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大成建設など、免震用パッシブ切替型オイルダンパーの適用範囲を拡大

2016-07-12

免震用パッシブ切替型オイルダンパー「T−Sオイルダンパー」の適用範囲を拡大
中小地震・大地震から大地震まで免震建物の安全性確保と機能維持が可能


 大成建設株式会社(社長:村田誉之)とカヤバシステムマシナリー株式会社(社長:廣門茂喜)は、さまざまな揺れの地震に対して最適な免震性能を発揮することができるよう、免震建物用パッシブ切替型オイルダンパー「T−Sオイルダンパー」の可動範囲を広げ、この度、国土交通大臣の免震材料認定を取得し、免震建物への適用範囲を拡大しました。

 東日本大震災後、南海トラフ沿いの海溝型大地震の想定震源域が見直され、従来設計の想定を大きく上回る長周期地震動の発生が危惧されています。このような地震が発生すると、免震層に過大な変形が生じ、周辺擁壁との衝突や免震装置の損傷などが生じる恐れがあるため、免震層の過大変形を抑制する技術が求められています。対策としてはダンパーの抵抗力を大きくし、免震層の変形を抑制することが効果的ですが、頻度の高い中小地震に対しては免震層の動きを阻害して免震効果が低下するという問題がありました。

 そこで、これまで建物が隣接するするエリアを対象とした都市型小変位免震向けに実施適用してきた、パッシブ切替型オイルダンパーの可動範囲を従来の30cmから隣接する建物や周辺擁壁との緩衝を避けるために必要とされる最大80cmまでに広げて、国土交通大臣の免震材料認定を取得し、免震建物への適用範囲を拡大しました。これにより、さまざまな立地条件や建物規模の免震建物の、中小地震・大地震に対する免震性能の確保と、それを超える大地震(※)や長周期地震動に対する安全性向上の両立が可能となります。

 ※一般に、中小地震は震度5以下、大地震は震度6強、それを超える震度の地震を大地震と表現している。

 「T−Sオイルダンパー」の特徴は以下のとおりです
 (1)事前に設定した揺れ幅を超えると自動的に抵抗力が切り替わり、最適な免震性能を発揮します。すなわち、中小地震や大地震に対しては、適正な抵抗力で高い免震性能を発揮し、大地震や従来の設計の想定を大きく上回る長周期地震動に対しては、大きな抵抗力に切り替わって、免震層の変位を抑制することで、揺れによる近接建物や周辺擁壁との衝突を防ぎ、安全性を確保します。

 (2)ダンパー変位が設定変位を超えると機械式のシャットオフ弁がオイル流路の一部を塞ぎ、大きな抵抗力に切り替わります。切り替えに電気などのエネルギー供給を必要としないため、大地震が発生した際にも、確実に作動します。また、高機能でありながら電機部品を用いていないため、特別なメンテナンスは必要ありません。

 今後、大成建設では長周期地震動大地震に対する免震建物の安全性向上を目的に、建物が隣接する都市部の免震建物はもとより、中低層から超高層までのあらゆる新築・既存免震建物を対象として、積極的に「T−Sオイルダンパー」の販売と実施適用を行って参ります。

 *参考資料・参考画像は添付の関連資料を参照



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