東北大学、緊急災害時にも利用可能なメッセージボードシステムを開発

緊急災害時にも利用可能なメッセージボードシステムを開発


＜概要＞
　東北大学大学院経済学研究科・経済学部では、学生の学業支援と学生教職員の情報流通の向上目的で、研究科・学部内の諸連絡をＷｅｂを利用して素早く簡単に取得・閲覧できるシステムを独自に設計、アンケート機能を持つメッセージボード「（愛称）キャンパス・コミュニティ」を地元のベンチャー企業とともに開発、２００７年度より運用を開始しております。本システムは緊急災害時にも作動し、学生・教職員の安否確認も可能です。本年８月、緊急災害時を想定した実証実験にも成功しましたのでご報告いたします。

　近い将来、大きな地震の到来が予測されております。災害・緊急時においては所属職員・学生などの安否確認、所属各機関からの迅速な公式メッセージの提供が不可欠です。一般に地震などの緊急時におけるシステムが有効に働くためには、ユーザのアクセスが習慣化され、緊急時にも平常時と同じように簡単にアクセスできる必要があります。本システムは、緊急災害時（例えば地震などで建物が倒壊したり、設備に重要な障害が発生したとき）に自動的に学外のサーバーに切りかわり、普段アクセスしている状態と変わりなくアクセスが可能で、重要なメッセージの提供、安否確認アンケートを実施することが可能となるよう開発されました。

　また緊急災害時でもプライバシーへの配慮も行われなければいけませんが、本研究科が開発した「キャンパスコミュニティ」は高いセキュリティ機能を有し、平常時にも以下の機能が稼働し、本研究科／本学部ですでに利用されております。
　１．メールによらないセキュアなメッセージボード
　２．個別あるいはユーザ層別のアンケートの作成・回収・分析
　３．各グループにおけるファイル共有

　本システムでは平常時に稼働しているメッセージボード・アンケートシステムの機能を、緊急・災害時にミラーリングとＤＮＳの設定方法によって、地理的に離れた位置にある別サーバに自動的に切り替え、復帰後データの差分を補正する方法を用いております。

　本システムは本年８月に自動切り替え実験を行い、有効に動作することが実証されました。
　なお、本システムは本年９月２８日に行われたＴＯＰＩＣ（東北学術研究インターネットコミュニティ）の研修会でも報告いたしました。