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九大と阪大など、うつ病の重症度や「死にたい気持ち(自殺念慮)」に関連する血中代謝物を同定

2016-12-21

うつ病の重症度、および「死にたい気持ち(自殺念慮)」に関連する血中代謝物を同定
〜うつ病の客観的診断法開発への応用に期待〜

 うつ病は、抑うつ気分(気分の落ち込み)、意欲低下(喜びや意欲の喪失)に加えて、罪悪感、自殺念慮(死にたい気持ち)など様々な症状を呈し、自殺に至る危険が高い精神疾患で、重症度の評価は不可欠です。従来、本人の主観的な訴えに基づいた専門家による面接等での重症度評価が一般的でした。今回、日本医療研究開発機構(AMED)・障害者対策総合研究開発事業の支援により、九州大学大学院医学研究院の神庭重信教授(精神医学分野)、加藤隆弘特任准教授(先端融合医療レドックスナビ研究拠点)、康東天教授(臨床検査医学)、瀬戸山大樹助教(同上)、大阪大学大学院連合小児発達学研究科の橋本亮太准教授、国立精神・神経医療研究センター神経研究所の功刀浩部長(疾病研究第三部)、服部功太郎室長(疾病研究第三部・NCNPバイオバンク)らを中心とする共同研究グループは、抑うつ症状を呈する患者(うつ病や躁うつ病患者)から採血し、微量の血液成分から数多くの代謝物を同時計測できるメタボローム解析を行い、うつ病の重症度に関連する血中代謝物(3−ヒドロキシ酪酸、ベタインなど)を発見し、さらに罪悪感、自殺念慮などそれぞれの症状毎に関連する代謝物が異なることを発見しました。自殺念慮の有無や強さを予測するアルゴリズムも開発しました。
 本研究成果は、うつ病の客観的評価法開発および臨床検査応用に大きく貢献するだけでなく、うつ病の病態解明や、見出した代謝物をターゲットとした食品・薬品開発促進への波及も期待されます。
 本研究成果は、平成28年12月16日(金)午後2時(米国東部時間)に、オープンアクセスの国際科学雑誌「PLOS ONE」に掲載されます。

 ※図1は添付の関連資料を参照

■研究者からひとこと:
 様々なバックグランドを有する研究者が集い、うつ病をはじめとする精神疾患の病態解明と治療法開発を行っています。うつ病治療には早期発見・早期介入が重要で、今回の成果を手がかりとし、採血による簡便な客観的評価法が開発されることで、精神科以外の医療機関や健診などで抑うつ状態のスクリーニングが可能となり、将来的には国民全体の精神健康へ貢献することが期待されます。

 ※リリース詳細は添付の関連資料を参照





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