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NEC、先進AI技術を活用し医薬品開発で新薬候補物質発見・実用化を支援する創薬事業を開始
NEC、先進AI技術を活用した創薬事業に参入
〜がん治療用ワクチンの開発・実用化を推進する新会社を設立〜
NECは、ヘルスケア事業強化の一環として、NEC独自の先進AI(人工知能)技術を活用し医薬品開発で重要な新薬候補物質を発見するとともに実用化を支援する創薬事業を開始します。
NECは本事業の開始にあたり、NECが発見したがん治療用ペプチド(注1)ワクチンの開発・実用化を推進する新会社「サイトリミック株式会社」(以下、サイトリミック、注2)を設立しました。またNECとサイトリミックは本日、株式会社ファストトラックイニシアティブ(注3)、SMBCベンチャーキャピタル株式会社(注4)、NECキャピタルソリューション株式会社(注5)と、各社を引受先とするサイトリミックの第三者割当増資に合意しました。
NECは、最先端AI技術群「NEC the WISE」(注6)の1つとして、機械学習と実験を組み合わせることにより、短期間かつ低コストで、ワクチン候補となるペプチドを高効率に発見できるNEC独自の「免疫機能予測技術」を有しています。NECは本技術を活用し、2014年からの山口大学・高知大学との共同研究および山口大学における臨床研究を通じて、肝細胞がんや食道がん等の治療に効果が期待でき、かつ日本人の約85%に適合するペプチドを発見しました。
今後サイトリミックは、NECが発見したペプチドを主な有効成分とするワクチンについて、治験用製剤の開発、非臨床・臨床試験、製薬会社との事業化検討などを行い、新たながん治療薬としての実用化を進めます。
NECは、今回の創薬事業など、今後もAIをはじめとする最先端のICTを活用してヘルスケア事業を強化し、社会ソリューション事業を拡大していきます。
■背景
近年、生命科学の進展とともに人の免疫メカニズムの解明が進み、免疫を利用した新たながんの治療法が実現されつつあります。
また、免疫機能を利用した治療法の一つとして、「がんを攻撃する免疫」を活性化するがん治療用ペプチドワクチンの研究が進んでいます。
しかし、がん治療用ペプチドワクチンの開発・実用化には、約5,000億通りのアミノ酸配列の中から免疫を活性化するペプチドを発見する必要があるとともに、人それぞれに異なる白血球(HLA)型に対して汎用的に適合するペプチドや、ペプチドの効果を促進する免疫補助剤(以下、アジュバント、注7)を発見し、さらにはこれらを用いた非臨床試験・臨床試験を実施するなど、長い時間と膨大なコストがかかることが課題となっています。
NECは、先進のAI技術により短期間かつ低コストでがん治療用ペプチドワクチンの候補となるペプチドを発見しました。今回設立したサイトリミックを通じて、NECはがん治療用ペプチドワクチンの開発・実用化を支援します。
※リリース詳細は添付の関連資料を参照
以上
◆本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NECの創薬事業について
NEC 事業イノベーション戦略本部
E−Mail:contact@peptide.jp.nec.com
サイトリミックについて
サイトリミック株式会社(代表)
E−Mail:info@cytlimic.com