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電通、東北大などと認知神経科学から新産業創生を目指す産学連携組織を設立
電通が東北大学、エイジング社会研究センターと産学連携でラボを開設
― 人間の「共感」を実測、認知神経科学から新産業の創生を目指す ―
株式会社電通(本社:東京都港区、社長:石井 直)は、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジング国際共同研究センター(※1)(センター長:川島 隆太)、特定非営利活動法人エイジング社会研究センター(※2)(代表理事:村田 裕之)とともに産学連携組織「スマート・エイジング・ラボ」(※3)を設立することで合意しました。
近年、認知神経科学の研究成果と産業界の活動の結合を目指す、いわゆるニューロ・マーケティング分野の活動が活発化しつつあります。
「スマート・エイジング・ラボ」は、東北大学のスマート・エイジング国際共同研究センターが今まで培ってきた研究成果をベースに、エイジング社会研究センターの事業企画開発力・産学コーディネイト力、および電通の企業ネットワーク力・ブランド開発力を生かして新産業分野を創出し、新たな商品やサービスの開発までつなげる新しい産学連携の仕組みを構築するものです。
ラボの活動第1弾はテーマを「共感」と設定し、2013年に異業種で構成する産学連携型コンソーシアムを立ち上げます。
スマート・エイジング国際共同研究センターでは、日常生活における人間の精神活動について脳の直接計測を行い、時間軸に沿った「ゆらぎ」として定量化する手法を世界で初めて開発しました。その成果として、「共感」とは、「自己のゆらぎ」と「他者のゆらぎ」が共鳴(シンクロ)する現象である可能性を発見し、検討を続けています。
この手法を用いることで、商品やサービスの開発の段階から「複数の潜在ユーザー同士の相互作用」を考慮することができ、現実の「共感度合」を反映した商品開発が可能になります。具体的には、異業種企業の連携の下で実証実験を行い、最終的にはそのエビデンスを基に、例えば「家族の心が通じ合う住宅」「発想が豊かになる会議室」など、従来には見られなかった新しいタイプの空間商品やサービス商品、ブランド開発を目指します。
また「スマート・エイジング・ラボ」はコンソーシアム参加企業との共同研究の成果を広く社会に浸透させることにより、豊かなスマート・エイジング社会の実現を目指します。
※1 スマート・エイジング国際共同研究センター(通称SAIRC、センター長:川島隆太):超高齢社会における新たな統合的加齢科学分野を切り開き、持続可能型高度成熟社会の形成に寄与することを目指す国際的研究拠点。文系・理系にこだわらない架橋融合的研究、国際共同研究、産学連携研究などを展開する。
※2 特定非営利活動法人エイジング社会研究センター(代表:村田裕之):加齢による経年変化、社会環境の変化に適応し、個人と社会が真に幸せに成熟していくことを目的とする、政府や産業界から独立した第三者機関。高齢社会分野の複数の研究者、弁護士、税理士、カウンセラー、一級建築士、社会福祉士などの異分野の専門家によって設立。
※3 スマート・エイジングとは、スマート・エイジング国際共同研究センターが2006年から提唱している概念で、「エイジング(加齢)による経年変化に賢く対処し、個人・社会が知的に成熟すること」と定義。個人・社会が知的に成熟していくためには、各個人が生涯にわたり社会と関わりを持ち続けることが重要との考えに基づく。
以上