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富士経済、呼吸器疾患治療剤などの医療用医薬品の国内市場調査結果を発表
呼吸器疾患治療剤、感覚器官用剤、抗アレルギー剤、
皮膚疾患治療剤、解毒剤の医療用医薬品の国内市場を調査
―2010年医療用医薬品市場調査(3)―
―2010年の市場見通しと09年比伸び率―
●皮膚疾患治療剤 1,040億円 6.6%増 男性脱毛治療の位置づけ明確化も貢献
●呼吸器疾患治療剤 3,069億円 1.6%増 吸入ステロイド剤が市場成長を促進
●感覚器官用剤 2,067億円 0.9%増 緑内障、加齢黄班変性症の新薬が牽引
●抗アレルギー剤 1,414億円 13.3%減 09年のスギ花粉飛散量減が影響
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界03−3664−5811)は、医療用薬剤全24分類の国内市場を今年1月から2年かけて6回に亘り調査を行なっている。
第3回の今回は、呼吸器疾患治療剤、感覚器官用剤、抗アレルギー剤、皮膚疾患治療剤そして解毒剤市場の調査結果を、報告書「2010 医療用医薬品データブック No.3」にまとめた。
この調査では、疾病概要、患者数、エビデンス(調査研究に基づく、医薬品・治療・検査方法などの適正判断用証拠)・診療ガイドラインの動向、治療薬剤、企業の製品開発などを調査・分析した。また行政の動向やジェネリック医薬品の浸透度、スイッチOTCの現状など、この市場に影響を及ぼす要因を分析した。
<注目治療剤市場>
●COPD治療剤(慢性閉塞性肺疾患 呼吸器疾患治療剤)
2008年 2009年 08年比 2010年見込 09年比
314億円 332億円 5.7%増 370億円 11.4%増
09年に診断・治療のガイドラインにタバコと明記された煙を長期に吸入曝露して発症する肺の炎症性疾患である。患者数は非常に多いと推定されるが治療を受けている人はその1割にも満たないという現状である。喫煙や、受動喫煙がCOPDリスクを高めるとして、厚労省の検討会は今秋には提言をまとめる予定である。
長期喫煙者はたとえ禁煙しても5〜60才代に罹患する確率が高く今後2〜30年は患者の増加が予測される。治療剤は、気管支拡張剤として抗コリン剤、β2刺激剤、テオフィリン製剤が投与され、抗炎症薬として吸入ステロイド剤が使われる。抗コリン剤の日本ベーリンガーインゲルハイム「スピリ−バ」、吸入ステロイド剤/β2刺激剤の配合剤のグラクソ・スミスクライン「アドエア」があり、今後も実績が拡大すると予測される。
●禁煙補助剤(呼吸器疾患治療剤)
2008年 2009年 08年比 2010年見込 09年比
31億円 46億円 48.4%増 52億円 13.0%増
10月1日からタバコ税率引き上げによる価格改定が実施されて、2,600万人といわれる喫煙者がかなりの割合で禁煙に取り組むと予測される。その際、禁煙治療を医療機関を頼りに行なうか、OTC医薬品で独力で行なうかでこの市場が左右されるだけに、医薬品メーカーにとっては”禁煙治療は医療機関で”という構図をいかに創り上げるかが重要となる。
治療剤は、ノバルティス ファーマ「ニコチネルTTS」、ファイザー「チャンピックス」の2製品のみである。ファイザーは「チャンピックス」発売と同時に禁煙治療のプロモーション活動を活発化し、自社サイトやテレビCMなどで”禁煙治療は医療機関で”を浸透させて実績の拡大に繋げている。今後、専門の医療機関で治療を受けるほうがより確実に禁煙効果が得られるとエビデンスを示して直接喫煙者にPRすれば、OTC医薬品よりも医者に頼る喫煙者も増えると考えられる。
●加齢黄斑変性症治療剤(感覚器官用剤)
2008年 2009年 08年比 2010年見込 09年比
40億円 109億円 2.7倍 116億円 6.4%増
黄斑変性症治療剤は、加齢に伴い網膜の黄斑部に障害が生じる疾患である。高齢化を迎える日本では患者の増加が予測される。ここ数年、医師や患者にこの疾患が認知されており、啓発活動も本格化していることから、治療患者の大幅な拡大が予測される。この疾患は欧州で失明率が最も高く、日本でも失明率こそ4位と低いが、潜在患者数の多い疾患である。
04年にノバルティス ファーマ「ビスダイン」が発売されると、静脈静注と眼科用レーザー光線力学療法の専門医を育成して普及に努めた。しかし市場は治療のし易さから、09年3月発売の硝子体内注射薬ノバルティス ファーマ「ルセンティス」に移っている。専門医から海外での臨床データの多さが期待されることもあり、「ビスダイン」で開拓した医師に、薬剤と硝子体内注射法を認知してもらうことで発売1年以内にトップブランドへと成長している。
<調査結果の概要>
※添付の関連資料を参照
<調査対象領域>
1.抗アレルギー剤(外用、点眼、点鼻、点耳剤は除く)
2.感覚器官用剤
1)緑内障治療剤 2)その他眼疾患治療剤(ベーチェット病含む) 3)点鼻剤・点耳剤 4)メニエール病治療剤(鎮暈剤含む)
3.皮膚疾患治療剤
1)外用抗菌剤 2)外用消炎剤・アトピー性皮膚炎治療剤 3)褥瘡治療剤 4)脱毛症治療剤
4.呼吸器疾患治療剤 1)喘息治療剤 2)COPD治療剤 3)鎮咳・去痰・呼吸促進剤 4)消炎酵素・総合感冒剤5)禁煙補助剤
5.解毒剤
<調査方法>
富士経済専門調査員による調査対象企業及び関連企業・団体等へのヒアリング調査及び関連文献による補完
<調査期間> 2010年4月〜7月
資料タイトル:「2010 医療用医薬品データブック No.3」
体 裁 :A4判 370頁
価 格 :160,000円(税込み168,000円)
2冊セット価格:300,000円(税込み315,000円)
3冊セット価格:450,000円(税込み472,500円)
調査・編集:富士経済 東京マーケティング本部 第二事業部 メディカルグループ
TEL:03−3664−5831 FAX:03−3661−9778
発 行 所:株式会社 富士経済
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