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理研と東北大と首都大学東京、SWEETタンパク質による植物ホルモン「ジベレリン」の輸送を発見

2016-11-08

SWEETタンパク質は植物ホルモン「ジベレリン」を輸送
−受容体センサーを利用した網羅的探索により発見−


■要旨
 理化学研究所(理研)環境資源科学センター適応制御研究ユニットの瀬尾光範ユニットリーダー(首都大学東京大学院理工学研究科客員准教授)、菅野裕理テクニカルスタッフII、東北大学大学院理学研究科の上田実教授、首都大学東京の小柴共一名誉教授(元大学院理工学研究科)らの共同研究グループは、これまで糖の輸送体として考えられてきたSWEETタンパク質が植物ホルモン「ジベレリン」を輸送することを発見しました。
 ジベレリンは種子発芽、伸長成長、花芽形成・開花などを促進する低分子化合物です。これまでにジベレリンの代謝や情報伝達に関与する多くの因子が同定されていますが、植物体内でジベレリンがどのように輸送されているのかについては、ほとんど明らかになっていませんでした。
 共同研究グループは、これまでにジベレリン、アブシシン酸、ジャスモン酸などの植物ホルモンの受容体をセンサーとして利用した酵母two−hybrid系[1]を用いることで、これらの植物ホルモンを輸送するタンパク質を網羅的に見つけ出す方法を開発してきました注1)。今回、この方法を使い、シロイヌナズナのSWEET13、SWEET14というタンパク質が、ジベレリンを細胞内へ取り込む輸送体であることを発見しました。SWEETタンパク質は糖の輸送体としてバクテリアから高等生物まで広く存在していますが、SWEETタンパク質が糖以外の化合物を輸送することが明らかになったのは初めてです。
 今後、植物体内におけるジベレリンの局所的な分布を変化させることで、植物の成長や種子発芽、開花などを精密にコントロールすることにより、植物の収量増大につながる新たな成長調節技術の開発が可能になると期待できます。
 本研究は、科学研究費補助金(新学術領域研究)「大地環境変動に対する植物の生存・成長突破力の分子的統合解析」、「天然物ケミカルバイオロジー」、最先端研究基盤事業「植物科学最先端研究拠点ネットワーク」の支援により行われました。
 成果は、国際科学雑誌『Nature Communications』(10月20日号)に掲載されました。

 注1)2012年5月29日プレスリリース「栄養素を運ぶタンパク質「NRT1.2」が植物ホルモンも運ぶことを発見」
 http://www.riken.jp/pr/press/2012/20120529/

 ※リリース詳細は添付の関連資料を参照




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