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竹中工務店、街づくりモデル「竹中脱炭素モデルタウン」の構築に取り組み開始

2016-07-21

「竹中脱炭素モデルタウン」への取り組み開始
第一弾は当社のエネルギーマネジメントシステム「I.SEM(R)」を活用しVPPを構築


 竹中工務店(社長:宮下正裕)は、脱炭素社会の実現に向け、東京本店が立地する江東区新砂エリアにある当社関連建物を中心に、街づくりモデル「竹中脱炭素モデルタウン」の構築に取り組みます。当社はこれまでも、持続可能な社会を目指したスマートコミュニティの実現に向けて、「活力魅力」、「環境共生」、「安全安心」をもたらすまちづくりを進めてきました。今回の「竹中脱炭素モデルタウン」は、これらを具現化するものです。

 「竹中脱炭素モデルタウン」では、(1)省エネルギー・蓄エネルギー・創エネルギーシステムを最適に組み合わせ、複数棟・異種エネルギーデバイスを1棟の建物のように統合制御し、(2)またそれぞれの建物に設置された様々なデバイスを高効率に活用して建物の消費エネルギーを最小限とし、(3)最新緑化システムや雨水活用技術等の環境にやさしい技術も盛り込んで構築することにより、最大級の脱炭素をめざす新しいまちづくりのモデル街区です。この一連のシステムを導入した場合、複数用途の集まる10万m2の街区において、新・再生可能エネルギーを最大限活用すると、40〜60%のCO2排出量削減効果が見込めるものとなります。

 当タウン実現に向けては、今夏から2020年にかけて順次構築し実証を重ねていきます。

■「竹中脱炭素モデルタウン」を構成するエネルギー分野の取り組み
 (1)新砂エリアに建つ当社関連建物(竹中工務店東京本店ビル、東陽町インテスビル、TAK新砂ビル)を対象としたバーチャルパワープラント(以下VPP)(※1)の構築
 (2)TAK新砂ビルに新エネルギーを活用した高効率なエネルギーシステムの導入
 (3)周辺建物を取り込み、複数建物を連結した効率的な熱融通の実施
 (4)(1)で構築したVPPの対象建物を、遠隔地に建つ当社関連建物まで拡大

 *参考画像は添付の関連資料を参照

■新砂エリアVPPの構築について
 「竹中脱炭素モデルタウン」への取り組みの第一弾として、新砂エリアに建つ3棟の当社関連建物を対象とし、今秋からの実証開始をめざし7月よりVPP構築を開始します。
 この実証には、アグリゲータ(※2)として東京電力エナジーパートナー株式会社(社長:小早川智明)に参加いただき、NTTコミュニケーションズ株式会社(社長:庄司哲也)と共同で構築したクラウドを活用します。

<新砂エリアVPP実証実験の特長>

(1)「I.SEM(R)」で3棟のエネルギーを1棟として制御
 当実証の中核となる技術には、昨年当社が開発し実証を進めてきたエネルギーマネジメントシステム「I.SEM(アイセム)」(※3)を採用。電力需要の正確な予測、最適運転計画、リアルタイム制御機能を活用し、3棟のエネルギー需要から消費までをクラウド上で仮想的につなぎ1棟として制御します。

(2)デマンドレスポンスに高精度で対応
 アグリゲータからの仮想デマンドレスポンス(以下DR※4)要請信号を「I.SEM」が受信し、3棟に設置されているエネルギーデバイス(蓄電池、太陽光発電、電気自動車等)の中から自動的に最適なデバイスを選択。一連のDR応答がVPPとして要求される精度で対応できることを確認します。

(3)ランニングコストもCO2排出量も削減
 「I.SEM」の複数棟を同時に制御できるエネルギーマネジメント機能を活用すると、条件の厳しい中小規模事務所ビル同士の組み合わせにおいてもランニングコストで10〜20%、CO2排出量で5〜10%の削減効果が見込めます。

(4)複数建物のオーナーに様々なメリット
 今回構築するVPPは、建物を複数棟所有する電力需要家にとって、電力をまとめて需給コントロールすることにより、建物単体では享受できない有利な料金体系を利用することができる、建物ごとにアグリゲータとの契約・DR要請時の対応を行う必要がなくなる、といったメリットが想定されます。

 この技術は今後活発になってくるネガワット取引(※5)に対する有効な手段となります。当社は今後、今回構築した「I.SEM」を活用した複数棟統合エネルギーマネジメントシステムを、お客様に積極的に提案していきます。

■「竹中脱炭素モデルタウン」への取り組みの背景
 COP21を経て、低炭素への取り組みはますます加速され、低炭素から脱炭素の取り組みへと強化されていきます。CO2を発生しない新エネルギーの利用拡大と安定的利用を強化することに加え、集中型発電中心のエネルギー供給に新たな仕組みがと導入され、これに対応するエネルギーマネジメントの手法がポイントとなります。また、緑化など街の構造そのものを低環境負荷とする仕組みも求められます。

 ※1)バーチャルパワープラント(VPP):建物に設置された複数のエネルギーデバイス(発電機、蓄電池、太陽光発電機等)を統合制御することで、あたかも1つの発電所のように機能させること。経済産業省低炭素社会実現のために、集中型発電と分散型電源を調和させた新たなエネルギーシステムの構築・新ビジネスの創出として注力している。
 ※2)アグリゲータ:小口需要家の電力需要を集約することにより、効果的なエネルギーマネジメントを行う事業者。電力逼迫時に需要家に対してデマンドレスポンス要請を出し、削減した量をまとめて電力会社などに販売するなどして報奨金を得る事業も行う。
 ※3)エネルギーマネジメントシステム「I.SEM(R)」:蓄電池、太陽光発電、電気自動車など異種、複数の電源を統合接続し、負荷予測、最適運転計画、リアルタイム制御のソフトウェアにより、建物のエネルギーを最適に運用しながら、電力自由化に伴い想定される「計画値同時同量制御」の料金体系に対応できるパッケージ型のシステムである。本システムは、TAK 新砂ビルに導入され、実運用中である。
 ※4)デマンドレスポンス:電力需給の逼迫が予想される時に、需要家側で電力使用を変動(抑制)させて電力の需給バランスを保つ仕組み。
 ※5)ネガワット:需要家の節電により余った電力を、発電したことと同等にみなす考え方。デマンドレスポンスにより生まれた電力「ネガワット」を、電力会社が買い取ったり、市場で売買されることを「ネガワット取引」という。





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