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グラクソ、ポリペプチド系抗生物質製剤「オルドレブ点滴静注用150mg」を発売
ポリペプチド系抗生物質製剤
「オルドレブ(R)点滴静注用150mg」を新発売
グラクソ・スミスクライン株式会社(社長:フィリップ・フォシェ、本社:東京都渋谷区、以下GSK)は、5月25日付で、ポリペプチド系抗生物質製剤「オルドレブ(R)点滴静注用150mg」(一般名:コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム、以下「オルドレブ(R)」)を発売しました。
「オルドレブ(R)」は、厚生労働省の未承認薬・適応外薬検討会議において「医療上の必要性が高い」と評価されたことを踏まえ開発した多剤耐性緑膿菌由来感染症に対する治療薬です。「オルドレブ(R)」は、国内外のガイドラインにおいて、他系統の抗菌薬の効果が認められない緑膿菌感染症に対する治療薬の「最後の選択肢」として位置づけられており、近年、国内で問題となっている緑膿菌を中心としたグラム陰性菌の薬剤耐性化に対する治療の選択肢として日本での承認が切望されていました。
「オルドレブ(R)」の承認(2015年3月26日付)に際しては、製造販売後も一定数の症例が集積するまでは、全症例に使用成績調査を実施することが承認条件として課せられるとともに、本剤の適正使用及び耐性菌の発現防止等の保健衛生上の観点から厚生労働省より通知が出されるなど、その使用においては十分な管理が求められています。
GSKの社長 フィリップ・フォシェは本剤の発売について次のように述べています。
「オルドレブ(R)を日本の患者さんにお届けできることで、GSKでは、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議の枠組みにまたひとつ貢献できることを誇りに思います。GSKは、このスキームのなかで国内未承認の様々な医薬品や適応について開発に着手しており、日本におけるドラッグラグや医療上のアンメットニーズの解消に貢献しています。今回もGSKは日本における多剤耐性緑膿菌感染症に対する臨床上の課題を深刻に受け止め、オルドレブ(R)の開発に着手しました。本日より、既存の薬剤では効果が期待できない感染症の新たな治療の選択肢として、この深刻な臨床上の課題解決に寄与できることを期待しています。なお、本剤は適正使用が極めて重要であることから、GSKは関連する学会とも協力し、適正使用の推進と徹底を図るとともに、市販後の情報収集および医療機関への情報提供に鋭意努めてまいります。」
なお、GSKでは、稀少疾患情報サイト「稀少専家」(http://kishosenka.jp/index.html)を運営し、稀少疾患に関する情報発信をしています。
■「オルドレブ(R)点滴静注用150mg」
製品名:
「オルドレブ(R)点滴静注用150mg」
一般名:
コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム
承認取得日:
2015年3月26日
発売日:
2015年5月25日
薬価:
8,261円/150mg1瓶
効能・効果:
<適応菌種>
コリスチンに感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、緑膿菌、アシネトバクター属
ただし、他の抗菌薬に耐性を示した菌株に限る
<適応症>
各種感染症
・効能・効果に関連する使用上の注意
1. β−ラクタム系、フルオロキノロン系及びアミノ配糖体系の3系統の抗菌薬に耐性を示す感染症の場合にのみ本剤を使用すること。
2. 原則としてコリスチン及び上記3系統の抗菌薬に対する感受性を確認した上で本剤を使用すること。
3. 本剤はグラム陽性菌、ブルセラ属、バークホルデリア属、ナイセリア属、プロテウス属、セラチア属、プロビデンシア属及び嫌気性菌に対しては抗菌活性を示さないため、これらの菌種との重複感染が明らかである場合、これらの菌種に抗菌作用を有する抗菌薬と併用すること。
用法・用量:
通常、成人には、コリスチンとして1回1.25〜2.5mg(力価)/kgを1日2回、30分以上かけて点滴静注する。