1,000兆分の1秒の時間遅延を観測 −水素分子イオン振動開始のための準備時間を制御できる可能性− <要旨>  理化学研究所(理研)光量子工学研究領域アト秒科学研究チームの鍋川康夫専任研究員、古川裕介客員研究員、緑川克美チームリーダーらの研究チーム(※)は、3,000兆分の1秒という短い時間幅のパルスが並んだ「アト秒パルス列[1]」という特殊な光で水素分子をイオン化すると、分子振動波束[2]の生成過程(水素分子イオンが振動を始めるための準備時間)が、従来考えられていた時間よりはるかに長いことを発見しました。これにより、使用するパルスによって準備時間を制御可能なことを示しました。...