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ノークリサーチ、2010年度の国内PCサーバ出荷状況と2011年度予測を発表

2011-06-20

2010/2011年度PCサーバ出荷調査報告



 ノークリサーチ(本社〒120−0034 東京都足立区千住1−4−1東京芸術センター1705:代表伊嶋謙ニ URL:http://www.norkresearch.co.jp)では2010年度の国内PCサーバの出荷状況を調査した。2011年度の予測も併せて調査、報告している。


<2010年度PCサーバ市場のポイント>
 ■10年度PCサーバ市場は上期好調、下期まだらながら比較的上向き。震災の影響は若干。
  −台数は前年比1.3%アップで、510,965台
  −金額は前年比6.2%アップで、2,767億円
 ■統合・集約、仮想化の伸長とITサービス業界の意欲的な投資がサーバ需要を支える。
 ■NECのトップシェア変わらず。富士通とHPを加えた3強時代が鮮明に。
 ■2011年度、不確定要素を内包しているが、増勢傾向。5.2%アップの54万台市場へ

 ◇対象期間:(2010年度実績)2010年4月〜2011年3月(2011年度予測)2011年4月〜2011年3月
 ◇対象メーカ:電子情報技術産業協会(JEITA)自主統計参加及び未参加メーカ
          日本電気、富士通、デル、日本IBM、日本HP、日立製作所、東芝、三菱電機など
 ◇対象機種:電子情報技術産業協会(JEITA)定義に準ずる
 ◇調査方法:当該メーカに対する直接取材及び弊社データベースによる分析
 ◇調査時期:2011年5月〜6月


[2010年度出荷状況]
 −10年度PCサーバ市場は上期好調、下期まだらながら比較的上向き。震災の影響は若干。−
  10年度は510,965台と前年比1.3%アップの微増にとどまった。上期は仮想化の進展によりサーバの統合・集約による新規サーバ導入が進んだ。さらにWebサービス業界のサーバ需要が変わらず好調だった。また、金融や医療、流通・サービス業での民需が比較的好調だった。下期に入ってからは景気がまだらに推移していたが、サーバ需要自体は全体的には上向き傾向にあった。3月に発生した震災の影響はサーバ市場に対しては限定的だった。
  フォームファクターとしては、全体の33.5%を占めるタワー型が、171,165台と対前年比89.2%と大幅な減少となった。昨09年度は文教市場に大型案件があったが、10年度にはなかったことがその大きな要因だ。ラック型は272,849台で対前年比110.6%と大きな伸びを示し、フォームファクター別の構成比でも53.4%と過半数を超えた。ブレード型については66,951台で、対前年比1.7%の微増にとどまった。全サーバ市場の13.1%と、09年度と同じ構成比となっている。
  出荷金額ベースでは、ラックサーバが主体となっているため、平均単価は下げ止まり、2767億円で、前年対比106.2%となっている。

  <国内PCサーバ総出荷台数推移>

   ※表資料は添付の関連資料「添付資料」を参照

  <国内PCサーバ市場推移>

   ※グラフ資料は添付の関連資料「添付資料」を参照


[2010年度メーカシェア]
 −NECのトップシェア変わらず。富士通とHPを加えた3強時代が鮮明に。−
  今年度は流通業での大型案件に恵まれず前年比では95.8%と苦戦するものの、NECが25.3%の高い数値でシェア1位を保った。同社の強みである直販とチャネル販売双方による強固な販売網、また市場ニーズに合わせた製品開発が販売チャネルに好評だったことも奏功した。
  また、官公庁・自治体、文教や流通業、ITサービス業向けのデータセンタ需要、医療関係、製造業大手などの動きの良い業界向けなど、幅広いカテゴリへ向け総力展開していることも同社の特徴である。
  2位のHPは前年比98.0%でNEC同様前年度を下回った。シェアは22.3%と若干落としているものの、ブレードとラックはシェアトップである。間接販売を中心に品揃えの豊富さと価格の優位性、販売店の既存ユーザの実績があり、比較的安定した実績を示した。
  3位は富士通だ。前年比103.4%と前年度を上回った。シェア20.0%で、上位3社では唯一、前年を上回って、かつシェアも高めている。全社一丸となったPCサーバの販売体制を敷き、支援策の強化、製品ラインナップや低価格化などへの施策が奏功した。ただし東日本大震災でサーバの主力工場が被災し、3月の出荷実績に影響が出た。
  シェア13.2%と4番手のデルは、対前年比98.0%で前年を下回った。価格勝負路線だけでなく、大企業やITサービス業に向けた大口商談も目立ってきている。主力のSMB市場への間接販売への展開はこれから効果が期待される。
  5位のIBMは前年比110.3%の二桁の伸びを示した。シェアは9.1%まで戻してきている。中堅企業以上をターゲットとした提案スタイルの販売チャネル活用型と統合・集約型の展開でじわりと実績を高めてきている。下期は特にタワーの金融関係での実績が目立った。
  6位の日立は前年比115.2%と伸びは大きいが、シェアは4.9%と低い。ブレードを中心に据えた大手企業への直販主体の展開のため、台数実績では上位メーカに大きく離されている。日立グループ再編策を核としたチャネル販売で台数の拡販を目指している。

  <2010年度PCサーバメーカシェア>

   ※グラフ資料は添付の関連資料「添付資料」を参照


[2011年度の市場展望]
 −2011年度、.確定要素を内包しているが、増勢傾向。5.2%アップの54万台市場へ。−
  2011年度は震災後の直接的な需要減よりも、BCPやDRに紐づく守りのシステム需要の増加、データセンターなどへのサーバ需要、そして節電対応のための省電力サーバへの買い替えなどの短期的な需要増が、景気の低迷による投資減を打ち消し、プラスに作用することが見込まれる。
  PCサーバ市場の2011年度の見通しのポイントは次の3点。
  1.BCPやDRなどへの情報システムの守りの強化
  2.データセンターへの需要増による、サーバインフラ投資
  3.節電対応のための省電力、エコサーバの需要と供給の好転
  世界的な景気低迷や震災など、日本の経済好転への不安要素はあるものの、クラウド化の流れは確実に進んでおり、データセンターなどのインフラ増強は加速している。企業におけるサーバの投資は、クラウドへの本格移行前の社内システムの見直し、つまり「所有と利用」の観点で、必要なサーバの導入機運が高まりつつある。BCPやテレワークへの具体的な対応のための投資、クライアントやサーバOSのバージョンアップなどのきっかけもあり、サーバ市場の増勢傾向が続くものと思われる。2011年度は約54万台市場まで戻すことが見込まれる。

  <PCサーバの形状別構成比>

   ※グラフ資料は添付の関連資料「添付資料」を参照


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