イマコト

最新の記事から注目のキーワードをピックアップ!

Article Detail

エーザイ、「Lenvima」を英国で放射性ヨウ素治療抵抗性の進行性甲状腺がん適応で発売

2015-06-16

自社創製の新規抗がん剤「Lenvima(R)」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)を
英国において放射性ヨウ素治療抵抗性の進行性甲状腺がんの適応で新発売


 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫)は、このたび、英国子会社エーザイ・ヨーロッパ・リミテッドが、自社創製の新規抗がん剤「Lenvima(R)」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)を「成人での放射性ヨウ素治療抵抗性の進行性又は再発の分化型甲状腺がん(乳頭がん、濾胞がん、ヒュルトレ細胞がん)」の適応で、英国にて新発売しましたのでお知らせします。英国での「Lenvima」新発売を皮切りに、欧州各国で順次発売する予定です。

 欧州での甲状腺がんの罹患者数は毎年52,000人以上と推定されています。甲状腺がんのおよそ95%を占める分化型甲状腺がんの多くは、手術および放射性ヨウ素療法で治療可能ですが、進行した分化型甲状腺がんの治療選択肢は限られており、未だアンメット・メディカル・ニーズが高い疾病です。

 「Lenvima」は、グローバルで実施した分化型甲状腺がんを対象とした臨床第III相試験(SELECT試験)において、プラセボに対して無増悪生存期間を統計学的に有意に延長するとともに、高い奏効率を示しました(1)。本試験において認められた主な副作用は、高血圧、下痢、疲労・無力症、食欲減退、体重減少、悪心でした。本剤は、欧州医薬品庁(European Medicines Agency)より迅速審査の指定を受け、2015年5月28日に承認を取得しました。

 「Lenvima」は、当社の筑波研究所で創製され、自社開発した新規抗がん剤です。腫瘍血管新生や腫瘍増殖に関わるVEGFR、FGFR、RET、KIT、PDGFRなどに対する選択的阻害活性を有する経口投与可能な分子標的治療薬であり、特に甲状腺がんの腫瘍血管新生と腫瘍増殖に関与するVEGFR、FGFRおよびRETを同時に阻害します。また、本剤は、VEGFR2とのX線共結晶構造解析から、新たな結合様式(タイプ∨)を有することが確認された薬剤であり、速度論的解析からは、標的分子に素早く結合し、強力なキナーゼ阻害作用を示すことが確認されています(2)。

 本剤は、2015年2月から米国において、「局所再発又は転移性、進行性、放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がん」を適応として販売され、日本においても、2015年5月から「根治切除不能な甲状腺癌」を効能・効果として販売されています。2015年度中に、20カ国以上での新発売をめざしています。さらに、肝細胞がんを対象としたグローバル臨床第III相試験や、腎細胞がん、非小細胞肺がんなど複数のがんを対象にした臨床第II相試験が進行中です。

 当社は、「Lenvima」を甲状腺がんの新たな治療選択肢としてお届けするとともに、本剤によるがん治療の可能性を引き続き追求し、がん患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。


<参考資料>

 ※添付の関連資料を参照




この記事に関連するキーワード

甲状腺がん エーザイ 抗がん剤 プラセボ 肺がん 英国 有意 X線

Related Contents

関連書籍

  • 死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    詩歩2013-07-31

    Amazon Kindle版
  • 星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    前田 徳彦2014-09-02

    Amazon Kindle版
  • ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    大久保 明2014-08-12

    Amazon Kindle版
  • BLUE MOMENT

    BLUE MOMENT

    吉村 和敏2007-12-13

    Amazon Kindle版