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竹中工務店、大規模医療施設の利便性と快適性を向上する架構システムを開発

2014-02-25

大規模医療施設の利便性と快適性を向上する架構システムを開発
配管設備変更の利便性など建物のリニューアルが容易で、施設の長寿命化に貢献


 竹中工務店(社長:宮下正裕)は、総合病院などの大規模医療施設に向けて、設備配管の径やルートをフレキシブルに変更できる利便性と、開放感のある室内空間を実現した架構システムを開発しました。2014年9月竣工予定の「医療法人豊田会 刈谷豊田総合病院」(愛知県刈谷市)の新病棟(地下1階、地上8階、鉄筋コンクリート免震構造)他1件で本システムを適用しています。

 本システムは、「扁平断面梁」と「高強度RC スリム柱」で構成されており、主に免震建物で使用します。「扁平断面梁」は梁の高さを低くし、設備配管を梁に貫通させないことで更新を容易にします。また、「高強度RC スリム柱」は超高強度コンクリートと高強度鉄筋を採用して柱の断面積を縮小し、開放感のある室内空間を実現します。

 *参考画像は添付の関連資料を参照

【本システムの特徴】

1.扁平断面梁
◆配管設備のルート変更にフレキシブルに対応し、建物の長寿命化に貢献
 本架構システムを構成する扁平断面梁は、設備配管を梁に貫通させず、梁の下部に吊り下げるため構造的な制約が小さく、膨大かつ複雑な設備配管の設計を自由に行うことができます。また、部屋のレイアウトや配管ルートの変更がフレキシブルにできるようになったのが特徴です。
 通常の鉄筋コンクリート梁は貫通孔を設けて設備配管を通すため、竣工後の配管ルートの変更に柔軟に対応できませんでした。また、設備機器の変更で、配管の径が貫通孔より大きくなることも少なくありません。そのため、約20年ごとに発生する最新医療機器への更新が困難になり、建て替えを選択せざるを得ないケースも少なくありません。
 これは、病院機能を中断できない建築主にとって大きなネックになっていましたが、扁平断面梁はこうした問題を解消し、建物の長寿命化に貢献します。
 また、梁成が従来の1/2から1/3まで薄くなるため、階高を抑えながら天井高を確保することができます。

2.高強度RC スリム柱
◆断面積を通常の柱の約1/5〜1/7に縮小し、開放感のある空間を実現
 高強度コンクリート(刈谷豊田総合病院の場合、通常のコンクリートの約5倍の強度を持つ設計基準強度150N/mm2を使用)と高強度鉄筋(通常の鉄筋の約2倍の強度を持つSD685を使用)を使った柱を採用することで、柱の断面積を通常の1/5〜1/7に縮小することが可能です。
 (同病院の場合、360mm 角)。
 これにより、開放感のある室内空間を実現しました。
 通常のコンクリートを使用した場合、荷重を支えるために柱が太くなります。
 柱が太いと、使える空間面積が減る、ベッドや医療機器などのレイアウトに制約が出る、圧迫感があるなどの問題がありました。

 ※高強度コンクリートについては、過去のリリースを参照してください。
 http://www.takenaka.co.jp/news/pr0602/m0602_01.html

 *内観イメージ図は添付の関連資料を参照


【大型医療施設のニーズ】
 東日本大震災で多数の医療施設が被害を受けましたが、建物の躯体の損傷よりも、医療機器の破損などによる機能の停止あるいは低下が被災者の救護に大きな影響を及ぼしました。この教訓を受け、地域医療の中核を担う大型医療施設の多くが、地震時の継続利用をめざし、免震構造の採用が増えています。本架構システムは、それらの建物に対し、利便性と快適性の向上を図るものです。


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