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ニプロなど、ヒト多能性幹細胞(ES/iPS細胞)の新たな三次元培養法に用いる培養バッグ試作品を開発

2014-05-02

ヒト多能性幹細胞(ES/iPS細胞)の新たな三次元培養法に用いる培養バッグ試作品を開発
―大量培養・大規模生産を可能に―



 ニプロ株式会社と京都大学物質−細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス、拠点長:中辻憲夫)は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)の研究プロジェクト「ヒト幹細胞実用化に向けた評価基盤技術開発」(※1)のうち中辻教授が率いるチームにおいて、京都大学日産化学工業株式会社により新たに開発された2種類の機能性ポリマーを用いたヒト多能性幹細胞(ES/iPS細胞)の三次元大量培養法(※2)に使用できる培養バッグ試作品を開発しました。この新たな三次元培養法は、高品質のヒト多能性幹細胞の安定的な大量生産と供給を可能とし、ヒトES/iPS細胞を用いた再生医療や創薬活用の実用化と産業化に大きく貢献することが期待されます。

 ヒト多能性幹細胞は、無限の増殖能と多分可能を有することから、再生医療や創薬研究への実用化が期待されています。そのためには、高品質の細胞を安定的に大量供給する必要がありますが、従来の接着培養法は、大量生産には不向きであり、近年注目されている浮遊培養法もまた細胞塊の大きさのコントロールや攪拌による細胞ダメージなどの問題があります。

 今回、研究グループは最適な三次元培養による大量生産を可能にするために、新たなスフェア(※3)培養法を確立しました。今回開発した方法では、従来の細胞継代時の細胞解離に使用される酵素処理ではなく、メッシュフィルターを用いた機械的処理による細胞株の継代法を確立し、高分子ポリマーであるメチルセルロース(※4)を培養液中に添加することで、細胞スフェア間の自発的融合を大幅に減少し、細胞塊の大きさを均一にすることに成功しました。また、別の高分子ポリマーであるジェランガム(※5)を添加することで、撹拌することなく浮遊させることが可能な三次元スフェア培養法の開発に成功しました。この方法で京都大学と当社が開発した200mL容量のガス透過性培養バッグを用いた培養では、10の8乗個の細胞数を獲得でき、多能性幹細胞を効率的に増殖生産できるシステムの開発が可能であることを実証しました。この技術は、今後国内外で不可欠となる細胞大量生産にとって画期的な新技術です。

 ニプロでは、今後とも再生医療や最先端医療への取り組みを積極的に推進し、患者さまのQOL向上はもちろんのこと、より安全で、環境に配慮した製品の開発、提供に努めてまいります。

 *注釈は添付の関連資料を参照



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