称性をもつ人工生体膜を集積化したチップの量産技術を確立した。 ◇このチップは、生体膜の非対称性が関係するがんやアルツハイマー病などの疾患の病因解明や、創薬探索システムとしての応用が期待される。 JST 戦略的創造研究推進事業において、東京大学 大学院工学系研究科 応用化学専攻の渡邉 力也 助教は、生体膜の特徴である脂質組成の非対称性 注1)を...
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大分大とアデランス、抗がん剤治療の副作用である脱毛の予防に関する共同研究を開始
国立大学法人大分大学×株式会社アデランス 抗がん剤脱毛の予防に関する 共同研究をスタート 大分大学の研究成果である「αリポ酸誘導体」を用いた、 抗がん剤脱毛予防の研究に関する産学連携プロジェクト 国立大学法人大分大学(大分県大分市、学長 北野正剛)と株式会社アデランス(東京都新宿区、代表取締役会長兼社長 根本信男)は、抗がん剤治療の副作用である脱毛の予防に関して、2013年11月18日(月)に共同研究の契約を締結し、産学連携のプロジェクトをスタートいたしました。 大分大学医学部では消化器・小児外科学講座を中心に、世界で初めて「αリポ酸誘導体」の抗がん剤脱毛の抑制効果を、ラットを...
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理化学研究所、酵素「Man2C1」に酵素活性と無関係に細胞死を抑制する機能を発見
糖鎖を分解する酵素「Man2C1」に新たな機能を発見 − Man2C1は酵素活性の他に細胞死抑制機能を持つ − ◇ポイント ・Man2C1が細胞死を抑制する分子メカニズムの詳細が明らかに ・酵素活性と細胞死抑制はそれぞれ独立して機能する ・がんの増殖・転移を抑える新たな抗がん剤開発に寄与すると期待 理化学研究所(野依良治理事長)は、糖鎖を分解する酵素「Man2C1」が、酵素活性と無関係に細胞死を抑制する機能を持つことを発見しました。これは、理研基幹研究所(玉尾皓平所長)糖鎖代謝学研究チームの鈴木匡チームリーダー、王麗(ワン リー)特別研究員らの研究チームによる成果です。 生体内の細胞分化やホ...
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東大など、日本人に多い非ホジキンリンパ腫の発症メカニズムの一端を解明
日本人に多い非ホジキンリンパ腫の、ユビキチン化を介した発症機構の解明 〜抗がん剤や自己免疫疾患治療薬の創薬の基盤として期待〜 <発表者> 徳永 文稔(群馬大学生体調節研究所 教授) 西増 弘志(東京大学理学系研究科生物化学専攻 特任助教) 石谷 隆一郎(東京大学理学系研究科生物化学専攻 准教授) 濡木 理(東京大学理学系研究科生物化学専攻 教授) <発表のポイント> >どのような成果を出したのか 脱ユビキチン化酵素A20が直鎖状ユビキチンに結合することでNF−κB経路を制御していることを発見した >新規性(何が新しいのか) 非ホジキン(B細胞)リンパ腫の発症機構に、A2...
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京大、精子形成に必須な蛋白質がゲノムを転移性遺伝子から守るメカニズムを解明
精子形成に必須な蛋白質がゲノムを転移性遺伝子から守るメカニズムを解明 京都大学、欧州分子生物学研究所(EMBL)、米マウントサイナイ医科大学の研究グループは、哺乳類の生殖細胞を利己的な転移性遺伝子から保護するMIWI蛋白質の詳しいメカニズムを明らかにしました。この成果は男性不妊症やゲノム変異の原因解明、また有害な遺伝子の抑制方法の開発等に役立つことが期待されます。 中馬新一郎 再生医科学研究所准教授・物質−細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)連携准教授らのグループは、EMBLとの共同研究により、生殖細胞で特異的に発現するマウスPIWI蛋白質ファミリーの一つである...
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理化学研究所と岡山大学、樹状細胞ががんやウイルス抗原を取り込み抗原提示する仕組みを解明
タンパク質の折り畳みを助ける「Hsp90」が免疫機構でも機能を発揮 −樹状細胞ががんやウイルス抗原を取り込み、抗原提示する仕組みを解明− ◇ポイント◇ 樹状細胞が抗原を貪食し、キラーT細胞へ提示するには分子シャペロンHsp90が必須 Hsp90がエンドソーム内の抗原を細胞質へ引き出し、抗原提示させる がん、ウイルス、自己免疫の病態制御・治療への手がかり 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)と国立大学法人岡山大学(森田潔学長)は、抗原提示細胞の1つである樹状細胞(※1)が、抗原破壊の役割をもつキラーT細胞(※2)へ抗原を提示するためには、タンパク質の折り畳みを...
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「肥満から糖尿病や動脈硬化への橋渡しメカニズムを解明 ―脂肪融解タンパク質AIMの阻害による、 肥満から生活習慣病への進行を阻止する画期的な薬剤開発の可能性―」 1.発表者: 宮崎徹(東京大学大学院医学系研究科附属 疾患生命工学センター 分子病態医科学部門 教授) 2.発表概要: 発表者は昨年、血中に存在するAIM(注1)というタンパク質が、脂肪細胞に直接作用して細胞中の脂肪滴を融解し、また幼若な脂肪前駆細胞の成熟を著明に妨げることにより、肥満を抑制することを明らかにした。今回、肥満が亢進してしまった状況では、AIMを抑制することにより、太っていても糖尿病や動脈硬化に進行しな...
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慶応大学、「病気の起きはじめ」を再現する遺伝子改変マウスの作成に成功
病気の「起きはじめ」を再現する動物実験ツールの開発に成功 〜「早期発見・早期治療」のための新たな治療法発見につながる成果〜 難病や変性疾患(注1)の多くは、特定の種類の細胞が少しずつ死んでいくことで起きることがよく知られていますが、これらの病気の「起きはじめ」を簡便に詳しく調べるツールはこれまでほぼ皆無でした。慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室(小川 郁教授)の藤岡正人助教と生理学教室(岡野栄之教授)は、米国ハーバード大学医学部(アルバート エッジ准教授)との国際共同研究で、実験者が選んだ細胞に特異的に、しかし一部分のみを観察者の好きなタイミングで細胞死に導くことのできる遺...