難治性の白血病が発症するメカニズムの解明に成功 −新たな創薬に期待− <概要>  染色体転座という遺伝子異常によってMLL遺伝子が異なる遺伝子と融合するとMLLキメラと呼ばれる異常タンパク質が生じ、このタンパク質が働くと難治性の白血病を引き起こす。このタイプの白血病は乳児の急性リンパ性白血病の80%を占め、強い抗がん剤を用いた治療や骨髄移植をおこなっても再発しやすい。我々はMLLキメラタンパク質がSL1と呼ばれるタンパク質複合体を利用して白血病発症へと導いていることを見出した。 1.背景  様々な要因で染色体が傷つけられると、細胞はその損傷部位を修理しようと試みる。しかし、その損傷部位の修復時...