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北大など、家庭用燃料電池の効率向上に寄与する新規合金触媒を開発
家庭用燃料電池の効率向上に寄与する
原子が完全に混ざり合った新規合金触媒の開発に初めて成功
【研究成果のポイント】
・家庭用燃料電池の効率向上に寄与する,原子が完全に混ざり合った新規合金触媒の開発に成功。
・新規合金触媒上で一酸化炭素が効率よく除去され,高効率で発電可能な触媒機構を解明。
・家庭用燃料電池の効率向上だけでなく,応用範囲の広い触媒合成方法開発の進展に期待。
<研究成果の概要>
北海道大学触媒化学研究センターの竹口竜弥准教授の研究グループは,家庭用燃料電池の効率向上に寄与する白金原子とルテニウム原子が完全に混ざり合った新規合金触媒の開発に成功しました。燃料である水素に微量の一酸化炭素が共存しても,新規合金触媒上で一酸化炭素が効率よく除去され,貴金属の使用量を少なくしても,高い効率で燃料電池発電が可能となり,貴金属資源の有効利用を実現しました。また,白金原子とルテニウム原子だけでなく,他の原子についても同様に完全に混ざり合った新たな合金触媒の開発が可能となることから,家庭用燃料電池の分野に限らず,エネルギー環境問題解決へも寄与することが期待されます。
<論文発表の概要>
研究論文名:
Evidence of Nonelectrochemical Shift Reaction on a CO−Tolerant High−Entropy State Pt.Ru Anode Catalyst for Reliable and Efficient Residential Fuel Cell Systems
(高信頼/高効率家庭用燃料電池システムにむけたCO耐性高エントロピー白金−ルテニウム電極触媒上での非電気化学的水性ガスシフト反応の実証)
著者:Tatsuya Takeguchi(*), Toshiro Yamanaka(*), Kiyotaka Asakura(*), Ernee Noryana Muhamad(*), Kohei Uosaki(*,**), and Wataru Ueda(*) (*Hokkaido University, **NIMS)
公表雑誌:Journal of the American Chemical Society, 134巻, 35号, 頁14508.14512.
公表日:米国東部時間 2012年9月5日(Web:2012年8月9日)
※以下、「研究成果の概要」などリリースの詳細は添付の関連資料を参照