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清水建設、移動式の温熱・風環境計測システムを開発

2016-08-19

移動式の温熱・風環境計測システムを開発
〜東京大学と都心マラソンコースの温熱環境計測を実施〜


 清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、ヒートアイランド現象等の進行により都市の夏季屋外温熱環境が過酷化していることを踏まえ、一定規模の地域において酷暑緩和策が必要な地点と緩和策の提案に欠かせない原因の特定を支援する移動式の環境計測システムを開発・実用化しました。このシステムは、エリアの温熱環境を計測する「エリア計測車」と局地の温熱や風環境を計測する「スポット計測車」から構成されます。

 実用化第一弾として、8月11日〜14日の4日間にわたり、東京大学工学部都市計画学科の横張真教授と共同で、夏季に都心で計画されているマラソンコースの温熱環境を計測します。その後、両者で今回の計測結果をもとにマラソン競技者や観客が受ける熱的影響を把握するとともに、横張真教授が中心になり、必要な酷暑緩和策等を主催者などに対して提案していく予定です。

 温熱環境の過酷化については、毎年、夏季に環境省日本気象協会が熱中症情報を提供して注意を喚起していることが、それを物語っています。ただ、地域単位の広域予報で十分な気象情報とは異なり、温熱環境と風環境はその場所の周囲の建造物等に大きく左右されることから、対策立案には局地的、かつ精緻な環境評価が欠かせません。例えば、お台場・有明地区で当社が昨夏に行ったエリア計測では、わずか8km2(移動総距離約16km)の地域の気温分布に3℃もの差があることが判明しています。

 このため、酷暑緩和策の立案にあたっては、初めに対象となる地域の温熱環境を計測します。具体的には、エリア計測車を対象地域の道路に沿って走行させることで、温湿度、路面温度、日射量を連続的に計測し、かつ計測データをGPSの位置情報とリンクさせながらデータロガーに蓄積します。計測データは3G回線を介して送信でき、かつグーグルアース上へリアルタイムに表示できます。エリア計測車は時速20〜40km程度で走行しながら温熱環境を計測できるため、効率よく地域の温熱環境を把握することができます。

 続いて、エリア計測データの中から、温熱環境が過酷な地点を特定して、スポット計測車により当該地点の温熱や風環境を集中的に計測します。小型計測車はベースの電動車椅子に、温湿度、風向風速、上下・左右・前後の長短波放射量を計測する装置を搭載しており、歩行速度で移動しながら計測作業を行います。長短波放射量計測は、日射(短波)あるいは、道路面や建造物の壁面等からの輻射熱(長波)による影響を求めるものです。スポット計測車はエリア計測車に搭載して搬送します。

 酷暑緩和対策は、スポット計測データをベースに提案します。例えば、温熱環境を悪化させている原因が風通しの悪さなら風の道の確保、上からの日射なら日除けなどの上空対策、道路からの輻射熱なら遮熱舗装施工、建物壁面からの輻射熱なら壁面緑化といった具合に、局地の温熱環境に最適な改善対策を立案できます。

以上

 ※参考画像は添付の関連資料を参照




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