東京商工リサーチ、「東日本大震災」関連倒産（６月速報値）の調査結果を発表

〔特別企画〕

【６月速報値】「東日本大震災」関連倒産
〜６月は２０件１４カ月連続で前年同月を下回る〜



　２０１３年６月の「東日本大震災」関連倒産は２０件（６月速報値）で、１４カ月連続で前年同月を下回った。累計は１，２１９件（６月２８日現在）にのぼった。倒産のほか、事業停止や法的手続準備中の「実質破綻」が２７件あり、震災関連の経営破綻（倒産＋実質破綻）は累計１，２４６件に達した。

＜６月の倒産事例＞
　運送業の（有）安全物流（TSR企業コード：１４２３２１３０３、宮城県）は、冷凍車での水産加工品、食品などの運送を行っていたが、東日本大震災の津波で営業車両５台が流失、沿岸部にあった本社事務所も被害を受けた。さらに、主力得意先の水産加工業者が壊滅的な被害を受けたことで業績が悪化した。このため、千葉に営業所を開設するなど新規ルートの開拓で生き残りを目指したが、国の助成金を不正受給したことが発覚、全額返還を請求されるなどで支えきれなり破産を申請した。
　オフセット印刷の（有）横山写真印刷（TSR企業コード：３５１１５００２１、神奈川県）は、テキストやマニュアルなどの制作・印刷業務も手がけていたが、東日本大震災の影響で総売上高の４割を占める主力取引先からの受注が激減した。新規取引の獲得を図るなど再建に図ったが、資金繰りが限界に達し、破産を申請した。

　震災関連倒産は、２０１２年１２月（２８件）以来、６カ月ぶりに３０件を下回った。発生ペースは緩やかながら収束傾向を強めている。

※下記資料は、添付の関連資料「参考資料」を参照
　・東日本大震災関連倒産（負債総額単位：百万円）
　・パターン別（負債総額単位：百万円）
　・東日本大震災関連倒産　震災後月次推移

　６月の地区別では、関東１３件、東北５件、中部と北陸が各１件だった。このうち、東北は岩手３件、宮城２件だった。
　「震災関連」倒産の累計１，２１９件を都道府県別にみると、最多は東京の３６４件（６月６件）。次いで、宮城７８件（同２件）、北海道７５件（同ゼロ件）、福岡５４件（同ゼロ件）、神奈川４８件（同１件）、千葉４５件、大阪４２件、群馬４１件、岩手４０件、福島３８件、石川３７件と続く。直接被害地の東北６県の倒産件数は２０４件（構成比１６．７％）となった。
　「震災関連」倒産の累計１，２１９件を産業別にみると、最多は製造業の３０１件（６月６件）と宿泊業・飲食店などを含むサービス業他の３０１件（同６件）だった。次いで、卸売業が２１６件（同３件）、建設業が１７１件（同２件）、小売業が１０２件（同ゼロ件）と続く。
　累計１，２１９件を被害型で分類すると、「間接型」１，１２６件（構成比９２．３％）に対し「直接型」は９３件（同７．６％）だった。６月は「直接型」が２件だった。

※下記資料は、添付の関連資料「参考資料」を参照
　・東日本大震災関連倒産　産業別倒産状況
　・産業別　件数構成比
　・東日本大震災関連倒産　原因別倒産状況
　・原因別　件数構成比
　・東日本大震災関連倒産　形態別倒産状況
　・形態別　件数構成比
　・「東日本大震災」関連　経営破綻状況（２０１３年６月２８日現在）
　・東日本大震災関連倒産　地区別倒産状況
　・地区別　倒産件数構成比
　・東日本大震災　都道府県別倒産状況