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農業生物資源研究所など、コメの粒の長さと重さに関わる遺伝子を発見

2013-04-18

お米の粒の長さと重さに関わる新規遺伝子を発見
−ごく限られた品種しか持っていない有用遺伝子による品種改良に期待−


<ポイント>
 ・お米の粒を長くかつ重くする遺伝子を特定しました。
 ・この遺伝子は、ごく限られた栽培品種にしか存在しない遺伝子であることがわかりました。
 ・この遺伝子を育種に利用することで、収量性や品質の安定性が向上した品種の開発が期待されます。


<概要>

 1.(独)農業生物資源研究所(生物研)は、東洋大学京都大学と共同で、インドのインディカ型イネ品種「カサラス」から、お米の粒を長くかつ重くする遺伝子「TGW6」を特定しました。

 2.カサラスのTGW6遺伝子と対立する日本晴の遺伝子「TGW6」も特定しました。日本晴TGW6遺伝子をもつイネでは植物ホルモンの「オーキシン」を合成する酵素が作られることがわかりました。一方、カサラスTGW6遺伝子は塩基の欠失があるため、カサラスTGW6遺伝子をもつイネではオーキシン合成酵素が作られないためにオーキシンができず、その結果、お米の粒が長くかつ重くなることがわかりました。また、カサラスTGW6遺伝子は、お米の品質を低下させる高温障害の発生を抑える働きも持っていました。

 3.カサラスTGW6遺伝子は、ごく限られたイネ品種、系統にしか存在していない遺伝子でした。カサラスTGW6遺伝子は現在栽培されている品種にはほとんど含まれていないため、今後、交配によりこの遺伝子を栽培品種に入れることで、収量性や品質の安定性が向上した栽培品種を作出できると期待されます。

 4.今後、この様なごく限られた品種しか持っていない有用遺伝子を見つけ出し利用することで、より効率的なイネの改良が可能となります。

 5.この成果は4月15日、英国科学雑誌Nature Geneticsに掲載予定です。


 予算:農林水産省委託プロジェクト「新農業展開ゲノムプロジェクト」(平成20−24年度)
     農業生物資源研究所交付金プロジェクト「形態・生理機能の改変による新農林水産生物の創出に関する総合研究」(平成18−19年度)

 特許:特開2010−115176


【発表論文】
 Ken Ishimaru, Naoki Hirotsu, Yuka Madoka, Naomi Murakami, Nao Hara, Haruko Onodera, Takayuki Kashiwagi, Kazuhiro Ujiie, Bun−ichi Shimizu, Atsuko Onishi, Hisashi Miyagawa & Etsuko Katoh Loss of function of the IAA−glucose hydrolase gene TGW6 enhances rice grain weight and increases yield. Nature Genetics  DOI:DOI:10.1038/ng.2612(http://dx.doi.org/10.1038/ng.2612


※以下、リリース詳細は添付の関連資料を参照

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