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一塩基多型
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東大、自閉症関連因子DCLKによるMAP7D1のリン酸化が脳の左右をつなぐ神経回路の形成制御に必須と発見
自閉症関連因子ダブルコルチン様キナーゼは微小管結合蛋白質MAP7D1の リン酸化を介して脳神経ネットワークの構築を制御する 1.発表者 古泉博之(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 助教) Joseph Gleeson(ロックフェラー大学 教授) 榎本 和生(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 教授) 2.発表のポイント: ◆ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK、(注1))生理基質として微小管結合蛋白質MAP7D1(注2)を同定しました。 ◆DCLKがMAP7D1のリン酸化を介してマウス大脳皮質ニューロンの脳神経回路形成を制御することを明らかにしました。 ◆MAP7D1のリン酸化状態を制御することにより、DCLKノックア...
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理研と東大と琉球大、2型糖尿病に関わる新たな遺伝子領域を発見
2型糖尿病に関わる新たな遺伝子領域を発見 −新たな治療薬開発の一助に− ■要旨 理化学研究所(理研)統合生命医科学研究センター腎・代謝・内分泌疾患研究チームの前田士郎チームリーダー(琉球大学医学研究科 教授)、今村美菜子客員研究員(琉球大学医学研究科 准教授)と東京大学大学院医学系研究科/東京大学医学部附属病院の門脇孝教授らの共同研究チームは、日本人4万人以上を対象としたゲノムワイド関連解析(GWAS)[1]を行い、日本人の2型糖尿病[2]の発症に関わる7つの疾患感受性遺伝子領域を新たに同定しました。また、疾患感受性遺伝子領域内の遺伝子と、2型糖尿病治療薬のターゲット遺伝子とのつ...
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騒音性難聴に関連する遺伝子を発見 ‐酸化ストレス応答機構の活性化は騒音性難聴の予防を可能にする‐ <概要> 東北大学加齢医学研究所遺伝子発現制御分野の本橋ほづみ教授と防衛医科大学校の松尾洋孝講師の研究グループは、生体の酸化ストレス応答を担う制御タンパク質NRF2の活性が、騒音性難聴(*1)のなりやすさに関連することを発見しました。NRF2の活性化は、強大音による酸化ストレス障害から内耳(*2)を保護し、聴力の低下を防ぐことを明らかにしました。そして、NRF2の量が少なめになるNRF2遺伝子の一塩基多型を持つ人は、騒音性難聴になりやすい傾向があることを見出しました。NRF2の活性を増強させることで...
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東洋鋼鈑、女性の健康増進に有用な遺伝子解析キットの開発と検査サービスを開始
女性の健康増進に有用な遺伝子解析キットの開発と検査サービスの開始 〜女性をもっと健康に、山口から〜 個人向けの遺伝子解析サービスは、生活習慣病予防のための意識変化や、食生活や日頃の運動など日常生活を改善するきっかけとなることから、人々の健康増進に寄与するサービスとして期待されています。 東洋鋼鈑株式会社は、山口大学との共同研究を基に、女性に適した健康情報を提供する遺伝子解析キットを開発しました。 今回開発した遺伝子解析キットは、乳癌、肥満、糖尿病や高血圧といった生活習慣病に関連する12種類の一塩基多型(※1)を調べるキットです。山口大学発ベンチャーである株式会社ブラケアジ...
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身長や認知機能の個人差を生じる新しいメカニズムを発見 −ヒトゲノムにおけるホモ接合度が影響− <要旨> 理化学研究所(理研)統合生命医科学研究センター統計解析研究チームの岡田随象客員研究員(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 疾患多様性遺伝子学分野 テニュアトラック講師)らの共同研究チームが参加する国際共同研究プロジェクト「ROHgenコンソーシアム[1]」は、ヒトゲノム配列におけるホモ接合度の程度が、身長や呼吸機能、学業達成度、認知機能の個人差に影響を与えることを明らかにしました。 ヒトゲノム配列において共通したゲノム配列を父親・母親の双方から受け継いでいる状態をホモ接合と...
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理研と国立循環器病研究センター、QT延長症候群の原因遺伝子の候補を発見
QT延長症候群の原因遺伝子の候補を発見 −カルモジュリン結合遺伝子が発症に関与している可能性− ■要旨 理化学研究所(理研)統合生命医科学研究センター循環器疾患研究グループの田中敏博グループディレクター、医科学数理研究グループの角田達彦グループディレクター、重水大智研究員および国立循環器病研究センターの相庭武司医長、日本医科大学の清水渉教授らによる共同研究グループは、全エクソームシークエンス解析[1]によってカルモジュリン結合遺伝子がQT延長症候群[2]の発症に関与している可能性があることを発見しました。 QT延長症候群は、突然死を引き起こす可能性がある難治性の遺伝性不整脈疾患で、...
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理研など、ヒトの大部分の一塩基多型(SNP)を検出するツールをカタログ化
ヒトの大部分の一塩基多型(SNP)を検出するツールをカタログ化 −SNPなどを利用した個別化医療の実現へ大きな一歩− <ポイント> ・約6,000万箇所のヒトSNPを検出するプライマー/プローブ配列を計算 ・大規模PCクラスタを使った並列処理によりわずか13日で必要な計算を終了 ・SNPに基づく個別化医療分野での遺伝子解析技術の利便性が拡充 <要旨> 理化学研究所(理研、野依良治理事長)と理研ベンチャー[1]の株式会社ダナフォーム(三谷康正代表取締役社長)は、共同開発したDNA増幅法「PEM(PCR Eprobe Melting)法[2]」を使い、既知の約6,000万箇所の一塩基多型(SNP;Single Nucleotide Polymorphism)[3]...
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「認知症に関わる遺伝子の機能を解明 〜インスリン受容体をシナプスに運んで記憶学習を実現する〜」 ■発表のポイント ◆インスリンを受け取るタンパク質(インスリン受容体)は、大きさの異なる2種類のタイプが存在する ◆記憶力に関わるタンパク質の一つであるカルシンテニンは、大きいタイプのインスリン受容体をシナプス領域へと輸送する手助けをし、学習を成立させる ◆今回の研究成果が記憶・学習の仕組みの解明や認知症の治療に役立つことが期待される ■発表概要: カルシンテニンと呼ばれるタンパク質は、アルツハイマー病やレビー小体型認知症(注1)、パーキンソン病といった神経疾患に関与することが...
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理化学研究所、腰椎椎間板変性症発症に関する遺伝子「CHST3」を発見
腰椎椎間板変性症(LDD)発症に関する遺伝子「CHST3」を発見 −椎間板ヘルニアや腰痛症の発症機構の解明、治療法の開発へ前進− <ポイント> ・国際共同研究チームによる大規模ゲノム解析を実施 ・CHST3の3’非翻訳領域に存在するSNPがLDDの発症に関与 ・LDDの発症にマイクロRNAによるCHST3の転写の阻害が関与 <要旨> 理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、軟骨の細胞外基質の代謝に関わる遺伝子「CHST3」が腰椎椎間板変性症(LDD)の発症に関与していることを発見しました。これは、理研統合生命医科学研究センター(小安重夫センター長代行)骨関節疾患研究チームの池川志郎チームリーダー、唐杉樹研修生(現 熊...
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炎症や自己免疫疾患に関わる遺伝子の機能を解明 −転写因子Bach2がアレルギーなどを引き起こす炎症性T細胞への分化を制御− <ポイント> ・Bach2は、クローン病、セリアック病、I型糖尿病などに関連する転写因子 ・Bach2はT細胞の“活性化されやすさ”を決め、炎症性T細胞への分化を抑制 ・炎症・自己免疫疾患の予防・診断・治療法などへの手掛かりに <要旨> 理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、炎症や自己免疫疾患に関連する遺伝子「Bach2」が、アレルギーなどを引き起こす炎症性T細胞[1]の分化を制御する重要な遺伝子であることを明らかにしました。これは、理研統合生命医科学研究センター(小安重夫セン...
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川崎病の発症に関わる3つの遺伝子領域を新たに発見 −白人集団と遺伝的要因に違いがあることを示唆− ◇ポイント◇ ・日本人川崎病患者1,182人と非患者4,326人を対象に解析 ・川崎病と自己免疫疾患の両方に関連する遺伝子領域が明らかに ・病態の理解や新たな治療法の開発、東アジア人に発症が多い原因の解明に期待 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、日本人集団を対象に、川崎病に関するゲノムワイド関連解析(GWAS)(※1)を行い、発症に関わる3つの遺伝子領域を新たに発見しました。これは、理研ゲノム医科学研究センター(久保充明センター長代行)循環器疾患研究チームの田中敏...
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革新的創薬技術の開発にめど マイクロドース臨床試験の成果と、今後の展開について ごく微量の医薬品を、健常な人あるいは一部の患者に投与するマイクロドース(MD)臨床試験(※1)を活用したNEDOの革新的創薬技術開発プロジェクト(基礎研究から臨床研究への橋渡し促進技術開発)に取り組んでいる東京大学大学院薬学系研究科の杉山雄一教授らの研究グループは、非標識薬物を用いた試験の他、国内で初めて放射性同位体を用いたMD臨床試験、及びPET(ポジトロン断層法)を用いたMD臨床試験を合計28件実施し、ヒト体内における薬物動態予測の実用化に成功しました。その結果、各個人に最も有効な医薬品を選...