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武田薬品子会社、再発・難治性多発性骨髄腫対象のベルケイド新規併用療法の臨床試験データを発表
米国臨床腫瘍学会年次集会
再発・難治性多発性骨髄腫を対象としたベルケイド新規併用療法の臨床試験データについて
当社の100%子会社であるMillennium Pharmaceuticals,Inc.(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、以下「ミレニアム社」)が実施した再発・難治性多発性骨髄腫を対象としたベルケイド(一般名:ボルテゾミブ)の併用療法について、米国時間6月3日から7日にイリノイ州シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会年次集会において、2つの試験結果が発表されましたのでお知らせします。2つの試験は、本剤とLY2127399を併用した際の安全性・有効性に関する試験および本剤とpanobinostatを併用した際の安全性・有効性に関する試験となります。
ミレニアム社のChief Medical OfficerであるNancy Simonianは、「ベルケイド無効例を含む、前治療を受けた再発・難治性多発性骨髄腫患者さんを対象に、本剤をベースとした併用療法が良好な結果を示したことを大変嬉しく思います。今回発表された両試験の結果は、ベルケイドの新規併用療法の有望なエビデンスになると期待しています」と述べています。
【前治療を受けた多発性骨髄腫患者を対象とした、ヒト抗BAFF抗体LY2127399とボルテゾミブとの併用に関するP−I試験】(抄録番号8012)
試験目的:ベルケイドとの併用におけるLY2127399の至適用量の探索
患者数:20名
治療歴:65%の患者がベルケイドによる前治療あり
投与方法:ベルケイドは21日をサイクルとして、1、4、8、11日目に1.3mg/m2を静注、LY2127399は1−3サイクル目およびその後のサイクルの1日目に1、10、30、100、300mgのいずれかの用量を30分かけて静注。副腎皮質ステロイド剤の投与は無し。
発表内容:
発表者:マサチューセッツ総合病院 Noopur Raje医師
・完了サイクル回数の中間値は5回、用量制限毒性は観察されず。
・LY2127399 100mgについては、ベルケイドとのさらなる試験を実施。
・最も多く見られたグレード3、4の副作用は血小板減少症(15%)、好中球減少症(10%)、下痢(10%)、神経障害(10%)。
・全奏効率 55%。
・完全寛解率 10%、良好な部分寛解率 15%、部分寛解率 30%。
・奏効期間の中間値は9.7ヶ月。
備考:
・寛解はIMWG、副作用はCTCAEv3.0により評価。
・薬物動態も評価し、B細胞の免疫学的マーカーや骨代謝マーカーなども測定。
【再発・難治性多発性骨髄腫患者を対象としたpanobinostat(経口)とボルテゾミブ(静注)の併用に関するP−Ib試験】(抄録番号8075)
試験目的:安全性・有効性の検討
患者数:62名
治療歴:45%の患者がベルケイドによる前治療あり、31%の患者がベルケイド無効例
発表内容:
発表者:サラマンカ大学病院 Jesus San Miguel医師
・最大耐用量はpanobinostat 20mg+ベルケイド1.3mg/m2。
・最も多く見られたグレード3、4の副作用は血小板減少症(79%)、好中球減少症(55%)、白血球減少症(30%)。
・全ての症例における全奏効率は55%。
・ベルケイド無効例における全奏効率は42%。
備考:
・再発・難治性多発性骨髄腫を対象とした本試験は、2010年12月に全患者(62名)の登録が完了し、47名が増量、15名が投与設定を拡大。
・増量では、panobinostatは週3回経口投与、ベルケイドは21日を1サイクルとして1、4、8、11日目に静注。
・デキサメタゾンは2サイクル目から追加投与。
・最大耐用量はpanobinostat 20mg+ベルケイド1.3mg/m2。
・投与設定の拡大では、2サイクル目から全患者にデキサメタゾンが投与される中、panobinostatの修正投与スケジュール(2週間投与、1週間休薬)に基づき、15名の患者にpanobinostatとベルケイドの最大耐用量を投与。本用量と投与スケジュールは、現在実施中のP−II試験およびP−IIIの「PANORAMA」試験と同様。
以上