肺高血圧症の新規治療標的を同定 ‐既存の糖尿病治療薬に意外な作用‐ 【研究概要】  東北大学大学院医学系研究科循環器内科学分野の下川宏明(しもかわ ひろあき)教授の研究グループは、国の指定難病で依然として致死的疾患である肺高血圧症において、血管内皮細胞の酵素の一つであるAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)(注1)がその発症を抑制していることを世界で初めて明らかにしました。これまで、肺高血圧症患者の血中には各種の炎症性サイトカイン(注2)が高濃度に存在し、長期的な生命予後と相関することが知られていましたが、肺動脈への直接的な作用や肺高血圧症悪化との因果関係は明らかではありませんでし...