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昭和電工、事業の概況と2012年の課題を発表
当社事業の概況と2012年の課題について
― 付加価値創出型企業への進化に向けて ―
昭和電工株式会社(社長:市川 秀夫)は、本年より中期経営計画“PEGASUS(ペガサス)”をスタートさせ推進実行しております。本年は東日本大震災や電力制限、台風被害、タイで発生した洪水などの天災によるサプライチェーンの寸断、長期化する歴史的円高などの厳しい経済状況が続きましたが、このような状況下において当社はペガサス初年度目標である450億円の営業利益を超過達成できる見通しです。
開始からほぼ1年を経過したことからペガサスの1年目の成果と2012年の経営方針等につきまして次のとおりお知らせいたします。
1、事業環境
欧州の金融不安や米国の景気回復の遅れがある中、中国経済は、一時より減速するものの金融緩和等の施策が実施され安定成長が続くものと想定されます。先進国経済の停滞により、世界経済の中国をはじめとする新興国シフトはさらに加速することが予想されることから、当社はBRICs諸国に加えてVIP(ヴェトナム、インドネシア、フィリピン)と呼ばれる新たなアジア新興諸国への対応を重視し経営を行ってまいります。
国内においては歴史的な円高の長期化が見込まれます。また、個人消費、企業投資には大きな期待はできず国内需要の成熟化が進む一方、東日本大震災からの復興需要は2012年に本格化するものと予想されています。あわせて本年、企業活動に大きな影響を与えた電力制限の問題に関しては、抜本的な解決は当面期待できないことから、2012年においても経済の足かせとなると思われます。
2、当社における本年の成果
本年上期に発生した東日本大震災と原子力発電所の事故による電力供給制限により、当社事業に関しては生産の一時休止や顧客業界の生産の落ち込みなど、一部事業において大きな影響を受けました。しかし、自動車産業をはじめとする顧客業界の生産が当初の想定より早く回復したことに加え、電機産業等を中心に震災で傷んだサプライチェーンの安定化のために在庫増を図る動きもあったことから当社業績は順調に拡大いたしました。
その後、第3四半期以降は歴史的な円高がさらに進行したことや、欧州や米国などの先進国経済の停滞、および中国の金融引き締め等の影響により海外経済が減速傾向になったことから、先行きについて不透明な状況が続きました。また10月にはタイの洪水により自動車メーカーや電機メーカーの現地生産拠点が大きな被害を受けたことと、部品メーカーも数多く被災したことからサプライチェーンに一部問題が発生しております。現在もサプライチェーン復旧の過程にあることから、全面的な回復は年をまたぎ2012年になると見込まれています。
以上のような厳しい環境下ではありますが、当社はペガサスの2011年営業利益目標の450億円を超過達成する見込みです。
また多くの事業課題に対処するため、当社グループはロードマップ、マイルストーンの設定による事業管理体制を構築し本年より運営開始いたしました。選定された重点テーマに関して、事業部門とスタッフを含めたプロジェクト体制を組み、期限を設け課題解決にあたるものであり、現在も複数テーマが推進されています。
※以下の資料は、添付の関連資料を参照
・3、2012年経営方針および計数イメージ
・4、当社事業のグローバル展開とサプライチェーンマネージメントの高度化
・5、個別事業の状況・戦略
6、2012年の課題
2012年の課題としては、第1に震災復興需要本格化への対応が挙げられます。当社グループは遅滞無く必要十分な原材料・素材・部材を供給することにより、メーカーとしての責任を果たしてまいります。
第2にサプライチェーンのリスク管理と最適化に関しては、再構築に向けては部材サプライヤーや顧客との調整が不可避です。当社グループ内で対応が困難な問題に関してはサプライヤーや顧客業界との協働によりリスクの低減を図ってまいります。また、歴史的円高が継続する環境下において最適なサプライチェーンを構築するという観点から、今後グローバル化をさらに推進いたします。
また、ハードディスクの需給タイト化、黒鉛電極の需要拡大、石油化学市況の底打ちなど各事業に関して環境が大きく変化することが想定されます。当社グループはこのような環境変化に的確に対応することにより収益基盤を強化するとともに、将来の成長に向けての事業育成を図ってまいります。
以上